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ジョグは万能なのか?/ユリカモメ70kmメモ

※個人の感想・随想です。
※ほぼ、自分用のメモであり読者への有益性を想定していません。
※読み物として楽しんでいただければ幸いですが、長いのに意味ないやんけと思っても関知しません。



姫路城マラソンから3ヶ月、最初のひと月はリカバリーやらランニング由来ではない怪我やらでのんびりであったが、ここ2ヶ月は久しぶりに元のリズムで好き勝手ジョグを積み重ねていた。月間でいうとそこそこの距離であるが一度に走る距離は30kmを超えたことがない。そう、ショート(?)ジョグをこまごまやるのが好みなのだ。

早くに申し込んではいたものの出走するぞと決めたのは、家やら仕事やらの予定の兼ね合いもあり2週間ほど前。というわけで過去2度のレースよりも明らかに気合いやら準備やらが足りない。まだレース3本目なのにアカン方の慣れを発動しておる。

少しは気持ちも盛り上げようと、数日前にこんなポストをした。

①はチェルさんのこと。②が俺のこと。
STRAVAを覗いてみると週間の運動時間が15時間前後でほぼ同じで面白いなと思ったのだ。ただ内容が全然違う。自転車とのクロストレーニングありでランは練習(50km超えるようなロング)中心なのと、延々ショートジョグを繰り返しているのと。かつ、走力でいうとほとんど同じマラソンタイム。

ウルトラだしレースの中のレースってわけでもないし、こうやって比較するのも失礼な気もしたが、半分は興味として、半分は面白そうだから、煽った上でそれぞれがそれぞれのレースになればいいなと思っていた。

というわけで、タイトルである。距離は短くてもターゲットに合わせた負荷の練習を積んでいる方がよいのか、それとも、距離さえ伸びるのであればジョグだけで良いのか。さて、どっち?


近場のレースは良い。朝普通に起きて、普通に準備して会場に向かうだけ。朝食の時間がレース2時間前になってしまったので、軽めのお茶漬け一杯にして、あとはゼリー類を2個移動しながら摂った。体調はベストって感じではない。寝たわりに爽快感がなく重い。お酒も2日しか抜かなかったしな。あと3日前に背中を痛めていたのも不安材料(駆け込みで診てもらったところ"ぎっくり背中"ではなく肋間筋ぽいのでそこまで支障になるものではないとのことだったけど)。

ベスくんに隠し撮りされていた 何で笑ってるんやろか?

ついてウェアを整えていると、ベスくんが現れた。気楽にすごしたい時間だったので雑談できてとてもありがたかった。チェルさんはキロ4分50秒か5分くらいで押していくつもりらしいですよーとか、こちらはロングもしてないし、100kmでサブ9目指すくらいの5分15秒くらいでいこうと思ってますーとか、そんなようなこと。ペースについて、実際この時はそんなつもりだった。ただまあ、いつもながら、気分優先でペースを上げてしまうことは織り込み済み。

ウェアは、半袖襟付きシャツ(MTB用)にアームカバー、ダックビルハットにメッシュ布を耳前まで二等兵的に自作でつけたもの、足捌きが楽ないつものポリの軽いパンツにした。前日くらいまではノースリで走るつもりだったが、あまりにも暑熱馴化できていない状態で、直射日光を浴び続けながら走るよりも防いだ方がダメージが少ないのではないか、と考えて変更した。足元は履きなれたサンダル、LUNAのLeadville Trailにした。やや派手すねとベスくんに言われるが、スタイル優先ではなく機能優先でのチョイスである。

機能優先のチョイス

補給は水分はエイドを当てにして、食事は持つことにした。nakedバンドを巻いて、セブン黒糖わらびを10本、カバヤの塩分チャージを5粒、セブンすっぱい梅干し一袋を左右に分けていれる。後ろは貴重品預けに入れ忘れたスマホとミニワセリン。コップ代わりにSimple Hydrationを腰に刺す。

のんびりとした集合から、のんびりと黒糖わらびを1本食べて、のんびりとしたスタート。

片道7km往復14kmの河川敷を上って下りてを5周回、合計70kmの始まりである。
スタートはついつい隙間を見つけて上げてしまう。ゆっくり入ろうと心がけていたがゆっくりすぎるのもストレスだし、、、1kmほど走って少しばらけはじめた。時計を見るとキロ4分50秒くらいのペースになっている。10秒くらい先にチェル選手が見える。やっぱり良いペースで入ってはる。しかし、周りに比べてもひときわ黒い。

頑張れば追いつけるが、がんばらない。まだ515くらいまで落とすかなーどうしようかなーとかうだうだ考えていた。そこから30分ほど、少し先にチェル選手の背中を見ながら余裕を持てている感じの"早めのジョグ"で進む。ちょうど4分50秒くらいなので、今日はこれでどこまで押せるかだな、と腹をくくる。

上流1回目の折り返し。2本目の黒糖わらび。今回は7kmおきに1本黒糖わらびを摂る計画。すぐにエイドがあったのでポカリをボトルに入れてもらう。直後にチェル選手に追いつき、並走開始。おしゃべりジョグにしてはペースは速めだが、あれこれ話して気を紛らわせながら走れると楽だった。このままのペースでどこまでいけるかなーとか、補給どうするのーとか、本日の話題から、疲労骨折こわいねーとか、オンタケの装備どうしようーとかまで。

下流向きに走る時は、太陽が正面に来るのでシャツのボタンを上の方まで留めた。ちょうど向かい風も吹いていて暑すぎない。上流向きに走るときは、追い風で体感無風になり暑くなるので。見苦しくない程度にシャツのボタンを開けて排熱を意識した。たぶんシャツというチョイスはかなり良かったと思う。袖部分やアームカバーも暑すぎる感覚はなかったので、日除け効果の方が勝っていたと思う。

