見出し画像

保健指導する側のマインドセット

 こんにちは、産業保健師のたむらもなかです。

 保健指導をするとき、対象者に必要性をうまく説明できない、改善が見られないけれど回数だけ重ねるなどの悩みはありませんか?私自身、産業保健師になってからこうした問題に直面して四苦八苦しています。これに対しては保健指導に対してぶれない軸を持つ、マインドセットをすることが大切になると思いますので、私自身の気付きを整理したいと思います。

徹底的に言い訳を並べる対象者


 指導対象者からの希望で実施する保健指導を除いては、保健指導に好意的に臨む人はいません。私たち保健師は、予防や重症化を防ぐために大切と思って、対象者のためを思って実施していますが、残念ながら対象者はそう思っていません。健診の結果が返されて「体重増えちゃったなあ、そろそろやばいなあ」とか「尿酸高いなあ。痛風は怖いけどお酒やめられないもんな」などと思っている矢先に、突然保健師から連絡がきて健診のことで話があると呼び出される。痩せろと口うるさく言われるに違いないと面談室にやってきて、想像通り食べる量を減らしましょうか、禁煙をしましょう、運動した方が良いですよと言われてうんざりする。
 もちろん私たち保健師だって好きでやっているわけではありません。日々、必死に指導に抵抗する対象者を相手に疲弊してしまいます。

新米保健師の対応は2パターン

 5年目の私が新米と呼べるかは別にして、経験の浅い保健師は対象者が徹底的に保健指導にあらがってくる場合の対応は2つだと思っています。
 1つ目は、教科書通りに必要性を解くパターン。
 2つ目は、「申し訳ないのですが…」と保健指導に罪悪感を感じるパターン

 パターン1では対象者は生活改善をする意思はなく、話半分で聞いているため意味はありません。2つ目はお互いの時間だけがすぎていくため生活改善にはつながらず、こちらも意味はないでしょう。
 こういった状況に対しては、保健師自身がこの保健指導を何のために実施しているのか、自分たちに課せられた職務とは何なのか、どんな態度を貫くべきなのかといったマインドセットを改めて考えてみましょう。

結局、保健指導って誰のためにやるの?

 大前提として押さえておくべきなのは、会社は安全配慮義務に基づいて従業員の体調を管理する義務があり、従業員は自己保健義務に基づいて自身の体調を管理する義務があるのです。その一つの手段が体重を落とし、血圧や血糖値を適正に維持するということです。それをサポートするのが専門的知識をもった保健師。つまり、対象者は働くために主体的に健康管理をすることが義務であり、会社が業務中に保健指導を受けさせることを認めているのであれば、対象者の自由意志に基づく選択ではなく、生活改善に取り組まなければならないのです。
 私たち保健師はその事実を淡々と説明すれば良いのです。対象者が従業員としての義務だと認識できるように。そして一歩踏み出した対象者に対して、保健師がより実効性の高い方法でアプローチしていけると良いでしょう。(その方法は私も模索中ですが…)

とはいっても…

 会社が認めてくれない、上司の配慮が足りないなど課題はありますよね。企業の認識によって状況は様々なので、健康経営の施策を併せて進めていったり、人事との協力、上層部の説得も欠かせません。また、いくら義務とはいえ行動変容モデルが低い人への呼びかけは難しいのも事実ですね…。もっと勉強が必要です!

以上、まとまりませんが最後まで読んでいただき、ありがとうございました。他社の取組状況なども教えてもらえると嬉しいのでコメントもお待ちしております!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?