話題のゲームストップ(GME)ってどんな会社？？

■はじめに

こんにちは。米国株投資家のhariboo（ハリボー）です。

今回銘柄分析したいのは、今話題も話題！相場を大きく動かしている先導銘柄ゲームストップ（GME）についてです！

新聞やSNS等で見ない日はないゲームストップという企業。1日で倍になったと思ったら暴落したり、また暴騰したりと連日大相場を形成していますよね。

そんな話をこの前知り合いに「ゲームストップって知ってるか〜？今すごいんだぜ！！」と半ばドヤ気味に話したところ、知り合いから「へぇ〜すごいんだね。ちなみにそれってどんな会社？」と聞かれ、「ゲームの会社だよ（よくよく考えてみたらどんな会社か全然知らねぇよ）」と社名から誰でもわかる回答しかできず、その場をふわっと取り繕うことしかできませんでした。

そこで、今回はゲームストップについてどんな会社なのか、個人的な興味本位で調べてみようと思います。

本記事も有料としていますが、記事全文無料で読むことが可能です。

もし、読んでいただいて「参考になったよ！」、「haribooありがとう！」なんて方がいらっしゃいましたら、購読・サポートいただければ励みなります…
それでは、早速確認していきます！

■ゲームストップについて

(1)企業概要

そもそもゲームストップってどんな会社？？って方もいると思うので、まずは事業内容や会社について見ていきます。

ゲームストップ（GameStop、NYSE: GME）はアメリカ合衆国テキサス州グレープバイン（英語版）に本社を置く世界最大のコンピュータゲーム（en:Video game）小売店。2012年時点でアメリカ、カナダ、オーストラリア、オーストリア、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、プエルトリコ、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス（G.B.)に約6700店舗展開。また、世界最大のゲーム雑誌「Game informer」の出版も行っている。

早速知らないことが出てきました。
ゲームストップって世界最大のゲーム小売店なんですね！ゲーム雑誌でも世界最大。
しかも店舗は世界に展開されており、世界に6700店舗展開って多いですね。
さすがに、世界展開とは言っても日本には展開してないようです。通りで見たことないですよね。

余談ですが、アップルの「Apple Store」は全世界に511店舗（米国271、海外240店舗）展開ですからそれよりもっと販売網は広いわけです。

またYahooファイナンスの企業概要では以下のように紹介されています。

ゲームストップは米国の大手ゲームソフト企業。主に新品・中古のビデオゲーム機器・ソフト、ゲーム関連商品、スマートフォンなどを扱う。オンラインストア「GameStop.com」、「buymytronics.com」、ゲームサイト「kongregate.com」を運営する。米国、カナダ、欧州で店舗を展開する。本社はテキサス州グレープバイン。

ゲームストップ【GME】：企業情報/株価 - Yahoo!ファイナンス

実際のゲームストップの店舗写真見ると日本でも見る、ゲーム屋さんって感じですね。


ティッカー　 GME
業種　小売
設立　1984年
上場　1988年
本社　テキサス州グレープバイン
主要人物　R. Richard Fontaine(国際取締役)
Daniel DeMatteo(取締役会長)
J. Paul Raines(CEO)

■業務内容

GameStopは2つの事業セグメントに分かれています。

(1)Technology Brands セグメント

Technology Brands セグメントは 2013 年第 4 四半期に設立され、Simply Mac、Spring Mobile、および Cricket Wireless の各企業が含まれています。
2014年4月現在、Technology Brandsセグメントには218の小売店が含まれています。

(2)Video Game Brandsセグメント

GameStopのVideo Game Brandsセグメントには、ビデオゲームおよび家電の小売店、デジタルビデオゲームの配信サイトKongregate、家電マーケットプレイスBUYMYTRONICS.COMなど、同社のその他の事業が含まれています。2014年2月期のGameStopの売上総収入のうち、中古ビデオゲームとバリュービデオゲームが47%を占めています。

