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シングルオリジンとは

こんにちは、播磨屋茶舗の赤松です。
本日は、シングルオリジンについてご説明いたします。

前回、お茶が出来る過程のお話をしました。

その中で、「合組」という過程がありました。
この合組が、シングルオリジンと関わっています。

結論をいうと、シングルオリジンのお茶は、合組がされていないお茶のことを指します。

合組とは、農家さんでとれたお茶を何種類かブレンドすることを言います。それはなぜかというと、大きく2つの理由があります。

1つ目は、味や香りの幅が広がるためです。
いろんなお茶をブレンドするという事は、単一の場合よりもより多くのパターンを作れることになります。また、それぞれのお茶の良い部分を補い合う事もあります。香りは爽やかでいいけど味にパンチが欲しい場合は、そのようなお茶をブレンドしたりします。どのようなお茶をどのような割合で合組するのか、ここが製茶問屋の腕の見せ所ともいえます。

2つ目は、お茶を安定供給するためです。
一番茶は、基本的に1年に1度しか取れません。もし1種類の農家さんのお茶だけだと全国に供給するとなると量が足りない場合があります。そうならないように、たくさんのお茶をブレンドすることで、そのお茶の合計量を多くして、よりたくさんの方に届けるということです。

また、お茶は農作物のため年によって出来が変わる場合があります。天候によっては、味の出来が悪かったり、純粋に収量が少なかったり。なるべくそのリスクを下げるために、1つの農家さんに依存するのではなく、多くの農家さんのお茶をブレンドして、リスクを回避しておく、ということです。

一方、シングルオリジンは、その合組を行っていない単一のお茶を指します。それでは、なぜ合組しないのかというと、これも大きく2つの理由があります。

まず、生産技術の向上です。昭和初期にくらべて、生産技術が向上したことにより、年によって収量が大きく減る、ということがなくなってきました。そのため、単一のお茶でも問題なく供給できる環境になってきたということです。

そして2つ目は、特徴のあるお茶が好まれるようになってきた、ということです。合組すると、大まかな傾向としては、とても特徴の強い、クセのあるお茶、というよりも飲みやすいお茶になることが多いです。一方、シングルオリジンはお茶のクセがそのまま出ます。

今まではそのようなお茶が好まれにくかったのですが、時代とともに、クセのあるお茶を好まれることが増えてきました。その場合は、シングルオリジンのほうが、特徴を感じやすいので、あえて合組しないこともある、ということです。

以上が、シングルオリジンの説明になります。
播磨屋茶舗にもシングルオリジンのお茶がありますので、ご興味ある方はぜひ本店にお越しください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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