まあ、会社をやっていると色々あるのです、講演料上げないと帰るぞ!事件

会社をやっていると当時の意思決定がまずかったことがたくさんある。それを共有していきたいと思うのです。

みんな上手くいった話ばかりするけど、ぼくは下手こいた話がなにより大事だと思っている。それを共有したい。

知っているかもしれないけど、弊社はコロナ前は会場セミナーをよく開催していた。
全国で年間2万人くらいは参加する規模だったので、なかなかの規模だったと思う。

そうなるとたくさんの講師の先生とも関わりがでてくる。過去にお一人だけ、200名くらいのセミナーの途中で講演料を上げないと帰るとおっしゃった先生のお話(´・ω・`)

東京での開催で、お昼休みにちょっと話があるとその先生から呼ばれた。

運営スタッフは別にいるので、ぼくは朝、新幹線に乗りお昼休みに先生とお話をする。まあ、なんでも200名も来ているのだから講演料を倍にしろというお話である。

もちろん、こういった講師にご依頼をするときには事前に契約書を巻いているが、その先生は支払わないのなら今から帰るとおっしゃる。

その時のぼくは、どうしても「どうぞ、お帰りください」の一言がいえなかった。

受講生へのすべての受講料の返金、会場費50万円、宣伝広告費などなどが頭をよぎり、実際に帰ろうとする先生を引き留め、そして倍額をお支払いすることを約束した。

ほんとうに最低の意思決定だったとおもう。それは、そういったことを言ってくる相手の問題ではなく、ぼくのその意思決定は、他の講演を引き受けていただいている講師の先生への信頼を裏切る行為だったのだ。

何よりもそれがぼくを苦しめた。

他の先生はきちんと契約通りに実施していただいているのに、その先生のみ、ぼくは圧力に負けて相手の要求を通してしまったのだ。

その先生とはすぐに縁を切り、次にご依頼することはなかった。

それでも、30歳半ばのぼくには「どうぞ、お帰りください」の言葉をいえなかった。

お金を損するよりもいまだに痛い。それは相手の問題ではなく、自分の誠意の問題だったからだ。

それも勉強になった。別件で、同じようなことが発生したことがあるが、胸を張って、それでしたら結構でございます。とキレイにすることができた。

お金を損するよりも痛いことがたくさんあるというお話です。



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