カリフォルニア州サンブルーノにあるGameStopのゲームキューブ用中古ゲームラック

■自社ブランドとコンセプト

(1)ゲームインフォーマー

Game Informer は GameStop, Inc.が所有する雑誌で、主に GameStop の店舗で購入できる定期購読で販売されています。これにより、すべての店舗クレジットの取引価値が 10% 増加し、中古のアクセサリーやゲームがすべて 10% 割引され、PowerUp の新規会員には、中古ゲームやアクセサリーの「Buy 2 Get 1 Free」クーポンが付与され、購入ごとに Epic Rewards Giveaway に 2 回参加することができます。

(2)ゲームストップPC

GameStop PC Downloads（旧称Impulse）は、GameStopが運営するデジタル配信サービスです。Stardockが所有していた頃はImpulseとして知られていましたが、2011年にGameStopに売却され、GameStop PC Downloadsとしてリブランドされ、ImpulseのクライアントはGameStop Appに変更されました。GameStopの所有下では、サービスのデザインを一新し、Steamなど他のプラットフォームを利用したゲームを販売する一方で、独自のDRMソリューションImpulse:Reactorを利用したゲームも販売しています。

(3)トレードイン

GameStopは、顧客の不要なビデオゲーム、アクセサリー、ハイテク製品と引き換えに、現金またはトレードクレジットのいずれかを顧客に提供しています。中古ゲーム・エレクトロニクス市場はGameStopの収益の重要な部分を占めており（2013年の売上高の25%で売上総利益の44%）、新品のゲーム販売の2倍の売上総利益率（2016年第3四半期では46.4%）を提供しているため、店舗の従業員は新品よりも中古ゲームの販売に押されています。
一部のビデオゲーム開発者やパブリッシャーは、中古ゲームの販売から収益の一部を受け取らないことから、GameStopの慣行を批判しています。GameStop は 2009 年にこのような批判に応え、ゲームの下取りによって発生したストアクレジットの 70% を中古ではなく新品のゲームの購入に使用し、年間 20 億ドル近くの収益を上げていると発表しました。

2010年、サンフランシスコのGameStopの店内

(4)ゲームストップTV

GameStop TVは、GameStopがPlaywire Media, Inc.と提携して運営するインストア・テレビ・ネットワークであり、日本以外の地域でも販売されています。
GameStop TVでは、GameStopの店舗で買い物をする消費者に向けた番組を放送しています。毎月、近日発売予定のビデオゲームに関するコンテンツセグメント、開発者の独占インタビュー、製品のデモンストレーションなどを放送しています。

(5)予約ボーナス

ゲームパブリッシャーは、プレイヤーがゲームを予約した場合にのみ利用可能な、ゲーム内または物理的な限定ボーナスを含めることで、より多くの予約注文を獲得するようになっています。ボーナスには通常、専用キャラクター、武器、マップなどのエクストラが含まれます。例えば、GameStopでは、2010年11月に発売された『コール オブ デューティ ブラックオプス』の追加アバターコスチュームや、『メトロイド』の絵入りアートフォリオなどが含まれています。また、サウンドトラック、アートブック、ぬいぐるみ、フィギュア、ポスター、Tシャツなども特別ボーナスとして用意されています。

(6)ムービーストップ

GameStopは2004年にMovieStopを新規および中古映画に特化したスタンドアローンの店舗として設立しました。
40以上の店舗が開設され、通常はGameStopの店舗に隣接または隣接していました。 GameStopは2012年にMovieStopを個人所有者に分社化。
2014年11月には、Hastings Entertainmentも所有するマーチャンダイジング・エグゼクティブのJoel Weinshankerが支配する会社であるDraw Another Circle LLCがMovieStopを買収。 同チェーンは2016年に閉鎖。

2018年にアラバマ州モービルにシャッターを切ったMovieStopストアとGameStopストア

(7)ゲームストップ・キッズ

2012年10月、ダラスのグレープバインミルズで、GameStopは新しい店舗コンセプト「GameStop Kids」を導入しました。このブランドは子供向けの商品に焦点を当てており、ESRBで「Everyone」と評価されたゲームだけでなく、この層をターゲットにした人気フランチャイズの商品を取り扱っていました。ホリデーショッピングシーズンに向けて、80のモールにポップアップストアとして出店しました。

