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シャニマスが描く物語の”時間”

どうも、ハーパーです。

今回のnoteでは、以前上げた5th LIVEレポを書いている際にまとめようと思っていたことについて書いていこうかと思います。

シャニマスの物語において重要な要素の一つだと思っている、”時間”の概念についてです。

シャニマスの物語、とはいいましたが、
”4thLIVE”から”我儘なまま”までのライブ
を振り返りつつ、一部シャニマスの楽曲を引用しながらお話を進めていきます。

自分が読めているコミュについては関連性を話題に上げることもできるのですが、ほんの一部に過ぎない上に文章をまとめ切れなくなりそうなので泣く泣く割愛。
しかしながら、シャニマスのライブは2021年10月開催の283フェスで朗読劇を交えながら楽曲を披露したあたりから、ライブで物語を表現するようになっているように感じています。

今回のnoteはその表現から私が受け取った感動を、感想としてここで共有したい、というものになっています。

それではまず初めに、このことについて考えるきっかけとなった、4th LIVEの内容から入っていこうと思います。

※ここから先、私が作品から感じ取った”感想”を連ねていきますが、文章のまとまりを優先して敢えて自分の考えを”~と思います。” ではなく ”です。” のように言い切る文体で書くようにしています。(全てではありませんが)
コイツ思ってばっかりだなってなっちゃうので。


”過去”と”現在”と”未来”

4thでテーマとなっていた3つの時間。
シャニマスだけでなく、時間について考える上で根幹となる概念ですが、シャニマスにおいてこの概念が強く表れ始めたのは2周年でリリースされたGR@DATE WING01の楽曲である”シャイノグラフィ”、”Dye the sky.” からです。

この空をキャンバスにして
誰のでもない 瞬間を
新しく記してこう
光空記録(My shinography)

シャイノグラフィ / シャイニーカラーズ

未来なんて実はどこにもない
描き出せ、自分の手で
現在だけが存在の証明
刻み込め 昨日より強く

Dye the sky. / シャイニーカラーズ

この二つの詞に、シャニマスが持つ時間に対しての考え方が強く表れています。

通常、この3つの時間の流れは矢印で表すと、
「過去→現在→未来」の順になります。いわゆる時系列というやつでしょうか。一般的にもこの順で並ぶイメージが強いと思います。
しかし、シャニマスが捉えるこの3つは「未来→現在→過去」の順で考えられていると思います。

この考え方の違いについて、”アドラー心理学”の中に存在する概念である
”目的論”と”原因論”の違いについて簡単に解説することで説明していきます。

原因論と目的論

少し本で読んだくらいなので専門ではないのですが簡単に。
この考え方を3つの時間を使って表現すると、

”原因論”ー過ぎ去った”過去”が”現在”を形成しているという考え方
”目的論”ー思い描いた”未来”が”現在”を形成しているという考え方
といった感じになります。

わかりやすい例え話として、いじめをうけて引きこもりになってしまった人が挙げられることが多いです。

・原因論で考えた場合
過去にいじめをうけたことが原因で、
現在は引きこもり状態になっている

・目的論で考えた場合
未来で外界から自身を守るという目的ために、
現在は引きこもり状態になっている

目的論は”その人の意志で”その状況に陥っていると考えるため、見方によっては厳しい考え方に見えるでしょう。

「過去→現在→未来」の順で考える場合、
【”過去”の出来事が”現在”を形作り、”未来”が続いていく】
ということになります。これも間違いではないでしょう。

しかしながら原因論で考えてしまうと、過去に起こった出来事から未来が決定づけられてしまう。
その人はどうやってもその状況から脱却することができないということになってしまう。
それは果たして救いでしょうか。

「未来→現在→過去」の順で考えるというのは、
【自分の手で描き出した”未来”こそが”現在”となり、それが積み重なって”過去”となる】という考え方になります。

そして、この「未来を現在にする」「現在が過去になる」という変化こそが
同じく2022年に開催された283プロダクションユニットライブ、
”SETSUNA BEAT” ”MUGEN BEAT” で表現された2つの概念、
”刹那”ー「現在が過去になる」
”無限”ー「未来を現在にする」

として解釈できるという風に考えています。

”刹那”と”無限”

SETSUNAとMUGENでは、出演ユニットの振り分けについて明確に解説はありませんでした。しかし、オーディオコメンタリーにて公開されたそれぞれのユニットのコンセプト、および4thから5thにかけてライブでのキャストさん方の挨拶における解釈として、

今という瞬間はすぐに過去になってしまう、という感覚が“刹那“
今という瞬間を終わらせたくない、続けたい、という感覚が“無限“

という言葉に込められているように感じます。

“現在“から反対の方向に矢印が伸びているように感じられるこの二つの感覚ですが、実は本質は変わりません。
「1秒後には現在が1秒前の過去になるのと同時に、1秒先の未来が現在になる」
この1秒の時の移り変わりが常に起こるこの世界で、1秒先の自分がどう在るかということ。

それこそが、シャニPという窓を通して世界を映し出しているシャニマスが描いている物語であるという風に私は考えています。

私たちの言葉で”空欄”を埋めながら

さて、いよいよ5thLIVEの内容となります。
そのあまりにもチャレンジングな構成から、多くのトラウマや反転アンチを生み出した疑惑のある伝説的なライブ(圧倒的偏見)ですが、今回は当ライブのタイトル、そしてday2のアンコールで初披露となった5周年振り返りPVに登場する言葉についてお話しします。

