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自作の推し短歌ください・⑤
#自作の推し短歌ください
— ちー (@n0tsuchi) December 5, 2019
先着7名さま。noteのほうに一首評書きます。(来週ごろ1日1首ペースで更新予定)よろしければ。
みなさんめりーくりすますです。ちょっと時間が空きました。すみません。
ゆるすとふ音はやはらか花束が崩れぬやうに抱擁をせよ / 7235(旧名・芳原わらび)
この一首にしっかり意味を通して読むとするなら、「〈ゆるす〉という音はやわらかいので、花束が崩れてしまわないように抱擁をしなさい」という読み筋が一番しっくりくるように思った。
「抱擁する」ことは能動的な行為だが、「崩れぬように」は「崩さぬように」に比べて意志の働きかけが少ないような気がして、それが結果的にほどよい力を生み出しているようにも思う。
(なお許すことに強い意志を見出す場合、このイメージのつながりは言及できないけれど、「やはらか」という語が歌のトーンを決めているようにも思うのでこちらの読みを優先した)
モチーフはどことなく儚げにも使いうるものが多いけれど、そんな雰囲気というよりかは、物質を触っているような感覚があるのはやはり「抱擁」という身体的な行為と前述した力の作用ではないだろうか。
yu ru su to u / o to ha ya wa ra ka / ha na ta ba ga / ku zu re nu yo- ni / ho- yo- wo se yo
韻律について言えば、uの音がまとまる初句から静かに入り、「やわらか」から「はなたばが」にかけて貫くaの音が、二句目から三句目へとギアを上げながら展延する感覚をもたらしていくけれど、四句目から結句にかけてそれを受け止めていく感じに切り替わる。それは「崩れぬ」「抱擁」という語のイメージに加え、uとoの音で収束させていることも一つそこに寄与しているのではないだろうか。
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