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無痛性甲状腺炎

実際の患者様でいたので、どのような病気か紹介します。

《目次》
1.甲状腺とは
2.無痛性甲状腺炎の原因
3.無痛性甲状腺炎の症状
4.実際の鍼灸治療

1.甲状腺とは

甲状腺は首の前方に位置する小さな臓器です。

甲状腺ホルモンを分泌する働きをもちます。
甲状腺ホルモンは全身の細胞に作用して代謝を上げる働きをもちます。


2.無痛性甲状腺炎の原因

無痛性甲状腺炎は、甲状腺の細胞が壊され、甲状腺内に蓄えられている
甲状腺ホルモンが血液中に大量に漏れ出てしまうことで起こります。

甲状腺機能が破壊される詳細なメカニズムは明らかになっていません。

甲状腺ホルモンが体内に広く放出されると、
代謝が上がり過ぎます。
(甲状腺機能亢進症状を呈するようになります。)

※甲状腺の機能が亢進つまり、高まり過ぎると症状がでます。

壊された甲状腺の細胞は時間経過と共に修復されるため、同時に甲状腺機能も正常化する可能性があります。


3.無痛性甲状腺炎の症状

無痛性甲状腺炎は、甲状腺の細胞破壊と共に血液中の甲状腺ホルモンが
過剰に増加する病気です。
細胞は破壊されていますが、基本的に甲状腺に痛みは生じません。

一方、甲状腺ホルモンが過剰になるので、甲状腺機能亢進症状を呈するようになります。

具体的には、次のような症状です。
・脈が速くなる
・心臓がドキドキする
・疲れやすい
・息切れがする
・眠れなくなる
・体重が減る       など

このような症状は、バセドウ病の症状と類似しています。

無痛性甲状腺炎による甲状腺ホルモンが多くなる状態は、
細胞の破壊をきっかけにしており、細胞が修復するにつれて
甲状腺機能亢進症状はおさまってくることになります。

つまり、甲状腺ホルモン過剰状態が1~2か月ほど持続した後に状態は
沈静化します。

治癒の過程で甲状腺の機能が低下することもあり、体温低下などの症状を
みることもあります。
無痛性甲状腺炎による甲状腺ホルモン過剰症状は軽度の場合が多く、
見逃されることも少なくないため、その後の一過性の甲状腺機能低下症で
気付かれることもあります。

なかには永続的に甲状腺機能が低下する方もいますが、
多くの方は甲状腺機能が最終的に正常化する経過をとります。

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