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NFTの熱狂、もはや宗教、だけどまだ序章

Intro: Web3初心者がNYCとNAHAに行った話

今年の春ごろにWeb3に興味を持ち始め、GW全投入して勉強をしやっぱりこれ面白いなとなったので、ノリと思い切りで6月にはNY🗽へNFT.NYCに、7月には那覇⛱へスタッフとしてIVS Cryptoに参加してきました。

Crypto領域は僕が高校生の時から全力で取り組んでいる人がいる中で、今年の春から参入の僕はまだ幼稚園児のようなものなので、とりあえず渦中に入ってみて一気にキャッチアップしようというのが目的。

どのカンファレンスもそうだけど、その領域に張って長らく事業をしている方々が集まっているので、知識も事業もまだない(陰キャの)僕が、0ベースからネットワーキングするのは正直超きつかったですが、その中でも色んな人の話を聞いて、展示を見て回って感じた今の考えを、備忘録として書いておきたいと思います。

Key Takeaways

  1. 錯覚しちゃうほどの熱狂、もはや宗教、だけどまだ序章

  2. NFTの価値の源泉は、NFTそのものでも、その発行体でもなく、コミュニティ

  3. 中長期でのベネフィット(Utility)設計はまだまだこれから?

  4. 日本は強いIPがある!という謎の安心感は危ない気がする

さあ、いってみよう〜

① 錯覚しちゃうほどの熱狂、もはや宗教、だけどまだ序章

NFT.NYCやIVS Cryptoの様子はググれば沢山出てくるので見てほしいのですが、現地に行って参加した感想としては

「熱狂、半端ない」

に尽きる。

タイムズスクエアの7つの公式会場とニューヨーク市中の数えきれないほどのサテライト会場には、1500人以上の登壇者と1万5000人の参加者が4日間に渡って集まり

https://news.yahoo.co.jp/articles/80b4c25516e664fa51867b452c42891b26e4378b

参加費10万円のイベントに1万5000人を超える参加者が集まったこの4日間は、ほんとにタイムズスクエア周辺は常にカオスだった。

NFTと連呼するデモ隊がマンハッタンを闊歩してたり、そこら中でNFTのAirdrop(無償配布)が行われたり、タイムズスクエアもNFTプロジェクトの広告が占拠していた。

実際のカンファレンスのどのセッションでも、
ベアマーケットで厳しいタイミングだけどなんとかなるよね!と登壇者は口を揃えて言い、自分たちがやっていることに確固たる自信を感じさせていた。
その様子は側から見たらもはや宗教に見えるだろう。どんな宗教にもいる「過激派」がその4日間に1万人ほどNYに押し寄せてNFT!と叫んでいる。
そんな中にいると、NFTは普及したんだと錯覚しそうになる。
でも現実はまだ下記の通り。

過去2年間でNFTの取引総額が300億ドル(約4兆円)以上に達したと語り、NFTのユーザー1人あたりの年間平均売上は前年に比べ88.28%増加し、平均927ドル(約12万5000円)となったと指摘した。//
一方で、世界中のインターネット人口が40〜50億人いるとされるなか、NFT取引の際に必要とされる暗号通貨用ウォレットの所有者はまだ1億人ほどにとどまり、このうちNFTを実際に売買しているのは月々600万〜1000万人

https://media.dglab.com/2022/07/01-nft-nyc-01/

イベント期間中にふらっと入ったタイムズスクエアのすぐ横にあるバーのマスターに、NFTのイベントで日本から来たんだよねと話した時に、「Cryptoは怪しすぎて俺は全く触りたくないね〜」って笑って言われた時に、我に返された。こっからなんだ、確実に実用価値を持って広がってきてるんだ、そう感じた瞬間だった。

② NFTの価値の源泉は、NFTそのものでも、その発行体でもなく、コミュニティ

New Yorkに行って一番自分の理解が変わった部分がこれだ。
NFTにも色んな種類があるけど、よくメディアで取り上げられるいわゆるPFP(プロフ画像)に関して、「なぜこんなJPEGに数億円の価値がつくのか?」という疑問を持つ人はすごく多いと思う。

その答えを今なら自信を持って話せる。

その"JPEG"を保有することで限定コミュニティに所属し、そのブランドやコミュニティの価値を享受、誇示し続けられるからだ。

ジャニオタとかアニオタと似ている感覚だと思っていて、好きなアイドルをTwitterのトプ画にするし、ファン同士のオフ会をするし。その一体感と帰属感に価値がある。僕があるアイドルにハマってた時(浪人時代)は、ライブの圧倒的な一体感が好きで推していた。例えば嵐の精鋭隊(超コアファン)を100人だけ選びますってなったら大金を払ってでもなりたい人は結構いたはずだ、それに似てる気がしてる。
違うのは、そのコミュニティにNFTやトークンを通じて価格がついていることで、参加者はコミュニティを盛り上げて価値をあげるインセンティブがより強く働く(一部のお金持ちは価格なんて気にしないと思うが)。

