中国神話の話1 四遊記

四遊記って皆さん知ってますか?

中国の明から清のころに描かれた東西南北の神仙の小説をまとめたものを『四遊記』と呼ぶそうで、日本でも有名な『西遊記』もこの中に入っています。
西遊記以外は日本では知名度がほぼない(はる調べ)のですが、中国の小説や戯曲好きな方の中ではポピュラーなものらしく、神話の一種ではあるので今回はこちらを紹介いたします。

西遊記

みなさんご存知の斉天大聖こと孫悟空が西の天竺へ旅立つ冒険物語。
孫悟空と仲間達が出てくる妖怪を薙ぎ倒し、ついでに神仙もブッとばし、最後は天竺で釈迦と会うそんな話。
中国神仙史上最強の孫悟空が主役ということもあり、他作品や神話民話で出てくる神仙がワンパンでやられてしまうほど悟空が強く描かれている。
また三蔵法師にはモデルの実在人物もおり、その人生も壮絶なので別の話として書く予定。

東遊記

道教に出てくる『八仙』と呼ばれる仙人たちの冒険物語。
途中からは東の海へ行き、封神演義にも出てきて哪吒にワンパンされる東海龍王含む四海龍王との闘いを描く。
さらに四元帥と斉天大聖も争いに加わり天地巻き込む争いに発展していく。
四元帥には三国志の関羽や封神演義で最強の趙公明なので彼らvs孫悟空、すごいオールスターバトル感ある。

南遊記

東遊記にも出てきた四元帥のうち馬元帥(華光大帝)が主人公の物語。
荒ぶる火の神である馬元帥が、母親を探す三千里系ハートフルストーリーではなく、妖怪を倒したり飲み過ぎて天帝に怒られたりする話。
母親を霊界から連れかえるも、母と偽り自分を騙した妖怪すらも「一度は母と呼んだから無下には出来ない」と労わる人情噺もある。
大人気最強の男・孫悟空の子供も登場するので、四遊記の中では人気があるらしい。

北遊記

四神の中で北を表す玄武が元になった玄天上帝が主人公。
天界の神である玉皇大帝の魂が転生を繰り返し玄天上帝に宿り、玄天上帝が元始天尊の命を受け天下を周り妖怪退治や天界から堕天した将軍を討ち果たし天界三十六将に戻ってもらう話。
メジャーな神仙が少ないからか四遊記の中では人気がイマイチ。

そんな四つの話がある。
神魔大戦ものとしては西遊記が一番読みごたえはあるが、ある程度の中国の神話を知っているのであれば、大乱闘スマッシュブラザーズがはじまる東遊記もオススメ。
個人的には北遊記が好き。
ただ一番地味だからか人気はあまりない。

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