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灰の境界線

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創作小説「灰の境界線」リスト 悪魔との戦いの日々を送る女がいた。 そんな女の前に突如現れた天使が言った。 「助けてほしい」 天使と悪魔に翻弄されながら戦う女の物語。
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2023年2月の記事一覧

「灰の境界線」今後の投稿

おはようございます。 玻璃青丹です。 現在連載中の小説の「灰の境界線」についてですが、 十…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第十一話~ 有料

 二人が向かったのは、スラム街の一歩手前にある公園だった。子供が遊ぶ遊具や水飲み場がある…

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玻璃青丹
1年前

灰の境界線~第十話~

 その後、ベルゼブブは料理をし、アルマ達に振る舞った。 「今度は、味というものを理解して…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第九話~

 廃墟都市の北に『ミモレット』という名の武器屋がある。そこでは、エクソシスト御用達の武器…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第八話~

 トルソはイライラしながら都市内を歩いていた。  先日の悪魔との戦いが、今も鮮明に記憶に…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第七話~

 天使と悪魔が帰って行った後、エルと一緒に食器を洗っていると、扉がノックされた。  アル…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第六話~

 日の光の届かぬ室内に、大量の蝋燭が灯されている。  壁は溶けた蝋がびっしりとこびりつき、所々に火が揺らめいている。  その怪しい光の中、部屋の中央に何かが突き出ている。まるで牙のような、角のような、とにかく尖った大きなものが、天井に向かって聳え立っていた。  それを囲うように、黒い衣服を纏った者達が立って、延々と呪文を囁いていた。  そこに、大きな足音がひとつ。皆が一斉に振り返れば、黒いフードに金の装飾を施された男が来た。  彼を見て、呪文を唱えていた者達は、頭を下げてその

灰の境界線~第五話~

 アルマは結局、シトリー退治の為に西の孤児院に向かった。  西の孤児院と言えば、この都市…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第四話~

 アルマはどんよりした顔で、ソファに寝そべり、窓の外の明るさをひたすら眺めていた。  身…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~キャラクター~

現在、書いている「灰の境界線」のざっくりキャラクター紹介です。 シャーペンでざっくり描い…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第三話~

 朝、アルマはジーゴの酒場に向かった。  この酒場は夜通し営業しているため、常に開いてい…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第二話~

 目が覚めれば、廃教会の中で寝そべっていた。  慌てて身体を起こし、腹に触る。離れていた…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~第一話~

 遥か昔、天の国にて神に背いた一団が、敗れ、地の底に堕ちて悪魔となった。  悪魔は、神の…

玻璃青丹
1年前
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灰の境界線~序章~

 血の匂いの漂う荒野に、少女の泣き声が響き渡る。  辺り一面、屍で満たされていた――人間と、異形の者達の。  その中心で、泣き続ける少女を、また別の少女が青褪めた顔で抱いていた。  泣いているのは、獣のような耳に尻尾、鱗の肌を持った異形。それでも、金の柔らな髪から覗く顔は、あどけない。  彼女を抱いているのは、まだ若いが、この惨状の中でも己を保つだけの気概があった。  その気概を支えているのは、悲しみか、怒りか。  彼女の服は黒き衣――神に仕え、天使の加護を賜り、悪魔を払う、