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終遠のヴィルシュ-EpiC:lycoris- Side End-Encore- イヴの物語 感想

アンコールも4人目、イヴくんです。

↪︎以下ネタバレあり(前作の真相も含む)

























結論から言います。

紛れもなくこれは壮大な愛の物語でした。

イヴくんの物語は命を散らしてしまったヒューゴを見つけた場面から。
ヒューゴ…ヒューゴォ……😭私はヒューゴがセレスちゃんに思ってることを全てぶちまけた上で、それでも2人がお似合いだと言ってくれたことも、最後には笑ってくれたことも、この国で生きていながらも【普通】に限りなく近い価値観を持っていることも、頼れる良いお兄さんだなって思えたし、リライバーだけどちゃんと人間くさくて、そんなところも好感が持てると思ってるよ…!

発作中のイヴくんを懸命に看病するセレスちゃん達の元にエクソシスト教団の信徒達がやって来る。
エクソシスト教団か〜……カプシーヌそろそろ改心しようぞ…
そして、リュカ先生がカプシーヌの意に反して2人を救おうと行動しているのがなんとも頼もしい。が、シアンがセレスちゃんの体質に気付きそうな描写もあり、誰が味方なのか分からん状態である!

シアンの実験によりセレスちゃんの体質が少しずつ明らかになっていく中、それでも傍に居られる自分を肯定したい、便利屋に帰るなら2人で、とどこまでもセレスちゃんを一途に真っ直ぐに想うイヴくんの姿は、それこそどこまでも清廉で凛々しく見えて【守護者】という肩書きはこの人のためにあるんじゃないかと感じるくらい。

セレスちゃんの中にある、相反した気持ちと行動。大好きだから、突き放して、愛しているから、拒絶した。ただただ、イヴくんを想うからこその気持ち。それでも、イヴくんはそんなセレスちゃんでさえも笑顔にして、まるで雲間からそっと射した陽の光の様に包み込んでくれて…幸せになってほしいなあ。

ミロくんに救われたアンクゥとマムの施設での会話。
アドルフだとは直ぐに気付かない程、すっかり風貌の変わった彼をはっきりと「私の子」だと断言し、無事に帰って来たら皆で大好きなシチューも作って食事会をしましょう…と。きっと、このマムの言葉や気持ちはアンクゥにとって凄く凄く温かくて嬉しいものだったはず。どんなに時が経っても、アンクゥにとってマムは彼の母に違いないし、その絆が消えることは決してないんだなあ……それに、マムのその言葉に「必ず!」と答えた時の顔よ。いつもの見慣れた立ち絵なのに、今まで見たどのアンクゥよりもアドルフを感じた。

燃え盛るリコリス畑へ染色体や身体を崩壊させながらも爆弾を設置するイヴくん。
いつその命が散ってもおかしくない状況でも、「こんなにも会いたいと願う彼女を愛していなければ、きっと世界中の愛が偽物になる」というセレスちゃんへの愛を糧に前へ進む姿。世界中の愛が偽物になる、ですよ…!こんな真っ直ぐで強い愛に溢れた言葉、イヴくんが心からセレスちゃんを想って愛している気持ちが伝わって来て、感極まってしまう😭
そこへまさかのセレスちゃんが力尽き掛けていたイヴくんを迎えに…!!そうなんよ、セレスちゃんってここぞという時は行動力の塊になるんよ!!(力説)
しかも、イヴくんのこと「リコリスの守護者様」って、セレスちゃんがリコリス同然の存在であることが分かって、イヴくんも守護者であることに誇りを持っているこの状況で彼女自身の口からその肩書きで呼ばれることをイヴくんが喜ばない訳がないじゃん……こりゃ、生きる力も湧いてくるってもんよ…愛の力だ………この物語においてリコリスが愛の象徴であると改めて思ったし、ここのスチルが綺麗過ぎて見惚れちゃったよね…

しかし、崩壊する足場。落ちていく2人……をアドルフとアンクゥがしっかり掴む!!
アンクゥは来てくれる気がしてたけどアドルフ〜〜〜〜!!!!!!!会いたかったよアドルフ😭😭この2人はほんとにもうイヴセレちゃんのことを心底大切に想っててくれていて、花畑に来てから私は感動の涙の嵐だよ!!