(8)GameTrust Games

2016年1月、GameStopはInsomniac Gamesの2016年タイトル『Song of the Deep』で提携したことを発表しました。GameStop幹部のMark Stanley氏は、このコンセプトはチェーンがプレイヤーとより直接的なコミュニケーションを取れるようにするためのものであり、今回の提携が成功すれば他のデベロッパーとの同様の配信契約にも拡大していくことを期待していると述べています。
その後、2016年4月にはGameStopが中堅デベロッパー向けのパブリッシャーとしての役割を果たすため、GameTrust Gamesのパブリッシング部門を正式に社内に設立することを発表しました。Insomniac Gamesに加え、GameTrust GamesはReady At Dawn、Tequila Works、Frozenbyteと協力し、2016年末までに出版するタイトルをさらに準備していることを発表した。

(9)シンプリーマック

2012年10月、GameStopはソルトレイクシティを拠点とするApple正規販売店・修理業者のSimply Macの49.9%の少数株主持分を取得しました。Simply Macは2006年にソルトレイクシティで設立されました。GameStopは2013年11月、保有していなかった残りの50.1％を取得。GameStopは、車での移動に適した距離に既存のApple Storeが存在しない、やや小規模な市場にSimply Macの新規出店の可能性のある地域をターゲットにしました。

2017年1月、GameStopはSimply Macの大量の店舗を閉鎖。同チェーンは発表時点で70カ所もの拠点を有していました。
閉鎖後、最近空き店舗となったSimply Macの数カ所は、姉妹会社のThinkGeekに取って代わられました。

2019年にニューヨークにGameStopとThinkGeekが合体した店舗がオープン

■歴史

ゲームストップという会社がどのように誕生して今日に至るかを確認したいと思います。
設立は1984年と、今から37年前に設立されたアメリカの企業になります。

ここから先はかなり長くなりますので、ご興味ある方はご覧ください。

(1)Babbage’s時代 (1984 - 1994)

ゲームストップ社の歴史を起源までさかのぼると、1984年にJames McCurryおよびGary M. Kusinというハーバード・ビジネス・スクールの同級生2名によってテキサス州ダラスで設立されたBabbage’s（バベッジズ社）にたどりつく。この社名はチャールズ・バベッジ（※）から採られており、 早い段階でロス・ペローからの出資を得て、第一号店は同氏の助力でノースパークセンターというダラスのショッピングモールに出店された。Babbage’s社はまずは当時一番流行していたゲーム機であるAtari 2600を売ることに力を集中させ、1987年にはニンテンドーのゲームを売り始めた。 そして1988年には株式公開を成し遂げた。 1991年には当社の売上の三分の二はコンピュータゲームになっていた。

※チャールズ・バベッジ
1791/12/26生誕-1871/10/18死没（79歳死没）。イギリスの数学者。哲学者、計算機科学者でもあり、世界で初めて「プログラム可能」な計算機を考案した人物。検眼鏡の発明者。「コンピューターの父」とも言われる。

5.25 "フロッピーディスクに小売業者Software,etc.のロゴが入っています。

(2)ネオスターリテールグループ（1994年～1996年)

Babbage’s は、1994 年にミネソタ州エディナを拠点とするパーソナル・コンピューティング・ソフトウェアを専門とする小売業者である Software Etc と合併し、NeoStar Retail Group を設立しました。 合併は、Babbage’s と Software Etc の株主が、新たに設立された持株会社である NeoStar の株式を受け取るという、株式交換の構造になっていた。Babbage’s と Software Etc. は NeoStar の独立した子会社として運営を続け、それぞれの経営陣は維持された。社長のDaniel DeMatteoはそれぞれの肩書きを維持した。Software Etcの会長であるLeonard RiggioはNeoStarの執行委員会の会長に就任した。

ゲイリー・クーシンは1995年2月、化粧品会社を立ち上げるためにバベッジの社長を辞任した。ダニエル・デマットー（Daniel DeMatteo）は、元Software Etcの社長であり、Kusinの職務を引き継ぎ、NeoStarの社長兼最高執行責任者に昇格した。NeoStarの会長であるJames McCurryも、新たに設立されたNeoStarのCEOに任命された。 会社はその年の後半にダラスの本社からグレープバインに移転した。

