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着信175回。無数の殺害予告メール~BPDの無限の寂しさが怒りに変わる時、そのパワーはやはり無限大

それは私が二泊三日で出張している時の出来事でした。昼間、打ち合わせ中の私の携帯に突然連続着信が入ります。

普通2~3回かけて出なかったらかけ直しますよね。それをしないということは…私にはBPDの妻だとすぐに分かりました。仕方なく一度打ち合わせを退席して電話に出ます。

私『もしもし?』

BPDの妻『家の庭の木が伸びて道路にはみ出してるから切れって!』

私『ん?誰が?』

BPDの妻『知らない!家に来て言われた。年末までに切らないと勝手に切るって!』

私『業者の人?連絡先は聞いた?』

BPDの妻『知らない!町の施設がなんとか言ってた。どうして私が怒られなきゃいけないの?』

私『分かった。怒ったわけではないと思うよ?俺が帰ったら連絡して対応するから大丈夫、任せて。ちょうど長いから切らなきゃなと思ってたんだ。ありがとう、知らせてくれて。もう大丈夫だよ』

BPDの妻『イライラする。怒られた。』

子供じゃないんだから、怒られるってことはないと思うのですけど、BPDの妻には『おこられた』と感じたみたいです。仕事中に電話して、そんなことまで対応しなければいけないのかと本当に嫌な気分になります。しかし私はそれをこらえて答えます。

私『イライラするんだね。イライラするよね、急にそんなこと言われたらね。でもね、業者さんはお仕事で言ってるだけで、ママを怒ったわけではないんだよ。ママを非難したのでもないからね。俺が責任持って対応するから大丈夫だよ』

出来るだけ丁寧に優しく応答したつもりでした。しかし、

BPDの妻『イライラする。』

私『イライラするね。びっくりしたよね。でもママを非難したのではないからね。。。そのイライラは病気のせいなんだよ。何でも非難されたように感じるんだよ。今は一人で不安だからね。そういうことがあるとイライラするんだよ。でも安心して、誰もママを非難しないし、責めたりしないからね。』

BPDの妻『頭にくる。』

私『うん。頭にくるよね。でもそれは病気のせいなんだよ。病気で心配が爆発しちゃうんだよね。でも大丈夫だからね、安心して。落ち着いて欲しい。そうしないとどんどん病気がひどくなって、次は相手を殺したくなるよ。そして次は自分が死にたくなる、そして手首切るようになるからね。そんなことになったら一番損するのはママ自身なんだよ。子供達との楽しい団らんを病気に邪魔されて、自分を傷つけて痛い思いして、相手に怒鳴ったらママの社会的な立場も壊れちゃう。この病気はね、心も身体も社会的な立場も全部壊したくなるんだよ。そうなったら、パパは心配で仕事が出来なくってしまう。子供達も悲しむよ。だからね、そうならないように…深呼吸して落ち着いて欲しいよ。』

BPDの妻『はいはい!私の悪いのね!!!』

私『ママが悪いなんて一言も言ってないよ。イライラの刺激で病気が出ているんだ。ママは悪くない。でもこのままだと自分を傷つけたくなってしまう。そうなったら、出張中のパパは助けに行けないから、そうなる前になんとか止めたいんだ。そんなことをしても相手はなんとも思わないし、ママを病気にした毒親も全く知らん顔している。一番損するのはママ自身だよ。それに仕事出来なくなるパパも困るし、子供達だって心配するよ。だからなんとか、今のうちに止めたいんだ。』

BPDの妻『だったら、あいつらここに呼んで謝らせて!』

私『何を謝るの?木が邪魔だから切って欲しいと連絡に来ただけだよ。ママを非難したのではないからね。』

BPDの妻『それじゃ、私が悪いって言うのね!』

私『そうじゃないって・・・。』

打ち合わせを途中で抜けて電話に出た私は、仕事のことも気になって仕方が有りませんでした。それに対してBPDの妻は途中から無言になり、何を言っても全く答えなくなりました。