5thLIVEのタイトル”If I_wings.”この_(アンダーバー)の意味については各々が色々な思いを馳せていることと存じます。
ある人は自分にとってこの空欄に入れるに相応しい英単語を。
ある人は言葉を確定させずに探し続ける選択を。
私も最初はlostとspreadとかなんかなぁなんて考えたりしましたが、5周年振り返りPVのラストに出てくる言葉を見た時に、また少し違った考えになりました。

物語は続いていく
私たちの言葉で空欄を埋めながら
輝きは増していく
未来への期待に胸を弾ませながら

「アイドルマスターシャイニーカラーズ」5周年振り返りPV

空欄を埋めるのは私たちの言葉。
それによって物語が続いていく。
そこまで考えた時に、あるシーンが自然と思い浮かびました。

Catch the shiny tail 第5話「私の場所」

振り返りPVでも登場したこの言葉。
シナリオイベントコミュ終盤に1つ差し込まれるプロデューサーの言葉。
この言葉こそ、空欄を埋める言葉の1つなのではないかと思っています。
もしこの言葉が無かったら、
空欄が空欄のままであったなら、
いまの”現在”は果たして”現在”になり得ただろうか。
ここでもう一度あの歌詞を。

未来なんて実はどこにもない
描き出せ、自分の手で
現在だけが存在の証明
刻み込め 昨日より強く

Dye the sky. / シャイニーカラーズ

一言でまとめるなんてことが出来ないほどに、シャニマスの物語からは多くの感動、勇気、力を貰っているなとこのnoteを書きながら改めて感じました。
シャニマス、色んな意味で深いコンテンツです。

ここで一曲お聴きください

さて、一旦ここでお話が一区切りつくのですが、まだnoteは終わりません。まだ1つライブを残していますからね。
そこで一曲、ここまでこのnoteを読んだ上で聴いて頂きたい曲があります。
5thLIVEを経て私がこのnoteに書いたようなことを悶々と考えていた時に発売されたCDがあります。その名も”CANVAS 01”。
その名盤に収録されている楽曲です。
ぜひ歌詞を確認しながらお聴きください。
イルミネーションスターズで、”星が流れて” 



😭😭😭

聴いていただきましたでしょうか。
イルミネの物語を感じる楽曲ではあるものの、時間というものの捉え方について歌われており、初めて聴いた時衝撃を受けました。
「ヒカリと夜の音楽、またはクロノスタシス」
まだ読んでない人はぜひ読んでね。いや読め。

さて、”星が流れて”の歌詞の中に、思い出という言葉がありました。
記憶に新しいですね。そのことについてお話しさせていただきます。

”思い出”をまた、つくりにいこう

7月に開催されたソロパフォーマンスライブ「我儘なまま」のコンセプト。
また、というのはどういうことか。ライブをご覧になった方にとっては明確でしょう。
3rd LIVE TOUR 東京公演day2で叶わなかった事、あの時描くことができなかったものを、もう一度。

あの日、東京公演day2が無観客公演になったことは、どう頑張って捉えなおしても中々前向きに考えることの難しい出来事だったと思います。
目的論だ捉え方次第だと、軽々しくは言えないほどに。

ただシャニマスは、そんな過去をネガティブに捉えず、無かったことにもせず、ただ「思い出をまた、つくりにいこう」と。
そして、あのライブを作り上げました。

私はこのnoteの基本的な観念として、
【自分の手で描き出した”未来”こそが”現在”となり、それが積み重なって”過去”となる】
というものを掲げてきました。「思い出をつくる」という行為もこれに当てはまると考えています。

しかし、私はこのnote前半で、
【”過去”の出来事が”現在”を形作り、”未来”が続いていく】
という考えが間違いではない、という風に言いました。
今回のコンセプトである「思い出をまた、つくりにいこう」という行為は、こちらの観念にも当てはまるように感じられます。

これは、未来を自分の手で描くということを前提とした上で考えてほしくてこのような順で話を進めてきました。

”未来”を描く「自分」とは一体何なのか。”現在”の「自分」を形作るものとは一体何なのか。それは他ならぬ”過去”です。

今まで自分が描いてきた”未来”を積み重ねた”過去”こそが”現在”の自分を形作っている。

その上で、”未来”を「自分」の手で描く。

これが、これまでのシャニマスの物語、そして私自身の物語から生まれた、現在の私を形作っている観念です。

最後に

ここまで長ったらしく、小難しく持論を展開して参りました。
読んでくださった方には大いなる感謝を。

最後に、ここまでのnoteの内容を踏まえたうえで、さらにもう1曲聴いていただきたい曲があります。

我儘なままday2でも披露されました、シャニマス5周年楽曲である
~Shiny Stories~です。

こちらもぜひ歌詞を確認しながらお聴きください。
(この詞の意図を私が読み取ったかのように話すことは決して出来ませんので、歌詞をこの場で引用はしません。)

さぁ、次は10月。コメティックお披露目です。
これからシャニマスが描く空を、ずっと追い続けていきたいと思います。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
もし感想なんていただけたら跳ねて喜びます。

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