よもぎちゃん
プロローグ
彼はアイデアの宝庫だ。彼の生はアイデアを無限に生み出す。彼の脳には固定概念がなく、あらゆることを認知でき、誘導のできる訓練された上質の脳である。けれど彼はあるとき悟る。私は考えを具現化できる才覚に恵まれていない。幼いころから世界を妄想のイメージで構築してきた怪人は現実の構築ができない外道の屍になり果ててていたのだ。
彼の選択肢は2つ、1つは彼は考えを生み出すだけをよしとする空想の世界に逃げ込むこと。もう1つは彼のアイデアを形にする相棒を探し出すこと。
最後に彼が成長すること。彼の目標はヒーローだ。両方できて当然だ。しかし成長には経験がつきものだ。発想と実行を無限に重ねる気概があるのであればこれ以上詮索するつもりはないよ。
はてさて君は植物か人間か、それとも怪人か
彼の名前はアルテミシア・プリンス、よもぎの王様である。彼の愛称はヨモギちゃんで、
彼の相棒はよもぎだ。それでは、考えるのは抜きにしてこの物語を始めよう。そして終末へのカウントダウンを始めるよ。
私は王様だ。けれどこの城を必ず破壊して見せる。君の世界も必ず壊す。死ぬのは僕じゃないからね。いつも人間の蛮族たちさ。
ねえ、人間、知っているかい? 何のことですの?
薬草はね、毒にも薬にもなるんだ。 それはあなたを意味しているのですか?
え?、、、あなたは素晴らしいお考えをお持ちのようだ、実に酔狂だね。しかし君のその考えは信用できないね。なんせ君は今、私の城の場内にいる。それはつまり君の脳神経は正常に働いていないことを意味するよ。
うふふふ、私にはあなたのお考えの方がよほど素晴らしく映ります。私の存在は世界の意思です。言い換えれば私は人間ではありません。
なるほどね、あなたにに僕の脳は既にご存じでしたか。それではお話の続きを語りましょう。
ここはよもぎの城。人間の幸福を栄養分として蓄え、成長したよもぎが作り出した幸福の世界。ぼくらはここを春の城と呼んでいる。この城の周りには幾千本の桜が咲き、桜の花々は散ることがないんだ。だから僕らは春の城となずけた。
ちなみにここの住人は3人。 僕らは3人兄弟で暮らしてる。そいえば自己紹介を忘れていたよ。僕の名前はよもぎちゃん。愛称ではないよ。本名がヨモギちゃんなんだ。よろしくね。
それではよもぎ物語の開演である。
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