前半のチェル選手 黒いがこの後ますます黒くなる

こちらは排水タイムがあったり、お互い補給の考え方やリズムが違ったりで、多少の前後はあったものの並走が3周回目終了くらいまで続いていた。その手前くらいからちょっとずつこちらは息が上がってくるのと頭に熱が籠るのを感じ始めていた。ちょっと息くるしなり始めてそうやねと言われたり、そうなんよーとか言うたり、チェルさん余裕ですやん、いやだいたいクル時は心肺やなくて脚からやしなんか最初から腿裏があかんねんとか、会話していたような記憶。

給水はポカリをもらい、わりと多めに飲んでいたが、どうにも発汗量排熱量が追いつかない。その上ちょっと胃もチャポチャポ言うてる。ということで、ちょっと考え方を切り替えて、エイドでもらう水分を水にして、ちびちび口に含みながら、ちびちび頭頂部からこまめかけて水冷することにした。

この水冷が効いた。一瞬も冷やっとしてシャキッとするし、自作のメッシュ二等兵がなんか水を含むとシャラシャラ音が鳴っている気がする。日除けと風通しとのバランスも良く、暑さからくるダメージが減った。

しかしペースの限界はちょうど50kmでやってきた。足が出なくなってくる。症状はマラソンでラスト垂れた時とほぼ同じ感じ。ここまで平均キロ4分50秒、遅いラップでも5分は切っていたのが、始めて5分を超えた。時計表示の現在ペースが5分台を示すようになってきた。あとはなだらかではあるがしかし確実な弧を描いてペースが落ちていき、キロ6分くらいになるころ、ゴールに辿り着いた。

5時間53分32秒。

ラスト20kmで垂れてヨレヨレだったとはいえ、結果だけみれば上出来すぎる数字である。(しかし毎回この「後半ダメだったけど結果まあヨシ」であることよ...)

余韻に浸っていると、チェル選手も帰ってきた。50kmすぎて腿裏が攣り、そのまま騙し騙し走りきりはったとのことだった。

チェルさんゴール 動くブロンズ像のようである

さて、n=1のこの結果だけ見ると、同じ時間の運動をするなら、クロスしたりロングしたりすることなく、淡々とジョグを積み重ねた方が良かったということになる。

めでたしめでたし。さあ、これからはみんなジョグするように!


しかし、ことはそう単純でもない。俺も結局は残り20kmで垂れている。両者種類の違う垂れ方をして、その程度に差があったというだけなのだ。そしてレース後の感想戦を振り返ると、どうやら暑さ対策が大きかったのではないか、と考えている。

ノースリのチェルさんはスタート時からずば抜けて黒かったが、レース後半はさらに黒々さを増し、ついには動き出したブロンズ像(大道芸であるやつ)みたいな青光りさえ帯びていた。これはそれだけ日光のダメージがあったということ。さらに聞けばやや頭痛もあったという。考えてみるとデポ+コップでの水分補給で十分に水分補給ができていなかったのかもしれない。掛け水もエイドにあるものだった。対してこちらはボトルを持ってこまめで十分な水分補給と掛け水ができていた。日除けもできていた。暑熱馴化がまだできていない段階においては、この差が大きかったのではないか。

というわけで、タイトルに対する答えは玉虫色である。見たい色を見れば良い。ちなみに俺は、このあとできればちょっとくらいは適応したロング練できたらいいなー気が向くかなーどうかなーと考えている。


さらに以下はここまで以上に個人的なメモ。
ゴールで無料マッサージサービスなる神サービスを受けた。一般社団法人全国柔整鍼灸協会の皆さんのボランティアとのことでありがたい!! 整えてもらったので翌日以降に残る疲労が軽くなったし、激しく疲労した状態がどうなっているのか教えてもらえたので今後につながった。

・上半身よりも下半身ばっかり疲労が強い
・左の腹筋がガッチガチ 腸腰筋が弱く腹筋を使って走っている
・上半身が左前に歪み、右腰が落ちている
・左ハムだけ奇跡的に良い状態
・かと思ったら右ハムは良くなくて使えてない分大腿筋使って走っている
・前脛骨筋もけっこう固まっている(ここはいままでほぼ疲労を感じたことのない場所。この距離ペースをサンダルで走ると来るんだろう)
・ふくらはぎや足裏もやっぱりガッチガチ

というわけで、、、まあ、そら70kmヘロヘロになって走ってんからそらそやろ、と思うものの、左右バランスと、上半身をどう使うかという課題が見えたのである。

あと、糖分水分の補給も筋疲労への影響が大きいから足りなかったのかも、とも。今回の補給食は結局黒糖わらび8本(1040kcal、175kcal/1hr)+ポカリでけっこうお腹張りっぱなしだったので、オンタケを考えるともう少し濃い糖分の補給も考えた方がよいのかもしれない。スピードが落ちればもっと固形のものも食べられるし。


ウェアギア類でいうと、半袖シャツは良かったものの、暑熱馴化できてくればノースリの方がいいやってなるかも。ハットに二等兵アタッチメントはありだな。あとnakedバンドは800gくらいのものが詰まると後半やや違和感ありではあった。何かもうちょっと安定させる工夫、アタリを減らす工夫は必要かもしれない。


ゴールしてチェルさんと お互い暑い中がんばりました!

最後に、半信半疑で乗っかってみたけど、思ったよりもぜんぜん面白かったし次につながるレースだったよ、お誘いありがとうチェルさん。

サポートありがとうございます! 次のおもろい文章という形でお返しできるようがんばりますね