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不浄霊先輩と俺

不浄霊先輩は言った。

「人は死に瀕した際、体感時間が1/32、1/64、1/128…と16進数変換で減速していく。ゼロにはならない。死に限りなく近づくが死そのものには到達できない。当然、本人以外の体感時間は1/1のままなので死んだように見える。だが永遠に生き続ける。限りなく死に近づきながら、恐ろしくスローモーションで」

先輩の言葉はよくわからなかった。

ただ、ひとつわかることは、俺は不浄霊の仲間になりかけているということだ。さらに時間はうんざりするほどたっぷりあって、おそらくその間ずっとこの気持ち悪い口調の先輩と過ごさねばならないということだ。

俺は心から成仏したいと思った。

Twitter:https://twitter.com/haru_yuki_i