デジタルアクセシビリティアドバイザー(Basicレベル)についてとその勉強法
こんにちは、のまです。先日「デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験Basicレベル」を受験し、合格しました!
私がこの資格を受験しようと思ったのは、初めはアクセシビリティについて体系的に学んでみたい・自分の知識の力試しをしてみたいという理由からでした。
しかしまだ新しい資格であるため情報が少なく、本当に受験するのか、勉強する必要があるの少し迷っている自分もいました。
そこで今回は、「デジタルアクセシビリティアドバイザー」に関心を持ったけれども受けてみるべきか、どういう資格でどのような内容なのか、ちょっとした勉強法を知りたい方向けに記事にしています。
ただ、以下の項目に期待がある方向けには書かれていないのでご注意ください。
アクセシビリティのWeb技術方面だけ関心がある人
障害やIT、アクセシビリティ、支援技術を深く知りたい人
Webアクセシビリティの実践にすぐ活かしたい人
今回の記事が参考になれば幸いです!
デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験とは
デジタルアクセシビリティアドバイザー試験は、一般社団法人日本支援技術協会によりデジタルアクセシビリティアドバイザーとして求められる知識や技術を評価・認定される試験です。
デジタルアクセシビリティアドバイザーは以下のように記載されています。
以前は「ICTアクセシビリティアドバイザー認定試験」という名称でしたが、2023年11月から「デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験」としてスタートしています。(参考:「デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験」)
想定受験ターゲット
Basicレベルは以下の人を想定ターゲットとしているようです。
しかし、メインの関心がWebアクセシビリティの人にも関係がある話です。
実践に使うのは正直自分もイメージが湧いていませんが、ターゲットではないからといって受けないというのは勿体無いかもしれません。
試験内容の概要
Webサイトには認定試験について以下のように書かれています。
試験勉強をし、受験をすることでICT機器のサポートや障害・技術、アクセシビリティに関する基礎知識を学ぶことができるといえます。
ここで注意しておきたいのはWebアクセシビリティだけの知識ではないことです。むしろほぼないかもしれません。
出題範囲については、公式テキストである『デジタル アクセシビリティ アドバイザー 認定試験 公式テキスト Basic レベル編』(エンパワメント研究所)のすべてです。
あとは普段からの情報収集や基礎知識ともいえますが、公式テキスト以外のものは出ていない認識です。
以下にサイトからの引用を記載します。どのような内容なのかイメージが少しつくと思います。
Basicの試験について詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
試験準備
使用した教材やリソース
公式テキストである『デジタル アクセシビリティ アドバイザー 認定試験 公式テキスト Basic レベル編』(エンパワメント研究所)のみです。
エンパワメント研究所のサイトから注文し、紙のテキストを郵送で送ってもらいます。薄い冊子に見えますが、中身はぎっしり..です。
私の学習方法
私はNotionにテキストで紹介されていた法律や用語等をまとめる&試験前はチラシのうらにマインドマップのようなものを作って勉強しました。
年号を入れているのは時系列がわからなかったからですが、何度も改正・名称が変更になっていたりしたので参考程度です。
Notion AIを使っていますが正しいかは不明です。必要に応じ補足にメモ書きを残しました。
私は勉強する時、マインドマップを使います。
ちなみにこちらも写真に写っているものが正しいかはわかりません…(そして字が汚い)
そのほか、OS関連については自分が持っているMac、iPad、iPhoneと実家にWindowsがあったので触ってある程度勉強しました。慣れていないとだいぶ難しいです。
また、YoutubeでOSごとのアクセシビリティ機能を紹介する動画があったのでそちらもみて学習しました。「(各OSの名称) アクセシビリティ」と検索してみると良いと思います。
PDFデータ
PDFデータをもらうこともできます。紙のテキストの後ろのページにQRコードが記載されているので、リンク先のページから申請して必要な方はPDFデータをもらって勉強しましょう。
もちろん他の人への配布は禁止。読み取り専用で編集はできないため注意してください。
学習スケジュール
人それぞれですが、自分は正直そこまで時間をかけていませんでした。(知識をつけるためにはもっと勉強すべきでした。)
テキストを読んで、自分がいけると思ったタイミングで受験申し込みをしましょう。
試験対策のポイントや注意点
「テクノロジーの理解」や「各OSの標準アクセシビリティの理解」
WebやITの業界の方はこの出題範囲はそこまで難しくないかもしれません。
ただ、OSの理解については自分が持っていないOSだと実機で試せないのでイメージを掴みにくいです。
基本的にはOSごとのアクセシビリティ機能は一緒ですが、「何が違うのか」「OSは異なるが何と何は同じ機能なのか」をテキストや実機で試したり、手元のメモにまとめてもいいかもしれません。
「障害の理解」
私も失点が多かった「障害の理解」は、社会や障害の種類についてで普段知ることのない範囲だったので特に注力してやることをおすすめしたいです。
テキストだけでも情報量は多いですが、個々の中身は浅いので気になったテーマは調べて自分に知識を浸透させればよかったなと反省しています。
受験の流れ
「デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験 Basicレベル:受験の流れ」の箇所に記載があります。
CBT(Computer Based Testing)方式の試験で、コンピューターのディスプレイに問題が表示され、マウスやキーボードを使って選択肢を選んだり、答えを入力したりして解答します。
(参考:「オデッセイコミュニケーションズのテスティングサービス:「CBT試験」「CBT方式」とは?」)
受験できる日は、試験会場次第で比較的高頻度でやっています。確認してみましょう。
当日試験結果が出て、合否と評価得点、合格したら合格者番号が印刷された紙を試験会場で発行してもらえます。
試験後の感想と結果
試験結果(合否)
冒頭の通り一応合格でした。合格評価点は350点で私の評価得点は430点でした。
取るべき点(「テクノロジーの理解」と「OS標準のアクセシビリティ」)は取っているものの、取りたかった点(「障害を理解する」)はやはり取れていなかったのは勉強が足りなかったというほかありません..(言い訳です)
何を間違えたか、については知ることができないので「間違えたような気がする」「自信が無い」問題はちょっと覚えておくと復習に役立つと思います。
試験は50問しかないので、自信があってストレートに回答していけば15分もかからないと思います。(一巡で15分くらいだった)
私は、「もはや考えてもわからないな」と思ったので復習含めて3周し30分未満で終えました。
今後の展望(次に挑戦したいことや継続して取り組みたいこと)
一旦Basicの試験は合格したため、次はStandardの試験を受けたいと思います。ただ、こちらの試験は今回の試験範囲に加え今回よりもボリュームがある内容のようなので今回の復習や反省をし、新たな内容に挑まなければならないようです。
実務に活かせるイメージをつけられればより良いですが、どのような背景・人がいるからいまWebアクセシビリティに取り組んでいるのかを自分の中で改めて考えていければと思っています。
さいごに
当初は受けることを迷っていた自分もいましたが、結果受けてみてよかったと思います。Webアクセシビリティについての体系的な学びとはいえませんでしたが、社会と障害観・アクセシブルなプロダクトを作るにしてもどのような支援技術を使い利用されているのかざっくり知ることができたように思います。
デジタルアクセシビリティアドバイザーの試験に挑戦してみることで、なぜ今のような社会福祉の体制が築かれているのか、自分たちが目指すアクセシブルなプロダクトを届けたい人はどのような人なのか少し見えてくるかもしれません。
関心のある方はぜひ学習・受験してみてください!私も次の級であるStandardの試験勉強がんばります!
追記
この記事の内容を、株式会社ゆめみさんのLT会で発表しました。
以下資料と配信Youtube動画です。よろしければご覧ください。