「コンバーティブル投資手段」 活用ガイドラインを読んで思うこと。

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。さて、noteアカウント作ったものの、筆まめではないため特に使っていなかったのですが今年は文章をフリーハンドで書く練習ということでnoteも時間があれば更新していきたいなと思っております。ということで今回は、昨年12月28日に「コンバーティブル投資手段」に関する研究会から出た「コンバーティブル投資手段」 活用ガイドラインについて感想を書いてみたいと思います。

URLを貼ったら「タイトル未設定」になりましたが、こちらをご覧いただければと思います。ベンチャー投資界隈の人からすれば然程真新しいところはなく、”コンバーティブル”投資の現在地を説明している良い解説書なのではないかと思います。大まかなに言うと、シリーズAまでの”コンバーティブル”投資に関してはベンチャーキャピタルさん等々の努力もあり、一応のマーケとスタンダードが確立してきたが、今後の議論は種類株式発行後の各ラウンドの間の”コンバーティブル”投資はどうあるべきかということのようですが、私もそう思います。

ということで以下些末な点ですがちょっと思ったことを書きます。

P25「コラム:新株予約権による株式投資型クラウドファンディング➁」

公の資料なのでさらっと触れているだけですが、この辺りは結構色々あるところですし、ベンチャー投資界隈の方色々思うところがあるのかなと思っているところです。ベンチャー企業としては、界隈の人に資本政策に関しては必ず相談した方が良いなと思います。

P45「資金調達に要する時間を短縮するために、株主間契約等の交渉
が省略可能なコンバーティブル投資手段が活用されるケースが増加
している」

昔、投資家側のとある法律事務所から、新株予約権者も株主間契約の当事者に入れるべしと言われたことを思い出しました。さすがに、マーケットスタンダードなご主張とは思いませんが、御趣旨は分かります。

P57「また、登記を行う際、ストックオプションとコンバーティブルエクイティは明確に区別して記載することが望ましい。
• 過去に、ストックオプションを「第1回新株予約権」、コンバーティブルエクイティを「第2回新株予約権」として登記した事例があるが、新株予約権の名称の記載に一貫性がないと混乱を招き得るため、 明確に書き分ける方が良い
• コンバーティブル・エクイティについては、「第1回CE型新株予約権」といった記載が分かりやすい」

実際、司法書士さんから連番にしろとご指導いただいたことがあります。なんか変だなと思いつつ先生がおっしゃるならそうしましょうという感じですが、今後は、こちらの記載を参照しながら司法書士さんとコミュニケーションを取る形が増えていくのではないかなという気がしております。

P61「コンバーティブル・エクイティの転換タイミングは次の資金調達ラウンドと同時になるが、当該ラウンドで発行されるメインの株式と転換により発行される株式はディスカウント等の影響で発行条件が異なる形になるため、別の種類株式として扱い、登記する必要がある。
• CE調達が複数回行われた場合は、A-1種、A-2種等の区分が増える」

”コンバーティブル”投資界隈の実務家からすると当然のことですが、文字媒体でここを明確に記載した文献はあまりなかった気がします。コンバーティブル・エクイティは出したものの、その後シリーズAでA種優先株式を発行した場合、どのような形になるのか経験がないと悩まれるところではないかと思いますが、今後はこちらに書いてある通りですよねということで悩む方は少なくなるのではないでしょうか?他方で、コンバーティブル・エクイティは、バリュエーションを先延ばししているだけで、種類株式の数を減らす効果はなく、株主総会を含め株主管理の側面からすると然程手間を減らす効果はないことを明確にしたともいえそうです。

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