NeoStarは、売上が減少する中、1996年5月にBabbage’sとSoftware Etc.の2つのユニットを1つの組織に統合した。その年の9月、NeoStarはホリデーシーズンに必要な在庫を購入するために必要な信用を確保できず、連邦破産法第11条の適用を申請した。 この申請により、NeoStarの取締役会メンバーであるトーマス・G・プラスケットが会長に就任し、ジェームズ・マッカリーは最高経営責任者兼社長にとどまった。

しかし、経営陣の交代は十分ではなく、1996年11月、NeoStarの資産は、Software Etcの創業者であり、Barnes & Nobleの会長兼主要株主であったLeonard Riggioによって、5850万ドルで買収された。エレクトロニック・ブティック社もNeoStarを買収しようと入札していたが、NeoStarの破産裁判長は、エレクトロニック・ブティック社の入札よりも108店舗の営業を維持していたとして、リッジョ氏の入札を受け入れた。約200店の小売店は取引に含まれず、その後閉鎖された。

ゲームストップは一回1996年に破産している企業なんですね。

(3)バベッジ（1996–1999）

Leonard RiggioはNeoStarの資産を購入した後、持ち株会社を解散し、Babbage’s Etcという新しい持ち株会社を設立しました。3年後の1999年には、Babbage’s Etc.はストリップモールに30店舗を構えるGameStopブランドを立ち上げた。また、同社は、消費者がオンラインでビデオゲームを購入できるウェブサイト「gameestop.com」を開設した。GameStop.comはBabbage’sとSoftware Etc.の店舗で宣伝された。

(4)バーンズ＆ノーブル書店、ゲームストップの上場（1999年～2004年)

Barnes & Noble Booksellersは1999年10月にBabbage’s Etc.を2億1500万ドルで買収した。Babbage’s Etc.はBarnes & Nobleの会長兼主要株主であったLeonard Riggioが主に所有していたため、Barnes & Noble Booksellersの独立取締役で構成される特別委員会が取引を評価し、署名した。
数ヶ月後の2000年5月、Barnes & Nobleはミネソタ州エデンプレーリーに拠点を置くビデオゲーム小売業者であるFuncoを1億6,000万ドルで買収した。それまでBarnes & Nobleの直接子会社として運営していたBabbage’s Etc.はFuncoの完全子会社となった。
Funco（別名FuncoLand）の買収に伴い、Barnes & Nobleは1991年に創刊されたビデオゲーム雑誌Game Informerも買収した。 Funcoは2000年12月にGameStop, Inc.に社名を変更し、同社の新規株式公開を見込んでいた。

Barnes & Noble Booksellersは、2002年2月にニューヨーク証券取引所でGameStopの株式を新規公開した。
GameStopはティッカーシンボルGMEの下に上場した。 Barnes & Nobleは、発行済み株式の67%と議決権株式の95%を保有し、新たに公開された会社の支配権を保持した。バーンズ＆ノーブルは2004年10月までGameStopの支配権を保持しており、その59%の株式をバーンズ＆ノーブルの利害関係者に分配し、独立した会社とした。

(5)GameStopの成功の年（2004年～2016年）

GameStopは2005年にEB Games（旧Electronics Boutique）を14.4億ドルで買収した。この買収により、GameStopの事業はヨーロッパ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに拡大した。
2年後の2007年には、GameStopはBlockbusterからRhino Video Gamesを未公開の金額で買収した。Rhino Video Gamesは米国南東部で70のビデオゲームストアを運営していた。

