見出し画像

好きなYoutuberは夢破れて絶望を語る人


「黒髪ピピピ」さんと「絶望ライン工」さんが大好きなのでおすすめしたい。夢を語る人が大嫌いなので、その裏返しで好きなのだと思う。


黒髪ピピピさんや絶望ライン工さんのようなセンスと能力の塊がYouTubeとかで頭角を表し評価を受ける機会が出来ていることは素晴らしいと思うけれど、世間が正当な評価を下せておらず、どこからかこぼれ落ちたこと裏返しでもある。


いまはブロックされている、ある引きこもりの30代男性のフォロワーを見ていて、日本の歪な能力主義が特定の層の利益の保護のためにどのように機能しているのかと思いを馳せたりなんかしたこともあるけど、それに近い感情を久しぶりに思い出した。


「サバイブか諦めかの二者択一」を迫られている現状があるからこそ、虚構の理想を掲げて全肯定してくれる商売や人に無根拠な夢を見させる分野が隆盛しているわけで、それにうんざりしている真面目な若者も少なくない気がするんだよな。


2人ともそのようなところに全リソースをつぎ込んだ過去を匂わせている。若い人が不安から逃れるために無駄に意識が高くなってしまう現象の極端さから距離をとり、かと言って明確に社会に反抗するという行動に出るわけでもなく、ネタとしてメディアで昇華するというフラットな態度が、無力感に苛まれた疲れた若者の感覚に寄り添っているような気がする。サバイブに失敗してむしろ諦めの境地に立って真理を突くような言葉を楽しい表現で紡いでいるから、だからこそ視聴者は安心感を覚えるのではないかと思う。


こう考えてみると現代日本の世情を強く反映しているような気もしてくる。センスのある人が生き生きともっと楽しく過ごせる世の中になると良いのにな。


「虚構の理想を掲げて全肯定してくれる商売や人に無根拠な夢を見させる分野」こそが自分の最大の敵だね。こいつらが滅びるように頑張りたいよね。こういう確信犯はどこにでも潜んでいる。ムカつくよな。みんな悉く騙されていくのでアフターケアが必要かもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?