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ムイビエンポイント

2022年2月9日プロレスリングノア後楽園大会
覇王選手・ムイビエン
VS
仁王選手・亜烈波選手

4連戦の初日第3試合に組まれたこのカードは非常にムイビエンな試合でした。
ムイビエンがそのムイビエンなプロレスをムイビエンに披露しました!

何がどうムイビエンだったか?
今回のムイビエンポイントは下記の3つです。

①RPG感
②受けてる感
③やってる感

詳しく見ていきましょう!

①RPG感
ムイビエンはTVゲーム愛好家として有名です。
入場曲の「FLOWER」も音ゲーの超有名曲です。
好きなゲームとしては『ドラゴンクエストシリーズ』『サクラ大戦シリーズ』などだそうです。
それらのゲームに共通するのは「ターン」という概念です。
「ターン」とは順番のことで、プレイヤー及びゲームマスター・コンピューターの行動はすべて「ターン」によって制限されます。
おそらくムイビエンはこの試合を「覇王選手のターン」として位置づけたものと思われます。
ジュニア本体に合流したものの、これと言って結果を残せてない覇王選手に、試合の勝敗とは関係なくスポットライトを当てることに専念していたようです。
下記の②③にも通じる話ですが、ムイビエンは自身の定番ムーブはほとんど出していません。すべては覇王選手をプッシュするために試合を組み立てていました。
試合の終盤では、思惑通りに覇王選手と相手チームの選手との一対一の状況を作り出し、覇王選手の勝利をアシストしています。
自我を殺して他者を押し上げる試合ができることがムイビエンの真骨頂なのです!

②受けてる感
この試合でムイビエンは序盤から対戦相手にグラウンドで翻弄されます。
ムイビエンはノアでグラウンドテクニックは1番です!(バウム調べ、小川選手よりスゴイです)
そんなムイビエンがグラウンドで翻弄される?
ないです。ないです。
これは自分が目立つと覇王選手の印象が薄くなるので、あえて受けていたと見るのが自然です。
それが証拠に、同じ選手との以前の対戦はムイビエンが圧倒していました。
自分が目立たないことで、パートナーを引き上げる正にムイビエンなアクションです。

③やってる感
このやってる感がムイビエンです。
ムイビエンが自身のムーブをほとんど披露していないにもかかわらず、ムイビエンに物足りなさを感じた人は少ないんじゃないでしょうか?
それこそムイビエン!
あなたもムイビエンにやられてます!
自分は前面に出ず覇王選手を押し上げて、更に自身の印象もサラっと残しています。
まず、声援と拍手です。
試合は覇王選手が捕まる展開が続きます。そこでムイビエンは覇王選手を鼓舞するのと同時に、落ち込み掛けた会場のテンションを上げる一石二鳥を行います。
この試合でムイビエンは通常の試合の2.5倍は声を出して拍手しています。
これで試合で前にでなくても存在感をアピールに成功しています。
もう一つは、試合中盤で繰り出した連続のケブラドーラ・コンヒーロです。
ムイビエンが自身のムーブを出したのここだけです。
見栄えのする技を連続で出すことによって、ムイビエンの存在感は嫌でも観客に残ります。
しかもこの技は勝敗には一切関知させていないのです。すごくないですか?

わずか8分のタッグマッチで、覇王選手をプッシュして自身の印象を残して勝利のアシストをする…
これぞムイビエンです!
是非この3つのポイントを押さえながら、もう一度試合を観てみてください。
きっとムイビエンな発見があります!

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