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一週間に一度のお稽古の日

私は、一週間に一度の現実逃避の時間を設ける為、お習字のお稽古に通っている。賑やかな子供さん達の中に大人一人だが、不思議と集中できて嫌なことを忘れる唯一の時間だ。

今日は清書を提出する日。
清書は、料紙という綺麗な絵柄の紙に書く。下手くそな私の字も、料紙に書くと少し上手く見えるから不思議だ。

今月のお手本は

「狩り暮らし 棚機(たなばた)つめに 宿からむ
   天の川原に われは来にけり」  在原業平

狩りをしているうちに日が暮れてしまったので今宵は織姫さまに宿を借りよう。いつの間にか、天の川原に私は来てしまったよ

何週かお稽古してきたが、いつも、ただ上手く書けますようにという意識で書いていた。

でも今日は何故だろう、思いが違った。

まず、料紙を選ぶときに、夏の料紙の中の蓮の花の絵柄に強く惹かれた。そして、いつも以上に句を心の中で読みあげた。7月だから七夕に絡んだ句なのだが、なぜか今日は、彦星に春馬さんが浮かんできたのだ。
一つひとつの文字を書くのに、春馬さんを想いながら書いていた。

夢中で狩りをしていていたんだな、日が暮れたのも忘れていて、なんだ、織姫様に泊めてもらってるのか…

次第に、春馬さんらしいなと勝手に重ね合わせ、愛おしくなり、ミスなく書き上げることができた。いつもの私なら、本番に弱く、せっかくの料紙を何枚も駄目にするのに、一発本番OKだった。蓮の花の料紙だから失敗する訳にはいかない。といつも以上に丁寧にかいたのだけど。

一昨日一応区切りの日を迎えたが、毎日想うことには全く変わりはない。
毎日を、丁寧に一生懸命過ごしてみる。
よく考えたら、私はもう折り返しをとっくにすぎているのだ。精一杯頑張って過ごして、春馬さんから沢山学んだということを、次に逢う時に伝えられるようにしたいと思う。


 

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