英雄の章へまずは進んでいきます。

この国の混乱を鎮めて且つ2ヶ月の寿命から民を、大切な人を救うにはイヴくんとセレスちゃん、2人を贄としなければならない。
その事実を絶望ではなく希望として捉える2人は決して俯くことなくセレスちゃんの言葉で表すなら「命の使いどころ」を覚悟していて。その覚悟を尊重してなのか、シアンが2人の口から結論を聞くまでは動かない、という姿勢を取っていたのが作中の文章にもあったけど意外でした。その覚悟を無駄にせず、国と民を救う、それもシアンの信念。
ただね、アンクゥの言葉も荒れる国民や今までのイヴセレちゃんへの態度見てたら分かるんだよね。何百年とこの国を見てきたアンクゥなら尚更よね。「何が英雄だ、何が聖女だ」のくだりは、2人の命を救いたい気持ちを考えたらそう思うに決まってるよね…生きて2人で笑い合う姿を見たかったアンクゥと想いを告げてはないけどセレスちゃんを愛しているアドルフ。友と愛する人の犠牲の上に成り立つ救いは、彼らにとって救いと言えるのだろうか、なんて考えてしまう。

そして物語を見守っていきますが、もうさーー切ないよォォ😭😭
本編で、あんなに業火に囲まれながらも「俺は死なないよ」って誓っていたイヴくんが今度はセレスちゃんと2人死ぬと分かってる運命に進んでるの、ほんと切ない。
エンドロールの後、クローン体として再会する2人。でも、やっぱりリライバーとしての特徴にある様にそこに恋愛感情はなく、イヴくんも単なる興味で会いたかったと笑ってて…何だか、凄く寂しい( ;∀;)
イヴくんの顔にも当然火傷痕はない、リライバーになったらこんな風になってたんだな…
リライバーになった2人がオリジナルのことを「彼と彼女」って表してるのを見ると、オリジナルが生まれ変わったというより、オリジナルの記憶を記録として保有してる別人に近い様な気がする。でも、この2人がオリジナルの分も今度は生きて幸せになってくれたら、アンクゥやアドルフやマムとも再会して絆を紡ぎ直してくれたら、オリジナルの2人も温かく応援してくれるんじゃないかなって、思った。多分、終ヴィルでは明るいエンドなのかもしれないけど、私の中には最後に「普通の女の子だよ」って笑って伝えたイヴくんと最期まで幸せを感じていたセレスちゃんがずっと切なさを携えながら印象に残ってます。

さてさて、次は博愛の章。

こちらは、イヴくんだけが贄となりシアンがその染色体を使いアルペシェールの呪いに打ち勝ち、セレスちゃんが彼との記憶や思い出を子どもたちに語り継ぎながら寿命を全うするエンドでした。アンクゥやアドルフに支えられながら、生きて、生き抜いたセレスちゃん。めいいっぱい生き抜いた先でのイヴくんとの再会。これからは、ずっと一緒に終わりのない温かくて幸せな時間を過ごしていける、嬉しそうな2人を頑張ったね、と涙腺を決壊させながら見守るはるきちなのであった。

イヴくんencore、ひたすらに愛の物語だった。全員を救うために命を捧げるけど愛しているのはお互いだけ。その愛し愛された記憶が消えない様に、時にお互いの魂に。時に子どもたちや未来を生きる人々に英雄譚として刻んでいく…紛れもなくセレスちゃんもイヴくんも英雄だった。英雄でありながらも、守護者と姫君で、普通に恋をする女の子と男の子でもあり。どんな状況でも、2人が言葉を交わしながら照れた様に笑う姿に何度も幸せを願い見守っていました。
出会えたこと、再会したこと、恋をしたこと。全てが運命だったと、そんな風に感じられる切なくて温かくて壮大な物語。
アンクゥが傍に居てくれる場面が多かったのも、アドルフが生きていてくれているのも心強かったです。

そして次はencoreはラスト、アドルフです!最推しだ!しっかり見守りますぞ!