　2006年、Wiiを購入するためにGameStopの店の外に並んだ客たち

GameStopは2008年4月にFree Record Shopのノルウェーの店舗を買収した。同社は49店舗を買収し、ビデオゲームショップに転換した。
2008年8月、GameStopのCEOにはRichard Fontaine氏の後任としてDaniel DeMatteo氏が就任した。DeMatteoは1996年から同社のCOOを務めていた。1996年からGameStopの会長兼CEOを務めていたFontaine氏は、引き続き同社の会長を務めた。 9月には、Home Depotの元副社長であるJ. Paul Raines氏が同社のCOOに就任した。
GameStopは2008年10月、フランスのビデオゲーム小売業者であるMicromaniaを7億ドルで買収した。それまでフランスでは店舗を所有していなかったGameStopは、フランスのビデオゲーム店舗を332店舗持つようになった。 また、2009年11月にはアイルランドのブラウザベースのゲームスタジオであるJolt Online Gamingの株式の過半数を取得した。Joltは2012年に閉店した。

J. Paul Rainesは2010年6月にGameStopのCEOに就任した。 ダニエル・デマッテオの後任として同社のエグゼクティブ・チェアマンに就任した。 2012年にCEOを務める間、GameStopのデジタル収益は2011年の1億9000万ドルから2012年には6億ドルを超えるまでに成長した。

GameStopは、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くブラウザベースのゲームサイトKongregateを買収したが、取引条件は明らかにされていない。

GameStopは2011年にSpawn LabsとImpulseを別々の取引で買収した。Spawn Labsは、ユーザーが自分のパソコンやコンソールではなく、データセンター内のマシンでリモートで実行されるビデオゲームをプレイできるようにする技術を開発していた。Impulseはデジタル配信とマルチプレイヤーゲームプラットフォームであった。 GameStopは2014年にSpawn Labsを閉鎖した。

GameStopは2012年にコロラド州デンバーに拠点を置く家電のオンラインマーケットプレイスであるBuyMyTronicsを買収した。
その後、同年、ユタ州に拠点を置くAppleの正規販売代理店であるSimply Macの少数株主持分を取得した。 GameStopは2013年11月にSimply Macの残りの50.1%の持分を取得した。
GameStopはまた、2013年11月にユタ州ソルトレイクシティに拠点を置くAT&Tブランドの無線サービスの小売業者であるSpring Mobileを買収した。
同様に2015年2月26日時点で163店舗のRadioShackも取得している。
政府税の税率上昇を理由に、2016年3月末にプエルトリコのGameStopの全店舗を閉鎖している。
2016年8月3日には、ビデオゲーム市場への依存度を下げ、新規事業への多角化を図る計画で、507店舗のAT&Tストアチェーンを買収した。

2014年コネチカット州マンチェスターにある店舗

(6)減少（2016年〜2017年）

ゲームのデジタル版をダウンロードできるXbox Live、PlayStation Network、Nintendo eShop、Steamなどのオンラインサービスが足がかりとなって以来、物理ゲームメディアの市場は衰退の一途をたどっている。
新品・中古ソフトウェアに長く根ざしたビジネスを展開してきたGameStopも、市場の変化の影響を感じ始めている。
2017年、GameStopは2016年のホリデーシーズンの売上高が16.4%減少したと報告したが、非物理的なゲーム事業については楽観的な見方を表明している。売上高減少の理由として挙げられたのは、業界の弱さ、プロモーション価格の圧力、店舗内のトラフィックの減少などである。

2017年2月、GameStopが小売店の全従業員に「Circle of Life」と呼ばれるプログラムを実施していたことが明らかになった。このポリシー自体は、各従業員が売上の一定割合を予約注文、特典カード、中古ゲーム、または顧客にゲームを下取りしてもらうことができるようにするためのものだった。
このポリシーの発覚を受けて、現在および元従業員を含む多くのGameStop従業員が、このポリシーが顧客に嘘をつくことにつながったという体験談を持ち出しました。さらに多くの従業員は、この方針が劣悪な労働条件や精神的苦痛につながったと主張する。
その後、GameStopは、店舗の強力な指標を維持するために個人のパフォーマンスを重視することは変わらず、従来の従業員個人ベースではなく、店舗全体にのみ焦点を当てるようにプログラムを変更した。

