保険加入はヒトからネット、AI加入に本当に移行するのか?
今回の話は少し長いかもです・・・
保険募集人(外交員)は消える職種?
保険業界に身をおいている中で、将来的に、また少なくともこの10年どういう方向に保険加入チャネルが向かっていくのか?を常に考えています。
その中で、テクノロジーの進化は無視できるわけもなく、弊社みたいな店舗で「ヒトがサービス」を提供して保険にご加入いただく形態でビジネスをしている身としては、危険予知をして先手先手を打っていかなければならないと日々思慮をしています。
さて過去のWEB記事になりますが、残念ながら「保険販売代理人(保険募集人、外交員)」も今後将来消える職種となっています・・・・
この手の記事には必ずランキングされています。
では、本当にそうなるのでしょうか????
結論からいいますと、シンギュラリティがいつくるかわかりませんが、20年後、30年後に関していうと確実になるとは思っています。
なら10年後までならどうなのか?
ここを考え考え考え尽くして社会に貢献し続け、また社員を守り続けていかなければなりません。
少しおさらいで、現時点、保険加入チャネル順位は、過去記事を参照にしていただければと思いますが、下記になります。
<加入チャネル順位>
第1位 生命保険会社の営業職員(53.7%)
第2位 保険代理店の窓口や営業職員
(17.8% 内ショップなど7.8%)
第3位 通信販売
(6.5% 内インターネット3.3%)
現時点ではネットによって保険加入チャネルにイノベーションは、起きていません。・・・・っという事でこれが今後将来どうなるのか?
少しTOP画像にもどり、加入チャネルによる商品の特徴を解説したいと思います。
<ヒトから加入する>
加入チャネルシェア 87%
商品群:第1分野:死亡保険、資産性商品
特徴 :保障 ⇒ 高額 1000万以上
金額 ⇒ 高額 1万円以上/月~
総額 数百万~数千万
期間 ⇒ 長期 10年~30年
見直し回数 ⇒ 人生に数回~
<ネット、通販>
加入チャネルシェア 6.5%
商品群:① 第2分野:ゴルファー保険、傷害保険
家財保険、旅行保険etc
② 第3分野:医療保険、がん保険etc
特徴 :保障 ⇒ ①②共に少額
金額 ⇒ ① 数百円/回~
② 数千円/月~
期間 ⇒ ① 1日~
② 短期<10年>〜長期<終身>
見直し回数 ⇒ ① 機会毎
② 人生に数回~
簡単にまとめると
ヒトから加入 ⇒ ①高額
②わかりにくい商品
(潜在ニード)
ネット、通販加入 ⇒ ①少額
②わかりやすい商品
(顕在ニード)
こんなところでしょうか?
今後、生命保険加入において「ヒトのサービス」はなくなり、本当にネット、AIにとって代わられるのでしょうか?を考えてみたいと思います。
保険加入はヒトからネット、AI加入に本当に移行するのか?
まずヒトから加入する保険商品は、高額且つわかりにくい商品(潜在ニード)であると定義付けします。
わかりにくい商品であるので、消費者自身が、ニードを感じてない、
もしくはニードはあっても、明確に自身のニードを把握しきれていないという状態です。
要は、どんな保険に加入していいのか?
