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きりのない妖精のはなし

これだけ大勢の人がいるからには
以前は学校か何かだったのだろう
今はその骨格が残るのみ
絡みつく紐を頼りに
私たちは下っていこうとしている


紐は二種類
ひとつはがっしりと太く
ひとつはいくつかの繊維を
筒状の薄皮で覆っている
この場所はラピュタの島みたい
いや、そうかもしれない
これは木の根だ


それらに更にひっかける
丈夫な二本の紐があれば十分だろう
もっと速い方法は
重力のままに落ち
時々木の根につかまり止まってみる…
それは危険か


(ここは人喰いの館
盗賊の国)

21jan

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