2017年にクイーンズ区ジャマイカのGameStopの店舗がシャッターを切られ、落書きされた様子

(7)金融損失（2017年〜2018年）

GameStopの株式は2016年を通して16%下落した。
2017年2月28日、MicrosoftがXbox Game Passサービスを発表したことを受けて、株式はさらに8%下落した。
これらの報道を受けて、GameStopは2017年に150以上の店舗を閉鎖し、ノンゲーム事業を拡大することを発表した。
しかし同日、GameStopは、売上高がそれぞれ44%と28%増加したため、テクノロジーブランドの店舗を65店舗、Collectiblesの店舗を35店舗新規オープンする計画であると発表した。
GameStopは2017年の営業利益が3%から10%の間で継続的に減少すると予想している。 GameStopの2月2日に終了した四半期の売上高は7.6%減の30.6億ドルとなった。アナリストは32億8000万ドルの収益を予想していた。(2018年度第4四半期は、2017年度が14週だったのに対し、13週の営業成績が含まれていた)。

Business Insiderは、GameStopがSpring Mobileへの投資を失敗に終わったと評し、Spring Mobileの買収や店舗展開に15億ドルを費やしたものの、2018年のPrime Communicationsへの売却で7億ドルの利益しか得られず、8億ドルの負債を抱えたままになっているとの試算を掲載している。

2018年6月下旬、GameStopは売却の可能性があるとの協議を確認し、ニューヨークのプライベートエクイティ会社であるSycamore Partnersが最も可能性の高い買い手となっており、2019年2月までに目標とする取引が行われると予想されていた。
しかし、2019年1月29日、GameStopは「将来の買収者が商業的に受け入れられるような条件で利用可能な資金調達が不足している」ことを理由に、同社の買い手探しを中止し、財務基盤を再構築するための他の行動を模索していると報告した。
株価はこの発表の直後に27%下落し、14年ぶりの安値を記録した。

2018年の決算ではGameStop社史上最大の損失を計上した。2019年2月2日に終了する52週の決算では、GameStop社は過去最高の純損失6億7300万ドルを計上した。
これは前年の純利益3470万ドルからの変化であった。 2018年度の売上高は前年比3％減の82億9000万ドルであった。

2018年のバージニア州キングストウーンにあるGameStopストアの内装、クリアランスで複数のアイテムが販売されている

コロナ前の2018年から大幅な赤字で大変だった会社なんですね。

(8)経営陣の変更（2018年〜2019年）

ポール・レインズ氏は2018年1月31日、GameStopに辞任を通告した。Rainesは2017年11月から療養休暇を取っていた。彼は脳腫瘍の内科的再発を患い、その後2018年3月4日に死亡した。
GameStopのエグゼクティブチェアマンであるDeMatteoが暫定CEOに就任。2018年2月6日、同社はMichael K. Maulerを新CEO兼新取締役会メンバーとして発表した。
2018年5月11日、Maulerは「一身上の都合」により辞任し、チェアマンのDan DeMatteoが暫定CEOに就任した。Maulerは退職金パッケージや離職手当を受けなかった。
2018年5月31日、GameStopはシェーン・キムを暫定CEOに指名した。キムは2019年3月にジョージ・シャーマンに交代した。
2020年3月12日、Hestia Capital Partners LPとPermit Capital Enterprise Fund LPを含む株主グループがテキサス州グレープバインの同社取締役会に「脅迫」の書簡を送り、株主代表を取締役に任命するよう促したことが発表された。

2017年マイアミのベイサイドマーケットプレイスのお店

(9)事業再生への取り組み（2019年〜2020年コロナ前）

2019年7月、GameStopは外部のデザイン会社R/GAと提携し、対戦型ゲームやレトロゲームに焦点を当てた店舗の刷新計画を打ち出し、顧客が購入前にゲームを試すことができる新しい方法を導入することになった。 各コンセプトストアは相互に排他的なものになると予想されている。

2019年7月31日に明らかになったリークメールによると、地区マネージャーや地域マネージャーを含む50名の従業員が組織再編の結果として解雇されることが示唆されていた。
その後、2019年8月にGameStopは「将来に向けて事業を変革し、業績を改善するためのGameStop Rebootイニシアチブ」の一環として、Game Informerのスタッフの約半数を含む120名以上のポジションを解雇している。