どれぐらいの保障額に加入していいのか?がわからない状態です。
この状態では、仮にネットに商品ラインナップがあり、
選択できる状態であっても選べないという事です。
消費者自身が、目利きができない状態です。
しかも総額 数百万以上する高額商品に対して、決断はなかなかできないと思います。
ここで「ヒトのサービス」が登場し、的確な質問をして、消費者自身が、明確な自身のニードを気づいて、背中押しをしていくわけです。
じゃあ ネットなどで質問できるようにすればいいじゃないか?っという意見もあると思います(今でもそういうサービスは実在します)。
人間という生き物は、質問され、考え、でてきた答えに共感されて初めて思考を深めていくことができ、気づき(潜在ニード)を得れます。
その気づき(潜在ニード)にプロとして商品を提案していくというプロセスが「ヒトのサービス」で一番大事になってきます。
このプロセスを今後将来、AIができるようになれば、「ヒトのサービス」を経て保険加入する事はなくなると思います。
確実にその時は訪れるとは思います。
アメリカのコールセンターなどではすでに話し手の感情をも理解して応対するというシステムがあるらしいですが・・・・
余談ですが、「her」という近未来を描いた作品で、スマホのOSのAIが人間の感情まで理解し、共感してしまう事で、AIに主人公が恋をしてしまう話ですが、ここまで来たらおそらく「ヒトのサービス」は必要なくなると思います。
(ちなみに、この映画をもし見る場合は是非、字幕版で、AIの声のスカーレットヨハンソンのかすれたセクシーな声をご堪能する事をおすすめします。)
次にネット、通販ですが、ここは現在Fintech、Insurtechという分野において非常に熱く展開されている分野です。
ネットで保険を販売するプレーヤーとして有名な3社
があります。
ネットでの総合保険ショップという感じでしょうか?
保険会社<メーカー>では
ほかプレイヤーとしては、
justincaseなど
現在ネットでの保険加入が3.3%という事であれば、まだまだ伸びるんじゃないか?っという事で、期待大ではあるのですが、自動車保険の通販がネットではかなり先行していますが、広告露出も多く、保険料が安いにも関わらずなかなか伸びてはいません(微増はしてるが、H28でシェアは7%程度)。
ですので生命保険市場において、ネット販売が、今後多少の伸びはしていくと仮定した上で、3%~5%の中でシェアを奪い合っていくとすると、
突き抜けた「策」をもっていないとなかなか戦えないと思います。
ここでの発言は控えますが、ここで突き抜ける「策」は自身としては、確立しています。
バクッと生命保険市場が30兆円あるとして、その3%で9000億円、1%シェアをとれば保険料収入が3000億で、代理店としてはその手数料になるので、そこそこの売上は見込めるかと。
また、「LINEほけん」を筆頭に、Fintech、Insurtechだと盛り上がってましたが、昨日の記事では、苦戦しているみたいですね。
少額で分かりやすい商品(顕在ニード)であれば「LINEほけん」みたいなプラットフォーム上で、申込み、決済まで完了するレジャー保険などは便利だと個人的には思います。
ただ位置情報をとられ商品提案されるのは少し怖いかも・・・
アメリカのレモネードとか中国の衆案保険、平安保険などはもちろん人口ボリューム規模で違いはあるが、うまくいっている事を考えればLineのプラットフォーム上でもなにか暗号を解読すれば一気に行きそうですが。
日本では一人勝ちの決済サービスPayPayが金融スーパーアプリとしてここを狙っていくというのが最近発信されていましたね。
どこにビジネスチャンスはある?
ざっと保険加入において、加入チャネルを中心に、御託を並べてみましたが、今後10年レベルでこの日本の保険業界においてどこにビジネスチャンスがあるのだろうか??っということですが、世界NO.1の保険大国で、常に先行している アメリカ(生命保険会社数約1500社、日本は約40社)での消費者の動向はどうなのか?
ここに関しては、ネットで調べればすぐでてくるので細かい事は省きますが、結論、大枠ほぼ日本と同じ状況です。
要はアメリカも「ヒト」を介して保険に加入し、「ネット」完結による生命保険加入は、イマイチ伸びていないという事です。
但し・・・・・・・・・
ネットによる情報収集(オンラインリサーチ)は、伸びています。
行動パターンとしては、
「ネットで情報を収集(オンラインリサーチ)し、
FPやエージェントから購入する」
という消費者が過半数を占めるとの事です。
最近のアメリカでの話題としては、最大手の保険会社プルデンシャルがInsuetech企業のAssuranceIQを買収しました。
まさに、消費者の動向に合わせた動きですね。
(プルデンシャルは自前でやろうとしたがうまくいかなかったみたいです)
ここらへんにに今後10年のビジネスチャンスを感じますね・・・・
少し長くなったので今日はここら辺で。
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