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新歌舞伎座入り

a new musical「ヴァグラント」は文字通り舞台を大阪・新歌舞伎座にうつしての公演です。
( https://vagrant.jp お時間がある方はぜひ)

僕も特に仕事はないけど(←これは終始一貫している)、大阪に入ります。
(いや! アフタートークがあった!!)

ポルノの初期の頃、ツアー先のライブ会場に来る、偉い方のマネージャーやレコード会社の人を羨ましく思っていたことがあります。

ライブが始まる直前くらいに楽屋に来て「よろしく」とだけ言って、次に会うのは打ち上げ会場の居酒屋だという。
シャワーやらなんやらを終えて遅れて打ち上げ会場に入る僕らを、すでにちょっと赤くなった顔で「お疲れさん」と迎えてくれる彼らを、気楽でいいな、と思ってました。

いや、悪口じゃないんです。
彼らはポルノの最初期からのスタッフで、身内も身内という関係の人たちでしたし、その当時は飲むのもツアーの一部だったので、場を温めてくれていたのはありがたい面もありました。
その一方で、こっちは本番前、緊張でおえってなりながらライブしてましたから、そんなプレッシャーもなく地方に行ける偉い人になりたいなと思ってました。

今回、僕はそういう感じで大阪に行くわけですが。
主な仕事は「よろしく」という。

全然、劇場レポじゃないな。
もはや本番が始まってしまうと、ただ面白いなって見てるだけで、書くことがそんなにないんですよね。

いくつかをつらつらと。

ーー衣装は脱ぎます。

ヴァグラントには30分の休憩があるんですけど、その間にも衣装を脱いでいる人が多いです。
食事やなんかで汚したらいけないのもあるんでしょうけど、タバコを吸う人は匂いもつかないようにって言ってました。
なので、会場のアナウンスで、そろそろ始まりますから席についてください、って流れるくらいまで、肌着の役者が楽屋をうろうろしてたりします。
僕でいうと本番の20分前くらいには衣装を着て、ポルノスイッチを入れようとする感じ(おえってなりながら)なんですが、演劇は長い期間の公演もあるので、みなさんオンオフが上手なんだなと思いました。

ーー初日おめでとうございます。

これ書きましたっけ?
東京初日に演出の板垣さんからの差入れの熨斗(のし)に「初日おめでとうございます」と書いてあるのを見て、身内なのに変だなと思ってました。
僕も舞台の風習にならって、本番前に楽屋に「おめでとうございます」と言ってまわった時も、役者さんも「おめでとうございます」と僕に返してくれるんですね。
演劇のスタッフに聞くとそういうものだと。
なるほど。
正月みたいなもんなんですかね。舞台の人たちにとっての。
明けましておめでとうございます、に対して、ありがとうございますっていう人いないですもんね。

ーー初日、千穐楽はバラバラ。

今回のように、ダブルキャスト、トリプルキャストになると、人によっては初日が次の日になったりするように、千穐楽も1日前の人がいたりします。
東京ではトキ子役のまゆちゃんがそうで、楽屋にお疲れ様を言いに行くと「大阪もよろしくお願いします」と清々しく返してくれました。
千穐楽らしく熱のこもった彼女の演技に感激したまま、すぐ先の廊下で見かけた裕美子さんにうっかり「大阪もよろしくね」と言ってしまいました。
裕美子さんは「明日も来ていいですか?」と笑って返してくれましたが、大変失礼をしました話です。

ーーJ-45

ギターの佐藤誠さん。
だけにとどまらず、ヴァグラントバンドは名手たちの集まりです。
なので、お仕事感で、余裕ぷっちんでこなすのかと思いきや。
いや、僕はバンドリハーサルも見学させていただきましたし、実際の熱のこもった演奏を聴いているとそんなことはないと知ってはいますが、演奏技術だけでなく、譜面にも強い方達なので、そういうこともできるかなと。
でも、楽屋で誠さんに「アコギ、どうでした?」ってきいてくださった時に、やっぱり(めっちゃ当たり前のこととはいえ)、毎公演少しでも良くしようと考えられてるんだなと思いました。
新たに購入されたんですって。
ギブソンの名器J-45。
(通ぶりたかったら「ジェイヨンゴー」と言ってください)
ヴァグラントにはアコースティックギターのストロークプレイメインの曲があるんですが、誠さんは、それまで使っていたギターはアルペジオはいいんだけど、ストロークの分離が、みたいなことをおっしゃってました。

曲によってギターがあーだこうだと考えるのはギタリストの楽しみでもありますし、そこはキッズも大御所も変わらないんだなと、なんか嬉しかったです。
ヴァグラントは楽器の音にも注目です。

あとは僕の好きなシーン、第三弾。

好きなシーン3



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