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はるゆね大家の競売のおはなし

こんにちは。はるゆね大家です。
私は埼玉県で可愛い妻と子供たちに囲まれ
普通に暮らしている普通よりちょっと貧乏な会社員です。

noteの目的

このnoteは、
私ごときにでも落札して所有権移転ができた競売について、
気にはなるけどようわからんという方がもしいるならお役に立てれば幸いだし、尚且つnoteって書いたことがなかったので、どんな感じなのか書いてみたかったから書いてみている。という物になります。

競売の経験

皆さんは競売物件を落札したことはありますか?
もしくは入札を掛けたことはありますか?

私は2回だけ落札したことがあります。
入札回数は10~15回くらいだと思います。正確には憶えてません。

どちらも首都圏にある平成初期築の戸建です。

1軒目は落札金額330万くらい。2020年秋に落札しました。
その後元所有者の方にそのまま住んでいただけているので毎月6.8万円のお家賃がチャリンチャリンと入ってきています。表面利回り24%くらいです。
俗にいうオーナーチェンジってやつです。

2軒目は落札金額310万くらい。2021年春に落札しました。
こちらは落札時に元所有者一家は既に退去されていたんですが、家の中は残置物もりもり状態。
残置物の中には金融機関のキャッシュカードやお子さんの卒業アルバムなどなど、着の身着のまま退去されたんだなっていうのが伺える状況でした。
これぞ競売って感じでしたね。

ちなみにこの2号物件も
Twitterで出会った方々のお力添えを経て、
今ではリフォームを終え、無事にお家賃7.3万円にて貸し出すことができています。リフォーム費を含めた利回りは22~23%くらいです。

ご協力くださった皆様、その節は本当にありがとうございましたm(__)m

どんな方に読んでいただきたいか

そんな感じで、
私の様な超初心者おじさんにも競売って案外買えて、案外所有権移転とかもできて、案外そこそこの利回りが出せています。

eclairさんやおちゃねこさんの様な
二桁万円で物件ゲット!とか、1円ゲット!みたいな宇宙人は放っておいて

『ふーん。首都圏でも平成築の戸建で利回り20%とか出せるんだー』
『こんなダメそうなおじさんでも占有解除とか所有権移転できるんだー』

ってところに興味や価値を感じて頂けた方には、
もう少し先まで読み進めて頂く価値があるかもしれません。
ないかもしれませんけど。

競売のメリット

さて、そろそろ競売の話をしましょう。
皆さんは、競売のメリットって何だと思いますか?

私が考えるメリットは
主に下記のようなものだと思っています。

①瞬発力は必要ない。
②人脈も必要ない。
③交渉力も必要ない。
④得られる情報はみな平等。
⑤物件取得に伴う経費が安い。
⑥市場価格よりも安く買える可能性がある。

順番に解説していきますね。

①瞬発力は必要ない

競売は期間入札といって、裁判所が定めた期間中に入札を掛けるものなので、買付1番手とか2番手といった概念はありません。
だからフットワークの遅いのんびり屋さんや決断力のないビビリさん、仕事の忙しい社畜さんでも、気になる物件があったら家でゆっくり検討した上で入札の判断ができます。

②人脈も必要ない

競売の購入段階において人脈は必要ありません。
競売は誰でも平等に参加のできる一発勝負のセリ市場です。
人脈があるから水面下の情報や川上の情報が流れ込んでくる訳ではありませんし、知り合い価格の様な概念も全くありません。
凄く掘り下げた話まですると、物件の債権者と人脈があれば任意売却に持ち込める可能性はありますが、こと競売の入札段階において人脈なんていうものは一切必要ないと云っていいでしょう。

③交渉力も必要ない

競売は、仲介さんの顔色を伺いながらの条件交渉や、売主の気持ちを読み取って交渉してお得にゲットするなんていう煩わしさとも無縁です。
ただ淡々と該当物件が入札に値する物件なのかどうかを分析し、入札金額を決めて入札を続ければ良いだけです。至ってシンプル。

④得られる情報はみな平等

物件について得られる情報はネット上で全て閲覧可能で、人によって得られる情報に格差があるということはありません。
物件の状態はどうで、どんな人が住んでいて、住人はどんなことを言っているか等は全て3点セットに記されています。
裏を返せば、3点セット以外からその様な情報を得ることはほぼ不可能と云っていいでしょう。

⑤物件取得に伴う経費が安い。

競売は、落札後の所有権の移転に司法書士さんや仲介会社を介さないで裁判所が登記移転を完結させてくれます。
なので、落札金額以外に掛かる所有権移転に掛かる費用は下記くらいなものです。