仕方なく私はもう一度、病気が悪いのであってママが悪いのではないこと、業者はけしてママを非難したのではないこと、仕事中なので仕事に戻ることを告げ、一旦電話を切りました。

しかし10分後、再び無数の着信が入って、打ち合わせが続く私が電話に出ないでいると次のようなメールが来たのです。

BPDの妻>仕事の方が大事なんだね。手首切ります。そうしろってことですね。

仕方ないのでもう一度仕事を抜けて電話に出ます。

私『もしもし?どうしてママが手首を切らなきゃならないの?教えて?『

BPDの妻『仕事の方が大事なんでしょ!私が死ねばいいと思ってるんだ!』

私『そうじゃないよね?業者が来て木を切って…、という話をしていたんだよね?どうしてうちの木が邪魔だとママが手首を切らなきゃならないの?ね?おかしいでしょう?その業者が悪いのならなおさら、ママが手首を切る意味がないよね?わかる?パパの言ったとおりになってるでしょう?悪いのは病気なんだよ。それで手首を切りたくなっているの。それは、やめて欲しい。仕事だって家族を守るためなんだよ。命と天秤にかけてパパに試し行動させるのはおかしいんだよ。ママはね、感情の刺激で、自分を傷つけたなくなってしまっているんだよ。そして周りの誰でも人間関係を破壊したくなっているんだよ。だから、仕事中のパパの嫌がることをするんだよ。大丈夫、全部分かっているからね。だからね、誰にもママを責めさせないから。手首を切るのはやめて欲しい。深呼吸して気持ちを落ち着けて欲しい、出来るなら子供たちと一緒にゲームでもやって気晴らしして欲しいよ。』

BPDの妻『出来ない!』(ガチャ!!!)

私は不安な心を落ち着かせようとしますが、もうダメでした。無感情に仕事を一つ一つこなそうとしても、もう何も手に着かないのです。それでも私は出張中。やらなければならないことがあります。それを少しずつこなしていきます。

しかしその間も携帯は無数の着信を続けています。仕方なく私はなんとか仕事を続けようと、電話を離れたところに置いて仕事を続けました。そしてもう寝ただろうと思った深夜2時頃…再び鳴り出した携帯を確認すると175件の着信が来ていて、無数のメールも来ていました。そして私は返信したのです。

私>仕事にならないからやめて欲しい。帰ったらちゃんと聞くから。

BPDの妻>死ねばいいんだね。

私>そうじゃない。。。リスカしたの?

BPDの妻>したよ。だってそうして欲しいんでしょう?

私>どうして?なぜ?あんなに、そうなったらママが損すると言ったのに。俺の言葉が分からないの?もう無理!仕事なんか出来ないよ!

BPDの妻>無理だね。無理なんだよ。もう生きるの無理。みんなそう言ってる。みんな死んで欲しいんだ。誰も助けてくれない。パパも同じ。何もしてくれない。痛いのはいつもママだけ

この後メールも着信もなくなり、私はとにかく翌日の仕事のために横になりました。今までの経験からBPDの妻が本当に自殺することはないと確信していました。

そういう意味では『死にたいの根っこには自己否定がありました:咲セリ、咲生和臣著』の旦那様の心境のように、もう妻は死ぬんだという諦めとは違うと思います。

しかし内心では少し覚悟して、それでもきっとそんなことはないと葛藤しながら翌日も仕事をしました。そして幸いBPDの妻から連絡の無いまま、日中はなんとか仕事を終えてホテルに戻りました。

私はやっと一息つきながら、出来る事ならもう帰宅するまで連絡が無いことを祈っていましたが、深夜0時頃再びメールが届いたのです。

BPDの妻>どうしてメールくれないの?