2019年8月、マイケル・バリー氏の投資会社サイオン・アセット・マネジメントはGameStopに対して、同社が自社株買いの一部に従事するよう促す書簡を送付した。同書簡では、Scionが現在、GMEの約3.05％にあたる約275万株を保有していることも明らかにしている。2019年1月下旬以降、順調に株価が下落しているGMEだが、Burry氏がBarron’sのインタビューで同株をロングで行くことを明らかにした後、約20％の急騰を見せた。インタビューの中でBurry氏は、ソニーとマイクロソフトの両方が物理ディスクドライブを搭載した次世代コンソール世代に突入するため、GameStopの寿命が延びる可能性が高いと説明している。また、同社のバランスシートは良好な状態にあると述べている。
しかし、その後、Burry は GameStop の株式の保有比率を下げた。

2019年9月に報告されたように、2019年8月期の2019年度第2四半期にアナリストの予想を下回ったことを報告した後、GameStopは、今後2年間で他の閉鎖の可能性を評価するためのメトリクスを開発するとともに、全世界にある5,700店舗のうち約180～200の不振店舗を短期的に閉鎖する計画であることを発表した。
2020年3月には、GameStopの取締役会メンバー4名（Dan DeMatteo、Gerald Szczepanski、Larry Zilavy、Steve Koonin）が退任し、事業の黒字化に向けた同社の取り組みの一環として、Reggie Fils-Aimé、Bill Simon、J.K. Symancykが後任に就任している。

コロナが起こる前から立て続けに現状打開しようと動いてましたが、そううまく行ってなかったみたいですね。世の中もゲームを買う時代からスマホアプリでサクサクっと遊ぶ時代になりましたから、旧態依然としたゲーム小売店というビジネスモデルでは通用しづらいマーケットになっていたのでしょう。

2019年の店舗内装

(10)COVID19パンデミック（2020年）

COVID-19の普及を遅らせるための政府の取り組みにより、GameStopは約3,500店舗の実店舗を2020年3月から5月まで閉鎖する必要があったが、初期の段階では多少の議論もあった。この間、GameStopはオンラインと路上販売を継続した。
シャーマンと取締役会は50％の減給を受け、他の役員は損失を相殺するために30％の減給を受けた。
デジタル販売が519%増加した一方で、小売は前年同期比で30%以上減少し、チェーンは2019年の同四半期に680万ドルの損失を計上したのに対し、1億6500万ドルの損失を計上した。しかし、2020年後半にはまだXbox Series XとPlayStation 5の発売が予定されていることから、Shermanはこれらの損失から立ち直ることができると予想していた。

2020年3月中旬、GameStopは北米でのコロナウイルスパンデミックへの対応について批判に直面し、従業員やソーシャルメディアのユーザーからは、パンデミックとそれに関連したロックダウンの間に娯楽用のビデオゲームや関連商品の購入者が殺到したことを利用するために、従業員や顧客の安全を優先して事業を行っていると非難された。
GameStopは、店内イベント（深夜の発売を含む）とデモステーションの使用を停止し、追加の清掃を行い、物理的な距離感を強制するために列を構成し、店舗のキャパシティを制限すると述べている。
3月20日に発売された2つの注目のビデオゲーム「Animal Crossing.New Horizons（どうぶつの森）」と「Doom Eom」の混雑の拡大を防ぐために、GameStopは、正式リリース日の1日前から『Doom Eternal』の販売を開始することを発表しました。

Polygonは3月17日、サンフランシスコ地域のいくつかの店舗が、ベイエリアの郡によって発令された重要でない業務を制限する外出禁止令に違反しているようで、営業を続けていたと報じた。何人かの従業員がPolygonとViceに語ったところによると、企業から提供されるはずだった追加の清掃用品を受け取っておらず、自分で購入して払い戻しを要求したとのことだった。

