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ひぐらしのなく頃に-運命を断ち切る-

竜宮レナの頬を伝う涙
立ち竦む沙都子
幼き美代子の慟哭
そして最も印象的なのは、懸命に走り続ける梨花


 同じ世界を環り彷徨う苦悩者。辛苦の果てに失意し、絶望の淵で自嘲し諦観する。古手梨花とはそういう人物であった。
 彼女はそんな奈落に、一輪気息奄々咲いている花。精神の死に絶えんばかりになればこそ、奈落の底で闇夜に融け眠りにつく徒花。
 しかし、もう逃げられない。逃れられない運命ならば運命に抗わなければならない。どうやって。梨花はどうやって絶望的運命から逃れる。その方途は。
 仲間。それは繋がり。仲間との繋がりが運命を穿ち人生を切り拓く。ひぐらしは仲間の物語である。それは繋がれた輪。乗り越えられる、きっと。

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