7/20 稽古 (俺復帰)
稽古場レポが滞った。
滞ったのには理由がある。
約1週間、稽古場に来れなかったからだ。
家から一歩も出ずにゼルダの伝説で世界の平和に貢献していた。
1週間と期間と、家から一歩も出なかった、ということから僕に何が起こったかは察してほしい。
ともかく、他の人をハイラル王国へ道連れにしなくてよかった。
1週間ぶりに稽古場に戻ると、スタッフも演者の方も僕に大変でしたねと声をかけてくれた。もちろん、ゼルダ姫を助け出したことにではない。
「疲れが溜まってたんですかね」と言ってくれる人も。
稽古場で一番暇なんですけどね。そんなのが最初に離脱して面目ない。
物語は2幕に進んでいた。
クライマックスへの入り口といったところか。
だから、これまでみたいに、誰がどうしたとあんまりはっきり描けなくなってきている。
事前に公開されているあらすじや人物相関図はあくまで幕が開いた時点、もしくはそれからしばらくしてまでの話で、そこから物語は何度も転じながら進んでいくわけで。その辺りは劇場で楽しんでもらいたいなと。
この日、へーと思ったのは。
ーーーちょっと話は前後しますが、
僕がすぐ折れる木の棒でゴブリンに立ち向かっている間も(ゼルダの話ね)、編集された稽古場の映像が送られてきていて、その日どこが進んだかがわかるようになっていた。
映像には、実際のシーンや歌だけでなく、板垣さんが演者の皆さんに求めることを話す時間もあって。
演者さん全員に向かってかなり長い時間、お話をされていて、全部を紹介するわけにもいかずかいつまむしかないんですが・・・
(しかし、音楽監督の小百合さんの話の時もよく言いますが、板垣さんの演出や当銀さんの振り付け、衣装の原さんのデザイン画など、それぞれ YouTubeやればいいのにって思うほど面白い)
舞台の上にはメインの人とそうじゃない人がいて。
役柄に関係なく、その時、喋っている人と聞いている人とか。
板垣さんは場面の主じゃない人に、休まずに演技をすることを求めていた。
(演者の人も知ってたこともあると思うけど、確認の意味もあるんだろう)
セリフもないところでどう演技するのかといえば、息、なんだそう。一つの方法として。
息を吸う止める吐く、そのタイミングで感情は表せるんだという。
深い・・・。
あと、自分の役の背景を自分で作って欲しいとも言ってたな。
役によっては台本の中にたくさんのヒントがある場合もあるけど、そうでない場合、演者さんの想像力に委ねられるところも多いみたい。
深い・・・。
そんなのを見てから、実際の演技をみると、確かに。場面の隅々まで有機的な動きがあるような気がする。(それ以前がどうだったか覚えてないけども)
例えば、舞台中央で起こっている出来事を脇で見守る夫婦も小さな声でちゃんと会話があったり。
台本にはなく、観客には聞こえない言葉だけど、その世界では本当に発せられた声や、各役の誰にも語られない過去が、物語を生き生きとさせるんだろうね。きっと。
気持ちを誰に委ねるか
板垣さんとプロット作りをしている際に、キャラ作りについて教わったことがあって。
観客は当たり前だけれど、一人一人それぞれの人生を歩んでいる。
どんな人でも、舞台上に自分を見つけられるように人物を作っていくんだそう。
それが舞台というエンターテイメントが観客に与えられる祝福だという。
簡単な言い方をすれば、誰でも推しキャラを探せるってことになるのか。
ちなみに僕の今の所の推しキャラは大堀さん演じる崎島署長。
こんないー感じのおじさんになりたい。
みやさんの会長もいいな。
僕の歳になると、佐之助の青臭い正義感より、会長の権力がかっこよく見える。
男は権力よ、やっぱり。
他には
何度も話していますが、板垣さんと物語作りをするにあたって、僕が最初に板垣さんに見ていただいてけちょんけちょんに言っていただいた段階からはどんどんブラッシュアップされていった。
それでも、僕がやりたいと最初から思っているシーンはいくつかあって、それは大事に残してくれている。
というかこれらをつなげるためにブラッシュアップをしてくれたという感じだ。乱暴に話を変えていくというよりは。
そういうシーンの一つがこの日稽古されていた。
詳しくは話せんけど、チサがらみのシーン。
ミュージカルにはリプライズっていう文化があって、同じメロディを違う歌詞で歌ったりする。
場面が違ったり、歌う人の心境が変わってるので、同じメロディでも聞こえ方が全然違う。同じメロディだから気持ちの変化が際立ったりする。
そのリプライズの効力がこのチサがらみのシーンでは遺憾無く発揮されている。
そのせいもあって、グッとくる、ここ。毎回。
あとは
ヤマの女房の中にひとみ婆さんみたいなのがいる気がする。気のせいか。
仮でついている、女房のダンスで可愛いのがある。今、聞いたら宝塚のやつなんだとか。知っている人がみたらレアで面白いんでしょうね。
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