小学校の頃の同級生に会った。

「久しぶりに同窓会というか、お茶でもしない?」

ひと月ほど前に突然、小学校の頃の同級生、カナから連絡がきた。私の中でのカナは、小さくて元気な誰とでも仲良くできる女の子。組体操のピラミッドで一番上をつとめた女の子。そんな印象である。カナに最後に会ったのは高校生の頃なのでおそらく15年ぶりくらいであろう。カナに会う前、私は少し緊張していた。そもそもカナとはそこまで仲が良かったわけではないからだ。確か同じクラブ活動だったような??小学校の卒業の思い出にカナと私を含む何人かで清水公園に行ったことは覚えているが。しかし会ってしまえば15年ぶりとは思えないくらい、会話の流れがスムーズだった。空気感も懐かしい。お互い大人になったし、どちらかが合わせていただけかもしれないけれど。

自分が覚えていない出来事をカナが覚えている。カナの覚えてない出来事を私が覚えている。そして何より、あの時こうだったよね、あそこはこうだったよねって思い出の共有ができることが本当に嬉しかった。

私は1人でいるときたまに小学校の頃を思い出すときがある。休み時間のこと。掃除の時間のこと。放課後の思い出。運動会。小学校近くの駄菓子屋さん。「あの駄菓子屋さんはなんて名前だっけ?あ、コヤマって名前だったなぁ。まだあるのかな?すごい小さなお店だったよなぁ」って1人でいつも頭の中で懐かしんでいたことを、目の前の人と共有できるのは、なんて幸せなことなのだろう。「なんか小学校の近くに駄菓子屋さんあったよね?」「なんだっけ、あの、、コヤマ!」「そうそう!コヤマー!!懐かしいーー!」「なんかすっごい小さいお店だったよね!おばぁさん1人でやっててさぁ!」…とまぁそんな風に。ほかにも沢山の思い出話に花を咲かせた。

カナは2011年に結婚して子供が2人いる。新卒で入った会社で今も働いていて、辞めたいけど、お金のこと考えると辞められないらしい。そこは私の悩みと全く一緒で一気に親近感が。一戸建てを買ってローンがあるのも一緒で。「分かる!分かる!」ってお互い何回言っただろう。「やりたいことがあるなら、言い訳せずにやらなきゃ意味ないよね」って励ましあったのもなんだか嬉しくて。私の小さな夢を笑わないで「いいじゃん、素敵だね」って聞いてくれて。そのおかげで一歩踏み出せそうで。

12歳だった私たちが20年経って、あの頃からは想像できなかった未来に立っている。20年後もちゃんと私たちは繋がっているよ?途中何年か会わない期間があるけれど、カナのお陰で再会できて、あの頃と変わらず笑いあえているよ?12歳の私が知ったら嬉しいだろうなぁ。そして目の前に12歳の私を知っている人がいることがなんだかとても嬉しかった。

自分は友達が多い方ではない。結婚式に呼んだのは10人いるかいないかだし。高校、大学の同級生、留学で知り合った仲間。全員本当に大好きな友人たち。そのかわり中学の仲良い友人はいない。数年前まではちょこちょこ会っていた友達はいたが、もう2、3年会ってないし連絡も取ってない。私の中で1番古い友人は高校の同級生だった。だから突然小学校の頃の友達と繋がりをもてたことが、本当に嬉しかった。連絡をくれたカナに本当に感謝してる。こんな私を覚えていてくれて、ありがとう、カナ。

今度は6年2組のみんなで会いたいねと約束した。カナが何人か連絡とれるみたい。今回来れなくなってしまった、やまりっち。あとはいぐちゃんとじゅんちゃんとフカピーも。会ってみたい。話してみたい。みんな私のこと覚えてるかな。私はみんなの思い出にちゃんといるのかな。どんな人生を歩んできたのかな。今どんな悩みを抱えているのかな。

そして、いつかみんなで校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こそうね。

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