NFT.NYC期間中、NFTプロジェクトはNY内で思い思いのサテライトイベントを開催し、NFT holderとの交流の場を設けた。
会場を作り込んでそのNFTの「世界観」を演出し、小粋なDJのBGMとBarを提供し同じholder同士の交流を促進した。そこでは、もちろんNFTのデザイナーや発行者に会いにきている人もいたが、多かったのはやはり同じNFTを持っている人と話に来ている人たちだった。
彼らはそのNFTを囲むコミュニティでの体験を楽しんでいて、所属していることを誇示するためにPFP(プロフ画像)にするし、それを盛り上げるために自発的に二次創作やイベント企画を行なっている。まさにある種ブランドであり、その末にIP化がある気がする。(実際BAYCという一番有名なNFTシリーズの映画化は進んでいる)

一方で、このコミュニティに紐づくブランドをいかにマネジメントできるか、が今後数年にわたってプロジェクトが考えていかなきゃミッションだと思う。ブランドに紐づいている分、例えばあるNFTシリーズを保有している人が犯罪や不祥事を起こして、それがNFTと紐づけて報道された時、一気にブランド価値(合わせて価格)が下がりコミュニティが瓦解するということもいずれ起きうる気がしてる。犯罪者と紐づくNFTを誰もプロフにしたくないし、それでも保有しておきたいと思わせるには、他にどんな価値がコミュニティにあるのか、という部分が大事になる。

③ 中長期でのベネフィット(Utility)設計はまだまだこれから?

NFT.NYCでよく話されていたのは、「NFTはコミュニティツールとして始まり、徐々にUtility Focusにシフトしている。」ということだった。
上で書いた通り、PFPに始まりコミュニティを作るツールとして機能をしているが、そのユースケースは広がり、スポーツや音楽、不動産など色んな業界で実用が始まっている。そこでは、Ownすることによるコミュニティ所属以上に、実際に現実世界でどんなベネフィット(Utility)が得られるのか、が重要な要素になる。
実際、それぞれの産業でどんなUtilityの設計ができるのか、と言う話はセッションとしても大変多かった。
一方で、どのプロジェクトも欠如してると感じたのが「Sustainability」の観点だ。
NFTはその性質上、基本的には勝手に発行体の一存で存在を消滅させることはできず、一度発行したNFTは保有者を変えながら永続的に存在し続ける。
そんな中で、まだ黎明期だからか、「とりあえずNFTを作ろう」とノリで、そのUtility設計がガバガバな状態で作られたようなプロジェクトがすごく多かった。
例えば…

  • NFT Holderは、この選手と月一でビデオチャットができるよ!

  • NFT Holderは、限定イベントに招待!

このような保有メリットは一見一般的に見えるが、これが永続的なベネフィットになると考えると結構ゾワっとする。ちゃんと来年もやってる? と感じざるを得ない設計のものも多く、この辺のボロが年末辺りから出てくるような気がしてる。(契約不履行反対!!)
それも含めてコミュニティマネジメントが大事だし、その一環としていろんなUtilityを用意/追加していくことが分かれ目になるのかな。

④ 日本の強いIPの存在による謎の安心感は危ない気がする

ここまで主にNYで感じたことを書き連ねたが、日本で最初で最大のCryptoカンファレンス「IVS Crypto」に最近参加して感じた違和感も残しておきたい。

よく「Web3において日本は世界と比べて数周遅れている」という議論をするときに、「でも日本のIPは特にNFT活用で注目集めてるし、挽回できるんじゃ無い?」っていう論調がめっっっちゃ多いように感じる。
もちろんチャンスは絶対にあると思うし作るべきだと思うんだけど既存のIPには限りがあるわけで、僕みたいに「Z世代ギリギリ含まれないくらい世代(95年)」からすると、世界でも強い日本発のIPって僕の青春時代くらいからはもう生まれてなく無い?という感覚。
しかも最近韓国とか中国にもアニメやドラマといったコンテンツ制作で遅れ始めている状況をみると、もう日本にはそこまで強いIP創出力って世界に誇れるほど残っていないんじゃないかなと思ってる。
外国人が「日本はアニメとかIP強いからいけるっしょ!」って言うのは、それしか褒められるものがないからなのでは…
僕よりも若いZ世代はもっとこの辺を強く感じてるからこそ、(税制とかももちろんあるけど)国外に出ていくし、Day 0からGlobalに向けて事業を作っているんだと思ってる(負けたくない)。

IVS Cryptoでも、Networkingスペースでは外国人同士で集まり、日本人と外国人の塊できれいに線が弾けるようになってしまってたり、英語のセッションが一番人が少なかったのは見てて結構悲しかったし、それ以上に外国人参加者は察してしまったんじゃないかと感じてる。

まとめ

と沢山書いてしまいましたが、
まとめると、NYと沖縄に全て自費で行ったのでお金がないってことです。。。

僕個人としては、このNFT周りの「みんな違ってみんな良い」感がすごく好きで、明らかに似ていたり、これ誰が欲しいねんみたいなプロジェクトも沢山ある中で、みんなやりたいことを好きなように形にしてコミュニティを作ってる。ここには競争という考えが本当になくて、みんなで盛り上げていこうよっていう姿勢がすごく素敵。僕が好きなクリエイターエコノミー領域では、まさに待ってました!という仕組みで、マイナーなニッチが好きなように輝ける時代がWeb3によって整ってきていることにワクワクしてます。

NFT領域というよりも、DAOとかTokenomicsとかのコミュニティ設計周りに特に関心があるので、またそれに関してもnote書きたい。

この領域少しでも関心ある方、色んな方と意見交換をしたいので、ぜひお気軽にお声がけください!

IVS終わりに疲れを癒した沖縄の海⛱


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