見出し画像

にゅるり/関西シクロクロス 堺

 にゅるり。

 と、後輪から伝わる嫌ァな感覚。落車まではしなかったけど、バランス取りなおすのに完全にストップ。たくさんの選手にひょいひょいかわされる。というか、コーナーの一番良いライン塞いでごめんなさい。それが1周目スタートしてしばらくしてからのこと。

 スタートは良かったのである。

 関西では今年初めての1列目。MCがらぱさんに「緊張してますね」とスピーカーを通じて指摘されるのも、その通りでうれしい。今シーズン中盤からスタートの仕方を少し変えていて、クリートキャッチの失敗はなくなった。それもあってパッと飛び出す。右と左から1人ずつ前に行ったのに続いて3番手でインを空けないようギチギチで回っていく。

 そんなスタートの緊張がふっと緩んだ時に、にゅるり、である。

 芝の高速コースだしなぁと安易に考えて、前日にタイヤをセンターが完全にすり減ってセンタースリック、サイドノブつきにした自家製プロトタイプが裏目もいいとこ。前夜降った小雨、凍ってた路面が緩んでゆるゆるの土にぜんぜんグリップしなかった。

 あ〜あ。

 横から園田選手が「落ち着いて」と、ものすごく穏やかで落ち着いた声をかけてくれながら抜いていった。いつもドタバタする俺に対して、常に穏やかで堅実に走ってはるベテラン選手。久しぶりに同じ組だったので絡んでレースをしたかったのだけれど。スタートラインで熱いお茶をいただきそれがたいそう美味しかったのだけれど。そしてそのまま園田選手は優勝!おめでとうございます!だけれど。

 にゅるり、である。

 その後はゆるんだ土の出ているコーナーはにゅるにゅる後輪が流れるので慎重に、産まれたての子鹿のように、まだ芝のギリギリ残っているラインを縫っていく。ので非常に遅い。チームメイト和尚に試走時にもらったアドバイスも、パーである。ごめん。

 今日はだいぶ後ろからスタートだったはず番長も、前にいる。これは俺が悪いだけじゃなく番長のスタートがさすが、なんだけど。

 あちこちで、応援の声が聞こえる。ほんとにありがたい。のだが、答えられなくて歯がゆい。

 19番。

 とコース脇から教えてくれる。つまり、次のシードギリギリの順位。こうなったらひとつでもあげて確実にしておきたい。少し前方に、イナーメジャージの選手が見える。2周ほど近くで走っている選手。コーナーや直線では向こうが速く、なぜかうまく乗れてた砂だけはこちらが速い。ということで最終周。コース終盤の3カ所ある砂で勝負をかけるべく、そこまでに離されすぎないよう必死にくらいつく。

 結構離されたけど、なんとか背中が見える位置で砂セクションに入る。

 ひとつ目。

 相手は降りて走ってる。こちらは前の周までより一枚重いギアを踏み切る。ちょっと近づいた。

 ふたつ目。

 ここは乗りやすいので差はあまり縮まらない。

 みっつ目。

 長めの砂。ここで勝負。相手も乗り切って追いつかない。けど、砂での勢いの違いがそのあとの立ち上がりに出た。ここや。と、踏み込んでラスト2コーナーをインから先行できた。

 なんとかそのままこらえて先着。ひどいレースの中でひとつ収穫。

 タラレバはないんだけれど、セッティングがうまくいっていたらどうだったか?と考えてしまう。でもまあ、みなさん色んなタラレバを背負っての結果がこれなのである。ひとつ言えるのは、タラレバを考えるべきばのは、後からじゃなくて先だな。「こうなってたら」「こういう展開になれば」みたいに。

 てなわけで次週、「芝・石・〇〇〇、アップダウンでてんてこ舞い」お楽しみに!

-----

'17-18 関西シクロクロス #8 堺 カテゴリ:C4A
18位/48人出走
写真は 安田さん、中西さん、チームメイトのツインタワーから ありがとうございます


白澤さんついに復帰


東京から盆栽さんもやってきた


YouTuberの機材はiPhone(その時撮ってはったムービー→2017-2018 関西シクロクロス第8戦堺 C2の砂場ダイジェスト

サポートありがとうございます! 次のおもろい文章という形でお返しできるようがんばりますね