Kotakuが3月19日に入手したメモによると、GameStopは、同社のテクノロジー製品の一部がリモートワーク（パンデミックの影響で拡大している）の強化に関連していることから、同社を本質的なビジネスと見なしていると示した。GameStopは同日の声明で、安全対策を再確認した上で、少なくとも3月29日までは店舗の営業時間を短縮して下取りを停止することと、路上での集荷を実施することを発表した。同社は、現時点では「テクノロジーソリューションに対する大きなニーズ」に対応しているとして、「顧客が接続したままでいられる本質的な製品を提供し続け、ビジネスや消費者がリモートワークできる製品を提供していく」ことを目指していると述べている。
ジョージア州アテネの GameStop 店舗（アテネ・クラーク郡の同様の命令に従うために警察の命令により 3 月 20 日に閉鎖された）の従業員は、GameStop で販売されているハイエンドのゲーム向け周辺機器（キーボードやマウスなど）は必ずしもリモートワークに不可欠なものではなく、Walmart のような営業継続が許可されている店舗では、より安価な代替品が容易に入手可能であるとし、この主張に反論した。

カリフォルニア州は3月19日に州全体での家庭内待機命令を発表していたが、GameStopは当初、店舗に対して、それは必要不可欠な小売事業であると述べていたが、3月20日までにカリフォルニア州の支店を閉鎖することを決定し、他の全国のほとんどの店舗は営業を継続した。
その後数日にわたってニューヨークとイリノイで同様の注文があったことを受け、GameStopは3月22日をもってすべての店舗を閉鎖すると発表したが、一部の店舗では、非接触型集荷（従業員が手袋をはめたまま、または手の上に袋をかぶせたまま、ガラス越しに顧客の注文を正面ドアに通した）と宅配便の提供を継続している。
4月初旬、ボストンのドーチェスターにある店舗では、地元警察から迷惑行為として取り締まりを受けたが、地元警察は、この路上集荷をマサチューセッツ州の自宅待機命令に違反していると判断した。GameStopはその後、同州でのカーブサイドピックアップの提供を中止した。

GameStopのカナダ子会社EB Gamesは3月20日にも同様の批判に直面し、トロントの店舗で新作ゲーム『どうぶつの森』と『Doom』の朝の行列が、当局によって大規模な市民集会を誘発したことで落胆した。市の公衆衛生主任のアイリーン・デ・ヴィラ氏は、この集会は「私たちのコミュニティを保護し、強化することに興味を持っている私たちのコミュニティの人々から期待されていることと一致していない」と述べた。ジョン・トーリー市長は「公共の利益よりも商業を優先する」と同社を非難し、オンタリオ州首相のダグ・フォード氏は「この州の誰もがお互いを守る責任があり、私はこのようなことをする店主に非常に、非常に失望している」と述べた。EB Gamesはその後、3月21日にカナダの全店舗を閉鎖すると発表した。

2020年10月8日、GameStopはMicrosoftとの間で、バックエンドシステムをDynamics 365を含むMicrosoft 365プラットフォームに移行する契約を発表し、従業員によるMicrosoft Surface製品の店頭での利用も含めて発表した。
後に、この契約には、小売店が販売した製品ごとにXbox Series XとSのデジタルゲーム購入分のレベニューシェアも含まれると報じられたが、このシェアの正確な割合は明らかにされていない。

2020年12月に清算されるフロリダ州メルボルンのメルボルンスクエアモール内の店舗

2020年11月にニューヨークで開催されたGameStopとThinkGeekの店舗、大統領選後の暴力が懸念されて板張りされる

(11)2021年1月 ショートスクイーズ（2021年）

2021年1月には、ショートスクイーズによりGameStopの株価が2週間で1,500%上昇し、ニューヨーク証券取引所では2021年1月28日の日中取引の最高値である483米ドルに達した。
いーロン・マスクがRedditコミュニティに言及して「Gamestonk！」とツイートしたことで、時間外取引が急上昇した。
マット・レヴァインは、この状況をSECがフィリップ・ファルコーネを告発した2012年の「ショートスクイーズ」と比較している。

■まとめ

長くなりましたが、以上がゲームストップについてです。
改めて、ゲームストップを財務から分析して…というものではなく、これだけ話題になっている企業だったので、「何をやってる会社なの？」、「どういう歴史のある会社なの？」という観点で海外サイト等からまとめてみたものになります（日本語訳所々おかしいかもしれません。。。）。

皆様のご参考になれば幸いです。