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カルテのちから

今朝も5時半に起きて、お弁当を作ろうとキッチンに立ったら途端に猛烈な吐き気が襲ってきて、吐いてしまった。

胃が空っぽだから、胃液しか出ない。

お弁当を作り終わって、朝食の準備するも、食欲なんてない。ただ、職場の上司からは朝食を食べて来ないのなら辞めてもらうと言われている。

「こどものお弁当を作ってバタバタしてたら、朝食を食べる時間ないって事ないですか?」と、お子さんのいらっしゃる方ので言ってみたが、返ってきた言葉は

「食べてきてください」  でした。

大好きなパンなら頑張って食べられるので、必死に食べていつもの薬を飲む。

そろそろ準備しないとと立ち上がった瞬間に我慢できない吐き気に襲われて、今さっきお腹に入れたはずのものを全部出してしまった。

いつもの事なので、気持ちを切り替えてすぐに準備を続行する。そこを気にしていると滅入ってしまいそうなので、すぐに忘れるようにしている。

ただ、職場に行っても続く吐き気に、今日は水筒のお茶の減りが早いかった。

気持ち悪いと思うから、気持ち悪くなるんだ!カルテに集中しよう!私はカルテの中の患者さんに救いを求めるかのように作業に入る。

私はそういう仕事をしている。

患者さんのカルテを開き、記録したりする仕事だ。

出会うカルテの中はみんな頑張っている。

痛みと戦う人、不安と戦う人、孤独と戦う人…

私はいつも「元気になってね」と心の中で何度も何度も繰り返し、気持ちを込めてカルテを閉じる。

「私も頑張るよ…」

原因もわからない、治療法もない私は


カルテにちからをもらって生きている。


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