私>メールしてもイライラの気持ちを盛り上げてしまうだけだよ。悪いのは病気なんだよ。なんとか落ち着いて欲しい。何も考えないで休んで欲しい。

BPDの妻>出来ない!みんな同じ!そうやってどうせ見捨てる。パパも同じ。

この『パパも同じ』は私が最も言われたくない言葉です。この二泊三日の出張中、BPDの妻が穏やかに過ごせるように最終日のゴミ出しや洗濯物の片付け、掃除機をかけたり手続き的なことも全部終わらせて出発してきたのです。

そして仕事中でも、時間を作って電話に応答して傾聴して、メールも返して、本人でも意識してない事をちゃんと予測して、どうにか穏やかに過ごして欲しいと細心の注意を払ったつもりです。

それなのに『パパも同じ』と、何もしない病院や、毒親などと一緒にされてしまうのです。これは私には耐えがたい苦痛でした。そしてもう私は完全に疲れ果てました。その後も無数の着信が来ていましたが、もうほとんど応答出来ませんでした。その後来ていたメールが以下です。

BPDの妻>無視して
BPDの妻>死んで欲しいんだね
BPDの妻>無視
BPDの妻>無視
BPDの妻>無視
BPDの妻>無視
BPDの妻>みんな同じ

私>今は電話してもメールしても死にたくなる気持ちを盛り上げるだけだからね。だからもうやめて休んで欲しい。俺ではもう無理。何も出来ない。

BPDの妻>みんな同じ
BPDの妻>みんな殺してやる
BPDの妻>今度おまえの親が来たら殺す
BPDの妻>うちの親も殺しに行く
BPDの妻>わたしが殺してやる
BPDの妻>近所の人間も全員殺す
BPDの妻>それで満足でしょう?

BPDの妻>無視するなら帰ってくるな
BPDの妻>要らない
BPDの妻>金だけ稼げば良い
BPDの妻>帰ってくるな
BPDの妻>要らない
BPDの妻>いらない
BPDの妻>帰ってくるな
BPDの妻>金がない
BPDの妻>鬼
BPDの妻>無理

BPDの妻>何なの?そんなに無視して楽しいの?
BPDの妻>何なの?
BPDの妻>そんなに仕事大事なら帰ってこないで
BPDの妻>殺しに行くから
BPDの妻>今から全員殺しに行くから
BPDの妻>全員殺す

BPDの妻>何?
BPDの妻>なんなの?
BPDの妻>また入院させる病院こそこそ探してるの?
BPDの妻>離婚するの?
BPDの妻>何なの?

このメールを読んで…翌日の早朝に送ったメールが以下です。

私>ママが死にたくなるのは当然です。でもママは悪くないです。病気にやられてしまって仕方ないのです。パパが電話に出て、メールで返信して、死にたいのが治まるならばいくらでもします。でもそうはならない。返信すればどんどん死にたくなります。最初に、死にたくなるよ、と言ったとおりです。分かっていてパパは止められなかった。一番損するのは、痛い思いをするのはママだよ。言ったとおりです。でも止められませんでした。もう医療保護入院も、離婚付きの限界設定も、警察も救急車もしません。全部したけど、だれも助けてくれなかった。あんなのは意味がない。それでもパパ帰るから、必ず帰るから、スイッチオフして待っててください。

このメール以降、帰宅するまで返信はありませんでした。自宅ではリスカした手首を包帯で隠しているBPDの妻が居ました。まだすこしざわざわした感覚は残っていましたが、落ち着きを取り戻しつつありました。

これでも昔よりはずいぶん良くなった方ではないでしょうか?一週間とか続かなくなりましたからね。BPDの妻の制御できない怒り…これが最も困る言動です。

自分でも止められないだけでなく、話せば話すほど盛り上がってしまいます。それは私でも、カウンセラーでも、主治医でも、仲の良い友達でも、実の子供でもダメみたいです。

私は、このBPDの妻の怒りの原因はきっと、親から無償の愛情を注がれなかった無限の寂しさにあると思います。無限の寂しさ、無限の不安、それらの無限のエネルギーを利用して爆発するので、怒りも無限なのです。これは今のところ手の施しようがありません。カウンセラーも、主治医も、医療保護入院も、BPDの妻のこの怒りには太刀打ちできなかったのです。

※2024.3.22更新
※この記事は別のブログ「はる書店」で公開していたものを再編集したものです。

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