見出し画像

BPDとモラハラの違い。制御不能な強い怒り~BPDの心のテリトリーは曖昧で不安定。そこに足を踏み入れた者は、どんな恩人でも万死に値する。

お年寄りの運転する車が、地元スーパーマーケットの障害者スペースに車をバックさせようとしていました。

そして、その後ろをたまたま走って横切ろうとした人とぶつかりそうになりました。

その人は運転席の老人に向かって怒鳴り声を上げます。
チンピラのように、そのおじいちゃんに向かって暴言を吐いたのです。
あんな人とは絶対に関わり合いたくない、そう思うシーンです。

しかし、運転席に駆け寄ってものすごい形相で怒鳴っているその人こそ、うちのBPDの妻なのです。

最初は何をしているのか?分かりませんでした。でもどんな理由があるにせよ、弱々しい老人にいい大人が発する言葉でない、聞くに堪えない暴言を吐いているようでした。

しかし、私はそれを見てどうすることも出来ませんでした。
正直恐くて動けませんでした。

このようにBPDの妻の止めようが無い強い怒りは、いろいろな場面で登場し私を悩ませてきました。

特に自分の財産(肉体やお金、土地や時間など)を侵されそうになった時や、精神的なテリトリー…つまり縄張りに土足で入り込んだような時は、それが間違いだとか不可抗力、知らなかったことであっても、許されることではありませんでした。

もしそのような感情が発生すると、BPDの妻は瞬間湯沸かし器のように一瞬で激高して怒りを露わにしてきました。

相手が見ず知らずの通行人でも、男でも女でも、警察でも医者でも、お世話になった人でも友人でも、そして私でも子供でも、それはBPDの妻には関係無いようです。その人が妻のテリトリーを侵略して何か害を及ぼしたり、財産を奪うはずが無い、と思える相手でも関係ありません。そして、周りの目や自分の立場、人間関係の悪化なども全く考えずに怒鳴り声をあげるのです。

また有るときはこんなこともありました。
仕事で出張中の私に突然電話がかかってきて…

BPDの妻『家の前に車止めたヤツがいる、許せない』

私『どういうひと?』

BPDの妻『知らない!』

私『それならほっといて。関わらなくていいよ』

BPDの妻『車入れられない』

私『車で出かけている時に入れられたの?』

BPDの妻『そう』

私の家の前はご近所と共同で使用する私道になっていて、そこに車を置くのは私達家族優先という決まりがありました。

しかし、その私道は車二台がギリギリすれ違える幅しかなく、妻が車を寄せずに入口側に車を止めてしまえば、その迷惑駐車の車は出られなくなってしまいます。

私『どうしよう、もう一度出せる?』

BPDの妻『無理』

家から車を出すにはその道をバックする必要があり、また幅をギリギリに寄せるのも、運転に自信が無い妻は出来ないというのです。

私『それじゃ、その人車出せないね。どうしよう?』

BPDの妻『だから警察呼んだ。』

私『警察?』

BPDの妻『逮捕してもらう』

私『逮捕って・・・。』

BPDの妻の主張では、私道に停めるルールを破ったのだからすぐに逮捕しろ、ということでした。

もちろん、そんな主張が警察に受け入れられるはずもなく、それでも実際にインターホン越しに、警察相手に怒鳴っている声が電話から聞こえました。その車を停めた運転手もインターホン越しに謝っているようです。

しかし、BPDの妻は全く受け入れませんでした。

この後、妻に電話を替わってもらって私が警察と話しをしました。すると、止めた車の持ち主はうちと私道を共有する家のリフォーム調査のために訪れた業者さんの車で、すぐに出すつもで入れたが、ちょうど車で帰宅したBPDの妻が出られないように前に車を止めてしまって困っている、ということでした。

私道はうちが優先して使えるとは言え、奥の家の人と共通の所有地です。工事の業者さんが少し車を置くくらい快く認めてあげて良いと思うのですけど。BPDの妻にはそれが出来ない。例え一瞬でも無断で車を入れたのが、財産を脅かすように感じられて、気に入らなかったようです。

