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【ユニオンアリーナ】ゲームシステムの分析その5:カード1枚あたりの価値を考える

※本記事の画像は全てユニオンアリーナ(https://unionarena-tcg.com/jp/)様が出典となります。

針瀬です。(定型文)
今回は中級者以上のユーザーに向けた考察記事です。
タイトルだけだと何ぞや、となると思うのでまずは本記事の主題について説明します。

ユニオンアリーナに限らず、カードゲームにおいて各カードはコストや条件といった制約によって「1枚のカードがゲームに与えられる影響力」が異なっており、この影響力の差によって片方に優位が傾き、結果ゲームの勝敗へと繋がります。

例えばデュエルマスターズやワンピースカードにおいて、同じ手札1枚の消費でも1コストのカードと10コストのカードではゲームへの影響力が大きく異なります。

同様にユニオンアリーナも0エナジーのカードと4エナジーのカードではゲームへの影響力が大きく異なるゲームです。

本記事の主題に関して、ユニオンアリーナはカード間で影響力(価値)の差が開きやすく、この性質をプレイや構築を反映させる重要性が高いゲームである、というものです。


他ゲームとの比較

ユニオンアリーナにおいてカード間で価値の差が出やすくなっている要因は主に3つです。

  • プレイコスト(使用するAP)の差が無い

  • カードがプレイ以外での使い道によって差別化されていない

  • 4000BP未満のカードが主力の時間帯が少ない

プレイコスト(使用するAP)の差が無い

デュエルマスターズやワンピースのようにプレイコストをマナ(ドン)で管理するゲームは、高コストで強いカードをプレイ出来ない場合でも、その分低コスト弱いカードを複数枚プレイできるように設計されています。(10コストのキャラを出せない場合でも、3コスト・3コスト・4コストのキャラを出す行動を取ることができる)

そのため多少弱い動きにはなりますが、低コストの弱いカードでも、ある程度高コストの強いカードに付いていけるシステムになっています。

一方、ユニオンアリーナはAPという1ターン最大3回しか与えられない行動権によってコストが管理されており、0エナジーBP1500も4エナジーBP4000も消費するコストは1APです。(2APも存在しますがゲームの主流ではないのと、解説すると長くなり過ぎるので割愛します)

強いカードに対して弱いカードをたくさん展開して誤魔化すといった行動は取れず、同じコストを支払うのであれば、より強いカードをプレイすることが正着になります。

このようにユニオンアリーナは「弱いキャラにも強いキャラにも支払うコストは一緒」(=プレイコストの差が無い)であるため、可能な限り強いキャラをデッキに採用することが望ましいと言えます。

カードがプレイ以外での使い道によって差別化されていない

ユニオンアリーナ同様、プレイコストの差が無いゲームとしてヴァンガード等が挙げられます。(そもそもプレイコストが無く、好きなだけカードをプレイできる)

しかし、高コストで強力なカードを可能な限り優先するゲームになっていないのは、ガードシステム(相手のターンに手札からカードを捨てることでライフを守れる)が存在しており、場では弱いカードに「場にプレイする以外に有益な使い道がある」からです。

場で強いキャラは手札からガードとして使った時の値が低く、逆に場で弱いキャラはガードとして使った時の値を高く設定してあるため、場で弱いキャラにも始終活躍の場があり、カードが持つ価値の差を狭めています。

一方ユニオンアリーナにもトリガーというプレイする以外で活躍できる要素はありますが、ヴァンガードのように低エナジーに優先して付いているという訳ではありません。むしろレイドトリガーがある分、フラットに見た際はトリガーの影響力も高エナジー側が大きいと言えます。

このようにプレイ以外の使い道で差別化されている訳でもないため、低BPと高BPの価値の差は開きやすいゲームになっています。

4000BP未満のカードが主力の時間帯が少ない

他のゲームでは
マナが溜まるまでの時間帯を低コストのキャラで戦う→マナが溜まってくると高コストをプレイ
といった流れが一般的であるため、序盤の時間帯を支えてくれる低コストキャラの必要性も高いです。

しかしユニオンアリーナは後攻の2ターン目には普通に4000BP(多くのデッキにおける最大戦力)が着地するゲームであるため、それ未満のBPを持つキャラが主力となってゲームを動かす時間が短く、この点でも低BPキャラの価値を小さくそして高BPキャラの価値を大きくしています。

