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ゲーム実況

ゲーム実況が「爆発的人気」だそうだ。

ゲーム業界に関わるようになって20年以上になる。これまでずっと関係者の皆さんにも”言い訳”してきたのだが、私は全くと言って良いほどゲームをプレイしない。なぜかと言えばド下手だから面白くない、ということに尽きる。いわゆる運動神経は良い方で球技などはなんでも平均よりは上手いと自負しているが、ほとんどのゲームはド下手だ。

しかし、ゲーム業界に入ってから当然ゲームをしている人を見る機会は多くなり、誰かがゲームをプレイしているのを見るのは好きになっていった。特に上手い人がプレイしているゲームを見るのは好きだし、結構興奮できるとずっと思っていた。そんな私だからゲーム実況が人気だと聞いても驚かないし、むしろ当然のことだと思う。

ゲーム実況はスポーツの実況と重なる部分が多い。野球もサッカーも自分では大したプレーはできないが、プロのプレーを見ると凄いと思うだけでなく、見ていて楽しい。ゴルフなどは今でもプレーするのが楽しいスポーツだが、プロのトーナメントを見るもの面白い。ビデオゲームも同じだろう。上手い人のプレーを見て自分でプレイする時の参考にするという使い方もあるだろうが、単に見ていて興奮するということが多いのではないか。

じゃ、ゲーム実況はスポーツ実況と何が違うのかといえば、その勘弁さにあることは間違いない。色々な意味の勘弁さだ。

ゲーム実況にプレイヤーを写すカメラやメイクは必要かもしれないが、中継機材のようなものは必要ない。スポーツはプロかそれに近いレベルでないと中継はされないし、誰も観戦しようとは思わないのに対して、ゲーム実況はそれほど上手いプレイヤーでなくても誰の断りもなく始められるし、どうかするとそれなりの数の人が観戦していたりして、もしかすると収入が得られることだってある。

エネルギーを消費するばかりで特に何も生み出さないテレビゲーム。その意味ではスポーツも同じだ。どちらも自分でプレイするのも楽しいし、他の人、特に上手い人がプレイしているのを見るのも楽しい。ただし、それぞれ楽しめる人には、という限定詞が付くが。

こう考えてくると、ゲームもスポーツも人間にとっての意義は同じなのだろうか。そう言えば、アマチュアの草野球や草サッカー、もしかしたら単なる一般人のゴルフプレーを簡単に中継できるシステムが開発して、スポーツ実況もゲーム並みに勘弁にする、というサービスのアイデアを考えたことがあったが、もう一度考えてみても良いのかもしれない。

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