追記 ロストバレットの確率論
前回、結論として「ネストボールをアクロマの結果を見てから使い方を考えられるためアクロマを先打ちする方が確率が高い」としましたが、その後考えててほんまかいな?と思ったのでもうちょっとちゃんと検証してみました。
前回は検証条件を以下のように設定しました。
50枚の山札の中に当たり札は1枚
山札を上から5枚見ることができる
山札の中に追加で2枚見ることができるカードがあり、これは好きな時に持ってくることができる
5枚見た中に追加で引けるカードがあった場合は、その権利は目的のカードを引くために使える
これだと当たり札が1枚しかないので、さきに5枚見る(アクロマを使う)方が確率よくなるに決まってると思ったので、条件をもうちょっと現実に近づけるために
50枚の山札の中に当たり札は1枚
という条件を
50枚の中に当たり札は2枚で、2枚とも引いてこなければならない
という条件に変えました。その他は前回と同じです。
計算方法もちょっと詳しく書いていきます。
先に5枚見る場合
5枚取ってくるパターンは次の6通りの場合があります、以下当たり札をキュワワー、追加で2枚引ける札をゲッコウガとします。
①キュワワー0枚、ゲッコウガ0枚、その他の札5枚
②キュワワー1枚、ゲッコウガ0枚、その他の札4枚
③キュワワー2枚、ゲッコウガ0枚、その他の札3枚
④キュワワー0枚、ゲッコウガ1枚、その他の札4枚
⑤キュワワー1枚、ゲッコウガ1枚、その他の札3枚
⑥キュワワー2枚、ゲッコウガ1枚、その他の札2枚
それぞれの発生確率は次のように計算できます。
それぞれの事象が発生する場合の数/全体の場合の数
全体の場合の数は共通で、種類関係なく50枚の札から5枚を引いてくる場合の数なので
₅₀C₅=2,118,760
となります、これがそれぞれの分母となります。
次に、それぞれの事象が発生する場合の数です。
やり方は、「キュワワーの山」、「ゲッコウガの山」、「その他の札(47枚)の山」に分けて、それぞれの山から引いてくる枚数ごとに場合の数を出し、それを掛け合わせます。
①の場合でいえば
キュワワーの山から0枚
ゲッコウガの山から0枚
その他の山から5枚
引いてくることになります。これを図解するとこんな感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1711416307489-CdSg9K9hqK.png?width=1200)
0枚引いてくる(引いてこない)場合は1パターンなので省略してしまう場合も多いのですが、今回はわかりやすくするためにあえて記載しています。
以下、②~⑥のパターンの図解です。
![](https://assets.st-note.com/img/1711416438295-AtdWhsvS42.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711416458699-rEYUgz2aEO.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711416487911-fVyLVcBRgF.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711416511415-LPxPy9DJPo.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711416536923-56G6CfCc9F.png?width=1200)
これを表にまとめるとこうなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1711416705011-EOhmWHf1ps.png)
このような場合の数、確率の問題で間違いを圧倒的に減らす方法は、計算をしたときに①~⑥の場合の数の合計が全体の場合の数(今回の場合₅₀C₅)と一致しているかを確認することです。
それが一致していなければどこか抜けている条件や計算の間違いがあるので見直しする必要があります。今回私が計算した時も始め合計値が一致せず、1か所計算式に間違いがあることを発見しました。
次に①~⑥のパターンについて、追加で2枚引けるオプションを行使して、目的を達成できる確率を計算します。それぞれの場合で目標を達成できる条件は
①追加で2枚引いて、2枚とも当たり札を引ける
②追加で2枚引いて、2枚のうちどちらかが当たり札
③既に2枚あるので条件達成
④追加で2枚引いて、1枚以上が当たり札(ゲッコウガを持ってくるオプションを当たり札に行使できるため)
⑤オプションを当たり札に行使できるので条件達成
⑥既に2枚あるので条件達成
それぞれのパターンで条件を達成できる確率を考え方は同じなので式だけ書きます。
①₂C₂×₄₂C₀/₄₄C₂
②₁C₁×₄₃C₁/₄₄C₂
③100%
④(₂C₂×₄₂C₀+₂C₁×₄₂C₁)/₄₄C₂
⑤100%
⑥100%
それぞれのパターンの発生確率と、それぞれのパターンでの目的を達成できる確率を掛け合わせてまとめると次のようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711419900552-jladK1u87e.png?width=1200)
合計3.9%が目的を達成できる確率となります。
先にかくしふだを打つ場合
次に、2枚引けるオプションを先に行使する場合を考えます。
その時に起こりうるパターンは次の通りです。
①キュワワー0枚、その他の47枚から2枚
②キュワワー1枚、その他の47枚から1枚
③キュワワー2枚、その他の47枚から0枚
それぞれの場合の数は以下の通りです
①₂C₀×₄₇C₂
②₂C₁×₄₇C₁
③₂C₂×₄₇C₀
分母は₄₉C₂なので、まとめると次のようになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1711420579454-HtVrEhAiLf.png)
それぞれのパターンで、5枚を引いたときに目的を達成できる条件は次のようになります。
①5枚の中に当たり札が2枚ともある
②5枚の中に当たり札が1枚ある
③既に2枚あるので目的達成
それぞれのパターンで目的を達成できる確率は次のようになります。
①₂C₂×₄₅C₃/₄₇C₅
②₁C₁×₄₆C₄/₄₇C₅
③100%
これを同様にまとめると次のようになりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711421032075-1EHvT6UidV.png?width=1200)
2倍以上とけっこうな差が付きましたね、やはりネストボールを後打ちできる、ということのメリットが大きいようです。
これが手札にあるのがネストボールではなくゲッコウガ本体だったらどちらを先に使う方がメリットが大きいかの差は小さくなるように思います。
気が向いたらこちらも検証するかも知れません。
まだほんまかいな?と思っているところもあるので、見逃している条件などあったら教えてくれるとありがたいです。
最後に
こんな記事を出していると、特に悪気はないのでしょうがジュニア(シニア?)の人にこんなこと言われたことあります。
「別に数学できたってポケカ強くなるわけでもないやん」
はい、その通りです、私もそう思います。
むしろ逆です、ポケカ強い(好き)な人が勉強できないわけがないです。
これだけ多岐のパターン認識を短時間に行って最適解を導ける論理的思考を持った人が数学できないわけないし、複雑なテキストを読み解いて正確にプレイする読解力のある人が現代文ができないわけはないです。
そして数学と現代文ができれば他の教科ができないわけはないです。
できないとすれば単なる努力不足です。
ということで、特に子供たち、ポケカもいいけど勉強もしましょう。
勉強も真剣にやると楽しいですよ。
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