・残金納付時の振込手数料
・登録免許税
・不動産取得税

だから、例えば1000万円くらいの中古戸建を買うとなった場合に、
一般であれば司法書士費用に5~10万+仲介手数料が36万で合計40万くらい掛かりますよね。
競売はそこが掛からないっていうメリットがあります。

⑥市場よりも安く買える可能性がある。

市場価格ってなんやねんと言われたらそれまでなんですがw、
なんだかんだ言うても開始価格は流通価格よりは安く設定されている訳です。
具体的には不動産鑑定士の方が該当物件の土地・建物の評価をし、そこに市場性修正や競売市場修正という係数を掛けて価値を減額し、市場で出回っている不動産よりは安く出品する様にしているんですね。

ただ、これはあくまでも売却基準価額(オークションの開始価格)を決めるのに算出している金額であって、当然この金額で買える可能性は極めて低いでしょう。

地方の利便性の悪い立地のボロ戸建てとかであれば、期間入札中の入札数が1入札や0入札ということもしばしば見受けられますが、築浅や好立地といった好条件を持つ物件は総じて落札価格は高騰するのが実態です。

競売市場修正の例:3点セット内の評価書から抜粋

競売のデメリット

ここまで競売のメリットについて述べてきましたが、
メリットがあれば当然デメリットもあるものです。

私の考える競売の主なデメリットは下記の通りです。

①先ほど挙げたメリットの逆
②資金の回転の遅さ
③資金調達の壁
④占有者との交渉次第では占有解除や所有権移転に多額の費用が掛かる
※入札段階でスムーズな占有解除ができる保証がない。

こちらも順番に解説していきます。

①メリットの逆

先ほど競売には瞬発力も人脈も交渉力も必要ないとか、
得られる情報はみな平等と申し上げましたが、それらのスキルや既得権益を保持する人にとってはそれらを活かすことができず旨味のない市場ということになります。あたりまえ体操。

②資金の回転の遅さ

競売を入札するには、売却基準価額の20%の金額を保証金として納める必要があります。
物件が落札出来なかった場合には保証金は返金されますが、例えば売却基準価額が1000万円の物件であれば、200万円の保証金が開札までの間、身動き取れない状態になってしまうということです。
競売は基本的に買えなくて当然というギリギリのラインの金額で入札をしていくべきですが、買えなくて当然の物件に都度数十~数百万円の保証金を入れたり戻ってきたりを繰り返すのは手間もかかりますし、同時に入札したい物件が複数ある際などは特に資金繰りがタイトになりがちです。

③資金調達の壁

私は不動産投資で融資を引いたことがないので風の噂や推測での話になりますが、競売で融資を引くのは難易度が高そうです。
知り合いに融資を引いて競売を買い進めている人もいますが、付き合いのある金融機関のエリア内で目ぼしい物件が出てくることは限られるでしょうし、落札確率の高くない物件を入札前に金融機関に打診して、結局落札出来なかったなんていうことが何度も続いたら金融機関はどう思うでしょうか。。

④占有者との交渉次第では占有解除や所有権移転に多額の費用が掛かる

個人的にここが結構一番やばいデメリットというかリスクだと思っています。

競売は落札後に占有者(基本的に元所有者)と不動産の引渡し交渉を進めていきますが、ここがスムーズに進むのと拗れるのとで掛かる手間と費用は大きく変わってきます。
いくつか例を挙げてみます。

A.落札物件に占有者がいて、退去の意思を示している
B.落札物件に占有者がいて、可能であれば引き続き居住することを望んでいる
C.落札物件に占有者がいて、話し合いに応じる姿勢がない
D.落札物件に占有者はいなくて、物件内は蛻の殻(残置物はない)
E.落札物件に占有者はいなくて、物件内はゴミ屋敷で前所有者と連絡がつかない

