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どうしようもない一日

どうしようもない人生だなと思う時がしょっちゅうある。
毎朝、起きるのが憂鬱だ。
特に、休日が嫌いだ。休日なんてないほうがいい。

まず、やることがない。
そもそも休日にやりたいことがない。

そんな時、あぁ、俺は、コロナを撒き散らして、ムーンショットを計画する奴らの思う壺だなぁなんて、人のせいにしてみる。

どんな想いでいても、必ず朝が来る。
朝になればすべてがリセットされる。

そう、すべてがゼロから始まる。
本当は途切れることなく、続いているだけなのに。

さて、今日一日をどうやり過ごそうか。
朝からそんな事を考えている自分が嫌になる。

本当は、朝から元気もりもり「よっしゃー、これするぞ!」と起きたいのにね。

どこへ行こうか。
なにをしようか。

ひとまず、豚骨ラーメンでも食べに行こうかと思い、理由をつけて家を出る。

初めてアメ村を歩く。

目当てのラーメン屋でラーメンを頼む。

ゴマと塩(ゴマみたいな岩塩)を間違えて、大量に塩を入れてしまう。
塩辛い豚骨ラーメン。

なんとか、食べ終える。

店を出て、ヴィレッジヴァンガードに入る。

ヴィレッジヴァンガードが好きだ。

40のおっさんがヴィレッジヴァンガード。

いいじゃないか。

久々のヴィレッジヴァンガード。
カオス、脱力、サブカル、そしてメンヘラ。

ここにはそのすべてがある。

ヴィレッジヴァンガード、なんて良い響きだ。

なにもかも忘れさせてくれ。

主よ、我を導きたまえ

店内に偶然いたスペイン人のオタクカップル。

やはり私にはなにかあるのだ。

話しかけたい、でもちょっと恥ずかしい。

そんな内省の葛藤を繰り広げているうちに、スペイン人のオタクカップルは行ってしまった。

金髪やショッキングピンクな髪をしてタトューもちゃんと入った
なんだか浅井いにおや松本大洋の漫画に出てきそうな店員さん達が
気怠そうに、しかし丁寧に仕事をしていた。

その後、ヴィレッジヴァンガードでしばし束の間の現実逃避を終えた私は、
アメ村をとにかく歩いた。

行く宛てなどないのだ。

夕方、スペイン人のマークとZOOMで、言語交換の約束があるのを思い出し、
ドトールでZOOMを繋いで待機する。
しかし、一向にZOOMの画面に現れないマーク。
メールで確認すると、明日だったことが判明。

つくづく、最高だな自分。

そして、再び、小さなコリアンタウン、アメ村を彷徨う。

すっかり日が暮れた道頓堀川に着く。

夜風に吹かれて様々な人が黄昏ている。

若者のグループや恋人たち、寂しそうな外国人もいる。
そして寂しいおじさん。

繁華街でしたいことなんてはなからないのだ。
行くところがないだけだ。

生き延びたい夜がある

道頓堀で風に吹かれる

ラブホテルのネオンを眺めながら空を見上げるおっさん

いいじゃないか。

普通に生きられないんだから、ただ歩こうよ

ラビリンスでも聴いてさ


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