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7/22  7/24  &備忘録

念の為に断っておくが、この稽古場レポは僕が見学した日だけ書いているし、見学した日を網羅しているわけではない。
稽古自体は週休1日で、1日7時間行われている。
7時間の間、小さな休憩は挟みながらも、ほぼノンストップで稽古が続く。
現時点は芝居を作っていく段階だから、役者さんが動いて、演出の板垣さんが細かく止めてリクエストをして、もう一度進めて。
30秒から2分ずつくらい進んでは巻き戻してって感じか。
あるいは10会話くらいずつ。←イメージですが。
ちょうどデッサンを描くペンが、いくつものラフな線を引いて、その中から欲しい線を選ぶみたいな感じに見える。
その間に音楽とのすり合わせがあったり、歌の振付があったりする。
ジリジリと、しかし確実にシーンが出来上がっていく。
観客の皆さんが実際に舞台を見る時の時間の流れとは違うゆっくりとしたスピードではあるが、これはこれで物語がエンディングに向かってパワーを蓄えている感じがして、見応えがある。


7/22

クライマックスの一個手前の、起承転結で言うと転。
これまでよりもより一層、丁寧に作っていってるように見える。
”ヴァグラント”に限らず、物語の登場人物は、エンディングでは幕が開いた時にいる場所からは移動していないといけない。
それは精神的なもののことが多いけど(成長という)、場合によっては物理的な移動のこともある。
ドラえもんの映画では、恐竜の赤ちゃんと別れることによってのび太は成長する。(ちなみにドラえもんは成長しない。そういうキャラがいることで、のび太やスネ夫、ジャイアンがどれほど”移動”したかがわかる仕組み)
この転あたりの人物の描き方は、物語の本質に直結するから、さらに丁寧なのかもしれない。

板垣の部屋

この日、予定のシーンまで進んだので、「板垣の部屋」なるものが開催された。
演出家、というか演劇家板垣さんのワークショップ。
お題は「演技の種類」と「面白いとは」。
自由参加だったけど大勢が参加していて。
僕も参加させてもらった。
ロシアで興った「リアリズム」と歌舞伎とかの「デフォルメ」が日本の演劇界において果たす役目は・・・・、とかの話。
面白かったが僕が語れるほど理解できてないので内容は割愛するが、こういう勉強もするのね。
次回は晴一の部屋でも開催しよう。
お題は「やる気ゼロで作れるビールのおつまみ」とかか。参加者はいるのか。

7/24

やっと辿り着いた。エンディングまで。
僕がミュージカルのエンディングにはこういう曲が聴きたいと思って作った曲が聞けた。嬉しい。
稽古場に見えない幕が降りた時、やっぱり演者の皆さんからも拍手が起こった。

昼ごはんにコンビニのざるうどんを買っていた僕は、啜る音が稽古場に響かないように(静かなシーンで、ずるずるというわけにはいかない)男性陣の控えスペースにお邪魔していた。
そこにいた辰巳さんに「またこれを最初からやるんですよね。大変ですよね」と聞いてみた。
歌のラインや動き、無数のリクエストを覚えているのか、という意味で。
すると「まだ変わりますしね」と。
そりゃそうか。通してみたらまた見えてくるものがありそうだな。
幕が開いても続くんだろう。


備忘録


このレポが終わるまでに触れておきたいこと。

稽古を見学しているだけのように見えて僕だって成長しているわけで、物の見え方が変わったこともある。

一つは専門用語で「アンサンブル」と呼ばれる人たちの役割。
舞台の世界を司る存在として妖精と表現した。自分の受けた印象としての表現は間違ってないと思うけど、もっと具体的で実際的な役割を言い当てられる言葉で説明したい。

もう一つはアンダースコア。喫茶店で流れているBGMとは非なるもの。
これは音楽監督の小百合さんが作ってくれている。
アンダースコアの面白さについて、書こうとしたんだけど、うまく書けなかったらまた今度挑戦してみたいと思う。


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