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「英雄か暴君になれ」

一面的な在り方

新卒で入社してすぐの頃、最初の上司に「お前は英雄か暴君になれ」と言われたことがあります。

当時は何を言われているのか分からず、言葉の通り「英雄になるか」「暴君になるか」の2つの選択肢があり、どちらかになるべきだという話だと考えていました。

自分自身、”器”や”人徳”、”人格”という言葉を好んで使う傾向にあり、新卒・出田としては「そりゃ当然、英雄になるしかないな」としばらく思い込んでいました。

理想が呪いになる

しかしながら、「英雄になる」との考え方が、自分の”らしさ”を狭く小さく定義してしまい、自分をアップデートできない状態に長く陥っていました。

特に、管理職になって以降、”人格者であらねば”との無意識下の考え方から、”言うべきことを言えない”ような短期では優しいが、中長期では愛がない振舞いをしてしまっていました。

そんな自分の状況を外部のメンターに相談した際に、「出田くんにとって、”人格”という言葉が呪いになっているかもね」とお伝えいただきました。

「”呪い”…?なんのことだ…?」とその場ではすぐに意図を理解できずにいて、しばらくは悶々と悩み続ける日々を過ごしていました。

多面的な在り方

そんな中、「英雄か暴君になれ」との最初の上司の言葉をふと思い出し、電撃が走りました。

「出田自身が英雄になるか」「出田自身が暴君になるか」の2択だと思っていましたが、上司が伝えたかったことは、「人によっては英雄として扱われるが、別の人にとっては暴君として扱われるような突き抜けた存在になれ。決してモブキャラにはなるなよ」というメッセージであったことにはじめて理解することができました。

冷静に考えると、イーロン・マスクを英雄として評する人間もいれば、暴君として評する人間もいます。当たり障りのないモブキャラとして評することはないです。

孫さんも三木谷さんも、柳井さんも同じだと思います。もし自分が孫さんの直部下で仕事を振られたら、孫さんの仕事の基準に応えられず、「鬼すぎる…!泣」と思っているはずです。

突き抜けた鬼上司になる

ビジネスパーソンとして被る仮面が1つしかなく、それが故にアイデンティティもアップデートできずにいたと思います。

複数の仮面を被り、自分の”らしさ”をアップデートする。それが最初の上司が伝えたかったことなのかもしれません。

ちなみに、その上司は典型的な鬼上司でした。5年後にありがたいと思えるメッセージを残してくれたその上司に感謝していますし、今度は自分が鬼上司になり、5年後にメンバーが理解できる言葉を伝えていきたいと思います。

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