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人魚と零れた星の夜(やるやる詐欺を返上)

それは、一夜のできごとでした。
橙色の夕日を見送った西の海の上では、空が夜の支度を始めていました。夜の色素が空全体に染み渡り、薄墨から漆黒へ、ゆっくり夜が増してゆきます。夜が増して、闇が深くなるごとに、ひとつ、またひとつと、星たちは瞬き、たったひとつの月は空の中心へ真っ直ぐ向かっておりました。そうして、半分くらい、夜が出来上がった頃でしょうか。ひとつの星が、ぽちゃんと、海に落ちました。一番小さくて一番幼いその星は、まだ空に昇ることに慣れていませんでしたので、輝き勇んだ拍子に誤って、夜から零れてしまったのでした。軽くて幼い星は、ゆらゆら、ゆらゆら揺れながら、ゆっくりゆっくり、海の下へと落ちてゆきました。

(つづく)


唐突に失礼します。晴季です。
ずっと、出そう出そうと思って出せなかった童話を投稿します。

途中でもいいから、へたくそでもいいからと思いながら、
へんなプライドとか完璧主義が邪魔をしてたけど、
いい加減、応援してくれる旦那さんとか友人に報いたいし、
何より自分が自分にこれ以上がっかりしないために、
超絶書き途中で修正もありありだろうけど、
少しでも書いたら投稿、書かなくても投稿、していきます。
最終的には1投稿にまとめるけど、
それまでは、切り出しみたいな感じに、
その時のコメントというか解説なんかを書ければ。

どうぞ、よろしくです。

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