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7/6 「REC」 7/8「歌稽古」

稽古の模様をレポートするぞ、と意気込んで言ってみたものの、なんらかの作業が毎日に近いくらいあって、僕自身も可能な限り参加しようとしているので、更新が間に合わん。サクサクいこう。

7/6 「プロモーション使う音源のためのREC」

壮一

ポルノでもよく使うレコーディングスタジオ。
お芝居の稽古場と違って、言うなればこっちの土俵だから落ち着けるわ。

ディレクションはご存じ小百合さん。
この日は壮一のみのREC。他のメンバーは後日。
なぜ壮一のみか。
それは、別の舞台の本番があるから!!
えっ? 1ヶ月後には「ヴァグラント」の初日があって、まだまだセリフも歌も覚えなきゃならないだろうに、その間に違う舞台に出るの?

聞けば、役者さんは稽古の期間が長い分、作品が被ることはあるそうで。
頭がこんがらがって別の舞台のセリフを喋り出したりしないのかなと勝手に心配。慣れっこなのかもしれないけど。
僕などポルノしかやってないのにも関わらず、その中で似たような出だしの曲を間違えて弾き出したこともあるのに。ネオメロとTHE DAYだったっけな。

RECは順調に。
いつものポルノの歌録りと違うのは「歌と演技のバランス」みたいなリクエストがあるということか。
普通に歌ってもいいんだけど、RECしているのは劇中歌で、歌っているのは壮一であるけれど佐之助なわけで。
例えば「祝い唄(※)」の歌い出しは、その場にいる列席者に呼びかけるような感じで、とか。普通のボーカリストにはあまりしないタイプのリクエスト。

小百合さんに質問コーナー


このタイミングで小百合さんに、コーラスアレンジで疑問に思ったことを質問してみた。
歌稽古は譜面を見ながらやってるので、小百合さんが施した匠のアレンジも目で確認できたりする。ポルノではあまりやらないハモり方とかが気になっていた。
詳しく書くと長くなるから、イメージだけ。

例えば、5つの音符でできたメロディがあるとする。歌詞は「なんでじゃい」。

このメロディに綺麗なハーモニーをつけようとすると、5つの音符の全部に3度上で、とかそういうふうになるけど、ある歌のある箇所は真ん中の1音しかハモってない。あとはユニゾン。
他の場所では、お尻の2音だけとか。
答えはやっぱり歌であり芝居のセリフだから、と。
ハーモニーをつける目的が、音像を広げたいとかだけでなく、感情の揺れによる言葉の強弱を表現するためだったりすると。(あってるかな)
だから、『なんでじゃい!』という言葉があるとすると。
真ん中の『で』を強くいうと、より『なんでじゃい!』になる、とかそういうことだと思う。ハーモニーがそれを担ってくれると、確かに主線の自由度は上がるよね。

こういうミュージカル音楽ならではのいわゆる「仕掛け」の話はめっちゃ面白いのでYouTubeとかやればいいのにと思う。僕は登録する。

壮一は4曲ほどさらっと歌って去っていった。


後、スタジオ近くのバーで

ポルノのマネージャーたちと。
新しくポルノについてくれることになった入社3ヶ月のマネージャーも含めて、ちょっと一杯。
ベテランとしていい話をしてやろうと思ってたのに、なぜか宇宙人はいるのかみたいな話になった。あれで何かを学んでくれただろうか?
あ、ポルノの新しくない方の(つまり偉い方)のマネージャーもいたので、なんかこんなことができたらいいですね、という話もした。宇宙船に乗れたらいいですね、じゃなく、ポルノとしてこんな活動したいですね、という話。

7/8「歌稽古」

14:00 小南、山口、水田、上口

小百合さんの特殊能力の一つが、たくさんの役者さんの名前を親しみを込め、なおかつ的確に呼び分ける、というのがある。
歌稽古は大人数になることもあり、一人一人の名前とパートを正確に把握している必要がある。そしてサクサクと歌のリクエストをしていく時に滞ることなく口にできるのは、それなりの能力だと思う。