この後、電話からは大きな怒鳴り声が聞こえ、警察と問答をしていたようですが、その後私との電話は切れてしまいました。そして、しばらくして妻からメールがきます。

BPDの妻『言うとおりに車を出してやった。もう死ぬしか無い。』

私『どうして?どうしてママが死ななきゃならないの?』

BPDの妻『勝手に入って許せない。それなのに警察も捕まえない。そんなヤツが生きている世界には自分は住めない、だから死ぬしか無い。』

もう言ってることがめちゃくちゃです。そしてそれを私に向かって怒りをぶつけるようにメールしてくるのです。

BPDの妻はこのように、自分のテリトリーや縄張りにとても強いこだわりがあります。運動会の場所取りで、ビニールシートが隣の席と重なっただけで怒りだします。レストランの待ち行列で強引なおばさんが前に割り込もうものなら激高して怒鳴り散らします。調子が悪い時にはこのように周囲の人誰とでもトラブルを起こすので気が気ではありません。

また有る時、それは…高速道路のサービスエリアに車を停め、休憩してから再び車を発進させる時でした。

たまたま私達の乗った車のすぐ横を歩いて通り過ぎようとした男性が、私達の車のミラーに肩がぶつかってしまい、ミラーの角度が反対向き(前向き)になってしまったことがありました。

自動車のサイドミラーというのは、元々何かにぶつかればパタンと動いてよける構造になっていますよね。だから私は、こちらに向かって申し訳なさそうに謝り、治そうとする男性に『大丈夫です、気にしないで』という合図を送って行ってもらおうとしました。

しかし、助手席に居たBPDの妻が言います。

BPDの妻「どうして追わないの?」

私「え?」

BPDの妻「どうして逃がしちゃうの?」

私「だって、別に・・・。」

BPDの妻「壊されてるのに、どうして追わないの!」

私「壊れてないよ、動いただけだから・・・。」

私は窓を開けて、すぐに手でミラーの角度を修正しようとしました。

BPDの妻「待って!動かしたら、あいつがやった証拠がなくなっちゃうでしょ!!!」

BPDの妻に怒鳴られて私は絶句してしまいました。

私達の車のミラーは、何か硬いモノがぶつかって傷が付いたわけでもなく、ただ人間の肩がぶつかって倒れる機構が動作し角度が変わっただけなのに、BPDの妻にはそれが、私達の財産を破壊した重大事件と認識されたようでした。

私はもう他人と関わる面倒な事が嫌になっていましたので、黙ってエンジンをかけ車を走らせはじめました。もちろん、ミラーの方は一度電動ミラーを開閉したら、自動で元の角度に復帰して何の問題もなくなりました。

そう、問題なのはBPDの妻です。

ミラーは何事なく使えるようになったのに、その一件の後は言葉も無くそれまでの楽しいドライブの雰囲気が台無し。子供が乗っているのに『下ろして!』と怒鳴ったかと思うと、いきなりドアをあけたり、騒ぎ立てるのでした。

何事も無かったのだから、早く忘れて楽しいことに時間を使うのが良いと思うのですが、その考えは妻には無いようです。いいえ、BPDの妻の世界では、そのように受け流すことは本当に困難なことのようです。

私は専門家ではありませんが、人間の感情というのは全て、その人の幸せのために使われるべきだと思うのです。仲間と喜びを分かち合うことで幸せを共有し、怒る事で発揮する力によって外敵から身を守り、悲しみによって復習し、楽しむことで仕事の効率をあげるのです。

しかしBPDの妻の場合は違います。

怒ることで感情のコントロールが出来なくなり、一気に爆発します。
その時には、怒る自分が正しいのか?はっきり分かっていない。
いいえむしろ、怒る自分などは間違っていて、死んだ方が良いとさえ思っている。

だから暴言を吐いて自分の立場を破壊し、仲間との人間関係を破壊し、全てダメにしてしまうつもりで怒鳴り続けるのです。そしてついには、自分で自分を傷つけてしまうほどに感情が支配してしまう。

これは正しい『怒り』の感情の使い方ではないですよね。
だから私はBPDは病気なんだと思います。
もしこれがハラスメントならば、行動をとった後は本人は満足してすっきりするはずです。でもうのちBPDの妻の場合は全く逆。このようになった後には必ず『死にたい』と言い出します。

BPDの介護をする者は、この怒りに振り回された後で、今度はその死にたいパワーの面倒をみなければならないので、二重の苦しみなのです。本当…うんざり、イヤになってしまいます。

※2024.3.21更新
※この記事は別のブログ「はる書店」で公開していたものを再編集したものです。

BPDの妻の介護にはとてもお金がかかります。もし私の記事を読んで、ためになった、良かった、共感した、などありましたら、お気持ちだけで良いのでサポートよろしくお願いします。