小まとめ

以上3点から、ユニオンアリーナは比較的カードの価値に差が出やすいゲームであり、可能な限り高エナジー高BPをデッキに採用することが望ましいゲームシステムになっていると考えます。

理論の応用

ここまでは論理的もしくは感覚的に掴んでいるプレイヤーも多く、実際プレイヤーが成熟し始めた最近のユニオンアリーナでは、1/1ナナリーの規制も相まって可能な限り高エナジー高BPのカード(4/4000BP)を採用する流れが強まっていると感じます。

ここからは応用です。カードを運用する際にもユニオンアリーナが持つ上記の性質を意識してみましょう。

カード編(1/1モツオ)

1/1/2500BPのアクティブトリガーと標準スペックを持ちながら、両プレイヤーにドローさせるメリットとデメリットを内包したカードです。

前述した通り、本ゲームはカードの価値に差が出やすいため、モツオでドローするカードが持つ価値の期待値も相手のデッキによって異なります。(0~1を多く採用した構築だとドローするカードが弱くなりやすい)
しかし、自分のデッキのドローの1枚あたりの価値の期待値は自身でコントロールすることが可能です。

具体例として、

  • モツオが使われる前提でないためバランス良く構築した相手のデッキ(4000BPを8枚採用)

  • モツオを使う前提で高エナジーを多投した自身のデッキ(4000BPを12枚採用)

ではモツオが与える同じ1枚のドローでも、ドロー1枚あたりの価値の期待値が異なります。

モツオ側は構築段階でこの1ドローの期待値をコントロールできるため、1/1モツオの効果は一見平等にドローが分配されているように見えますが、実際はモツオを使用する側に利があるカードです。

モツオのようなカードを運用する際は、自身のデッキに採用するカード1枚あたりの価値を意識しながら構築・プレイしてみましょう。

トリガー編(ドロートリガー)

モツオに限らず、全てのドローの強さは、そのデッキに採用されているカード1枚あたりの価値に依存します。

これはドロートリガーも同様であり、仮にドロートリガーがたくさん採用できるデッキでも、ドローの1枚あたりの価値が低いデッキであればトリガーの強みが薄くなります。

例えばドロートリガーの集合体のようなデッキは手札こそ増えやすいものの、増えた手札のキャラはトリガーを持つ分BPを減らされているため、ボードで活躍しづらく結果ドローが有効に働かない場合があります。

トリガーが多い=強い、ではなく、引いてくるカード側との兼ね合いがあって初めて強く機能するということまで意識して構築することが望ましいです。

例外に関して

ここまでにユニオンアリーナにおいて影響力の高いカードの重要性を説いてきましたが、例外は存在します。低BPのキャラを有効活用できる場合です。

低BPのキャラを有効活用できる手段として

  • 除去によってライフを奪うデッキ

  • 4000BPによるブロックを回避するデッキ

の2つが存在します。

除去によってライフを奪うデッキ

青リンウェルや紫真人のような除去が豊富なデッキは、相手ブロッカーを除去してライフを奪っていくため、味方のアタッカーの質に依存しづらいです。

こういった戦術を取るデッキは影響力の高いカードを多く採用する以上に、序盤の動きを補強できる低エナジーのカードを多投するメリットも多く存在しています。

4000BPによるブロックを回避するデッキ

〈1/1ナナリー〉や〈松下村塾〉のように4000BPにブロック回避能力を付与するカードや、〈レイド蜂楽〉のように相手のパワーラインを下げるカードを主体としたデッキも、相手の4000BPによる有効ブロックを防げるため、味方のアタッカーの質に依存しづらいです。

これらも充分低エナジーキャラを優先させるメリットを持っています。

大まとめ

  • ゲームシステム上、高エナジーで強いキャラを可能な限り採用する意義が大きい

  • しかし、一部戦術においてはそうでない場合もある

以上のように、今回はユニオンアリーナにおけるカード1枚あたりの影響力(価値)を考察しました。

勿論本主張は「可能な限り」と記載してある通り、高エナジー高BPのカードを採用するにしても、エナジー事故を起こすほど低エナジーのカードを非採用にすることは望ましくありません。

しかし、充分にエナジーが足りる構成において、高エナジー高BPのカードは「トリガーのためにのみ採用するカード」や「ちょっと便利な2~3エナジーのカード」を退けるくらいには、全体を通して高い影響力を持つと私は考えています。

是非皆さんもご自身の使用されてるデッキに関して、カード1枚あたりの価値を高めるべきなのか、もしくはそうでないのか、考察してみてください😆

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