壮一は「そうちゃん」で水田は「こうき」というふうにまあ普通なのから、松村さんを「ようせいさん」、荒川くんを「あらちゃん」、大泰司さんを「ももちゃん」みたいなのも。
他には「みやさん」が二人いるので宮川さんが「みやさん」で美弥さんは「るりるり」になったりする。

それにならってみる。
実際にはそう呼べてはないが、このレポでは僕も仲間に入れてもらったふうにしてみたい。

ということで、まゆちゃんとののちゃんとこうきと上口くん(←もちろん普通に呼ぶこともある。確か「上口くん」だった気がする。今度確かめておく)

二人の佐之助の時にも書いたことだけど、この二人、まゆのののトキ子も興味深い。

まゆちゃんと言えば、この前の日比谷フェスで、彼女の響く歌声で日比谷公園中のカラスが飛び立っていった、という逸話を残す。「Les Misérables」コゼット役。
声楽科出身。

ののちゃんはE-girls出身。 
ダンサーで、最近はミュージカル「SPY×FAMILY」などでミュージカル女優としての評価も急上昇。
(ちなみに6月、炭鉱の取材で行った福岡で、ちょうど「SPY×FAMILY」が公演中だったので、ののちゃんの回を見せてもらったんだけど、ぶっ飛んだ役すぎて、ただ圧倒されて終わった。いや、歌はよかった)

まゆちゃんは、彼女の友人が彼女を称して「侍みたい」と言ったというくらいキリッとした感じ。
ののちゃんは、普段の感じは柔らかい感じではあるよね。

こういうタイプの違うダブルキャストが、稽古場でバチバチしてくれたら、見てるこっちとしては面白いのに。上履き隠すとか。
もちろんそんなことはなく、歌稽古の席も隣同士で、歌が終わるたびに、何かを確認するように会話をしている。
同じ役として助け合っているんだろう。
・・・・ちぇっ。

タイミングの問題でトキ子のソロ曲「♪私を見ないで(※)」がまだ聞けてない。

16:00 水田、上口、平岡、美弥、宮川、大堀、吉田、遠山、加藤、大月、山田、酒井、杉山(真)、大泰司、大川 松村、辰巳、宇部、大村、りんたろう、荒川 with 早番の人たち

稽古場に人がたくさん。
どんどん歌がミュージカルらしい厚みと熱さを帯びていく。

変な話だけど、人間って「大きい」とか「多い」とかそういうシンプルな迫力で感動することもよくある。
「大きい」ナイアガラの滝の大きさ、とか、「多い」ゲンジボタルの群れ、だとか。ロックバンドの「でかい音」っていうのもこの仲間かも。

歌にはハーモニーやメロディとは別に、大きくて多い声は人の根源的な部分に響く。やはりグッときてしまう。

ーーーやばい。レポートが長くなってきた。あったことをサクサクと。

上口くんがとびっきりしんどいハイトーンでロングトーンをこうきに何度もやらされていた。

大月さんとゆうすけの香と松ペアのパートが鬼のように難しい。これについてはまた書く。

この日くらいから、曲の前後のセリフも少し言ってるんだけど、大堀さんのちょっとクセのある警察署長とか最高。

18:30 お先に失礼します

別件のスケジュールのため、お先に失礼しました。
帰りの車の中でマネージャーと、あの歌が良かった、あの人の声がすごかったと言い合う。

【祝い唄】
日比谷フェスでも披露。
マレビトは冠婚葬祭を司るのが仕事。
ということは宴で、騒げや騒げとなるはずで。
騒げ、となるとレゲエじゃないかということで作り始めた曲。
あんまり作ったことのないジャンルだな、できるかな、と思っていたけど、すぐできた。僕の中に眠るラガのヴァイブスがガチあがりしたんだろう。

【♪私を見ないで】
この舞台の中でどう使うかとか考えずに、僕が客としてミュージカルに行ったとして、聞きたいのはこういう曲だよな、とか思いながら作曲した。
本文でも書いたけど、歌も聴いてないけど、バンドアレンジもまだ聞けてない←これは全曲だが。
パワフルなバンドサウンドにのったトキ子の歌声を聴くが楽しみ。

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