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ムイビエン・拳王選手組とはなんだったのか?

2014年1月25日
ノア大阪大会でNO MERCYを離脱したムイビエンが合流して、新ユニット「超危暴軍」が結成されました。
メンバーは森嶋選手、マイバッハ谷口選手、拳王選手、ムイビエン(後に北宮選手が合流)です。

必然的にヘビーは森嶋選手・マイバッハ選手組、ジュニアは拳王選手とムイビエンがタッグ結成となりました。
ムイビエン・拳王選手組の誕生です。

ムイビエン・拳王選手組は、当時のプロレスリングNOAHにとってどのような存在だったのでしょうか?
私は現在のプロレスリングNOAHのなんでもアリの、素晴らしい空間を作る礎であったと思っています。
故三沢光晴さんの作った清廉な水がめに垂らされた一滴の墨汁のような存在が、ムイビエン・拳王選手組なのです。

同じ外様でも桃の青春が、その三沢イズムを引き継ぐ戦いを行っていたのとは対照的に、多様性を武器にした戦いをムイビエン・拳王選手組は繰り広げます。
ムイビエン・拳王選手がNOAHに持ち込んだ多様性はなんだったのでしょう。
詳しく見ていきます。

①ヒールとしての立ち振る舞い
故三沢さんの清廉な戦いしか知らない、超危暴軍の森嶋選手、谷口選手にヒールとしての立ち振る舞いをムイビエン・拳王選手がレクチャーしたのは想像に難くありません。
清廉な世界を好むNOAHファンに対しては、コミカルなスパイスを入れることで中和するという、したたかな計算もムイビエン・拳王選手にはあったように思います。
その、コミカルヒールのビジネスモデルは現在のNOAHでも、ペロスが使用してることでも有効性が証明されています。また鈴木軍の失敗からも逆説的に証明されています。

②キャラクターという概念の導入
超危暴軍で竹刀・サスマタ・石斧・プッシュバーなどの固定の凶器を用いて、選手のキャラを作りだすというのも、それまでのNOAHではなかったことでした。
極めつけはムイビエン・拳王選手組の入場ポーズです。そのポーズがそのまま2人の個性に昇華しています。
時を超えて再結成した際にファンが歓喜するのもうなずけます。
そして、それはそのまま金剛に引き継がれています。
KENTA選手がNO MERCYでやり遂げられなかった、選手のキャラメイクを超危暴軍でムイビエンと拳王選手はやってのけたのです。
現在のNOAHで多くの選手が、自身の個性とキャラを存分に発揮できるのは、ムイビエンと拳王選手が道を切り拓いたからなのです。

そして2022年、拳王選手率いる金剛にムイビエンが合流しました。

今度はどんな世界を切り開くのでしょう?

私の予想では、「新しいことはしない」です。
完成された金剛の世界に同調することで、ムイビエンのキャラを構築していくと思います。
金剛はムイビエンが次のステップに行くための踏み台です。
金剛を抜けた時(金剛が消滅した時)のムイビエンが楽しみです。
願わくば研ぎ澄まされたヒール(イメージはインテリヤクザ)になってもらいたいです。
ムイビエンにはヒールが似合うというのが私の持論です。

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