AとBは見るからにラッキーパターンですね。
この場合には丁寧に対応して退去いただいたり、家賃条件に折り合いがつけば継続居住をしてもらえば良いです。

Cの場合、交渉をしても解決の糸口が見えない場合には、下記の流れで強制的に退去を迫ることが可能です。

引き渡し命令から強制執行までの流れ

上記の様に、占有者と交渉が決裂しても追い出すこと自体は可能なのですが、強制執行までいくと下記の費用が掛かってきます。

■強制執行をすると掛かる費用
①明け渡し訴訟を起こす際に裁判所に納める印紙代と切手代
②強制執行申立て費用
③強制執行実費

①と②で凡そ10万円弱、③は引っ越しと同じで物件の大きさや階数、残置物の量によって変動してきますが、強制執行はなるべく短時間で済ませる必要がある為、通常の引っ越しとは違い動員される人員は多めでその分費用も高めです。
また、強制執行で搬出した荷物は、一度運送会社の倉庫に保管され、一定期間保管をする必要があります(確か一か月とかだった気がします)。
その期間の保管料、また最終的な処分費用まで支払う必要が出てくるので、強制執行の費用は、一般的な一戸建ての場合50万円以上掛かるのが相場と言われています。
※荷物の現場保管等の節約術もありますがここでは割愛します。

どんな人が競売に向いているか

メリット、デメリットいろいろ挙げてみましたが、
では、結局のところ競売ってどんな人に向いているのでしょうか。

私なりの答えとしては、
不動産投資初心者か、若しくは転売業者の人なんじゃないかなと思っています。

転売業者さんに競売が向いている理由は単純で、
飛び込みの営業なんかしなくても比較的お安く商品の仕入れができる市場だからです。

でも、転売業者さんと大家さんが仕入れたい金額は違います。

転売業者は仕入れた商品をいち早く商品化し、エンドに流すことで売買差益を得るのが商売です。
片や大家さんは、仕入れた物件からお家賃を得ることを目的としてます。
市場価格よりも安く物件を仕入れたいのはもちろんですが、利回りやキャッシュフローがあまり出ない物件を貸家として持つのは旨味が薄いですよね。

では、なぜ不動産投資初心者に競売が向いているのか

は?不動産投資初心者が競売とか自殺行為でしょ。
と思われるかもしれません。
私もそう思う部分もあります。

じゃあなぜ私が不動産投資初心者に競売が向いていると思うかというと、
先ほど述べた競売ならではのメリットが、競売初心者の人の属性とマッチすると思うからです。

■競売のメリット
①瞬発力は必要ない。
②人脈も必要ない。
③交渉力も必要ない。
④得られる情報はみな平等。
⑤物件取得に伴う経費が安い。
⑥市場価格よりも安く買える可能性がある。

大家さんを目指す人は皆、通常よりも安く物件を買いたいですよね。
本を読んだり、先輩に教えを請うたり、セミナーに参加したりして不動産の知識をいろいろと学ばれると思います。

不動産業者から優良物件を紹介して貰うにはどうすればいいかとか、
売主の心を掴む買付証明書の書き方はどうだとかっていう風に、ノウハウ自体は勉強すれば学べるのですが、足りないのが信用と経験です。

不動産業界って、新築マイホームとかの市場では消費者に凄く手厚くて、
ショウルームに行くと綺麗なお姉さんが飲み物運んでくれたりする印象がありますが、こと投資市場となると利権バリバリの裏社会っていうイメージありませんか?笑(私はあります)

そんな場所にちょっと本やセミナーで勉強して小手先のノウハウを詰め込んだくらいの初心者が首突っ込んでもすぐにバレてめんどくさがられると思うし、なかなか相手にしてもらえないのではないでしょうか。

競売は違います。

当然事前に最低限の権利関係の勉強をしたり、NG物件を買わないようにする知識を学ぶ必要はありますが、いきなり相手が訳の分からない専門用語をブチかましてきたり、訳の分からない地獄物件を嵌めこんで来ようとしてくることはありません。

最初の1軒目を競売で買って、入札から残金納付、占有解除、リフォーム、賃貸募集、管理までの一通りの経験をすることで経験と自信が付くし、
次回以降物件を探す際には、自身が競売で物件を入手し、賃貸付けまでしていることをアピールすれば不動産業者さんはそれなりの目で見て対応してくれるのではないでしょうか。


いろいろ書いてきたらここまでで5000文字を突破してしまいました。

本当は私がどのように競売物件を検索しているかや、
どういう物件を狙って入札しているか、入札の際に注意している点などを書こうと思っていたのですが、これ以上長くなると読むほうもうざいかと思うので今回はこのくらいにしておきます。

次回書くことがあるかは未定ですが、
こんなクソみたいなおじさんの書くコンテンツに価値がありそうなら書いてみるかもしれません。

初めてのnoteにしては頑張った方じゃないでしょうか。
それではまた。

Ps.一緒に餃子を食べに行ってくれる大家さんや不動産業者さん随時募集中です。Twitterでも気軽に絡んでね🥟
https://twitter.com/haru001228

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