恋をする
それは
永遠の一瞬だから
掠れた黒インクの陰に
夕暮れの金木犀に
空いた教室の静寂に
汚れた黒板の隅に
君は恋をする
ぎこちなく震える声帯に
深夜、液晶の揺らぎに
泳ぐ視線の向こうに
照らす夕焼けの温度に
僕は恋をする
指先から
溢れるほどの熱
深く吸った息の最後に
もう冬の味がする
遠ざかる空に向かって
拳突き上げた君がみたい
味のボケたアイスティーが
きっと僕らの合図と笑った
コートのポケットから
溶けたキャンディーをください
それは永遠の一瞬だから
これはありふれた奇跡だから
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