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J・マスキス インタビュー

近年は、ダイナソーJr.と交互にソロ名義のアルバムをコンスタントに発表するようになっているJ・マスキス。当初はアコースティック弾き語り色が強かったが、3作目『Elastic Days』では、自らベースやドラムを重ねて、基本線は同じながらも、よりバンドっぽいサウンドになってきた。今後はソロ作品も、ダイナソーと同じくらい、彼の創作活動において大きなウェイトを占めていくことになるような予感がする。
とはいえ、例のキャラは不変なので、メールによるインタビューでは予想通り、だいたい以下のような感じです(苦笑)。

取材協力:片岡さと美


--最新作『Elastic Days』は、サブ・ポップから3枚目のソロ・アルバムとなります。2011年の『Several Shades of Why』~2014年の『Tied to a Star』と、ダイナソーJr.のアルバム(『I Bet on Sky』(2012)/『Give a Glimpse of What Yer Not』(2016))の合間をぬって、コンスタントに順調なリリースが続いていますが、これはやはり再結成ダイナソーJr.の活動が安定したことによって実現可能になった、という見方でいいのでしょうか。

「うん、そうだね」

--ダイナソーJr.によるラウドなロック・アルバムと、ソロ名義のソフトなサウンドのアルバムを交互に作るサイクルは、現在のあなたの創作活動にとてもしっくりきているやり方だと実感していたりするのでしょうか? 今後はしばらくこのローテーションが続きそうですか?

「そう望んでる」

--ダイナソーJr.の曲をアコースティック弾き語りで演奏するようなこととは逆に、ソロの曲をダイナソーJr.(あるいはバンド編成)でラウドなロックとして鳴らすことは可能だと思いますか?

「なんでも可能だよ」

--ダイナソーJr.と、ソロ作品とでは、使う機材に変化をつけたりしますか? ギターは基本ジャズマスター? ペダル/エフェクター、あるいはアンプなどで、何か意識して区別している点があれば教えてください。

「ダイナソーJr.のレコーディングでは、ジャズマスターは使わないんだ。ソロ新作では、ソロをひとつ弾くのに使ったけどね。ジャズマスターはダイナソーのショウで使うための、もっとライヴ用のギターだ」

--前作・前々作に続いて、ブラック・ハート・プロセッションのポール・ジェンキンスが参加しています。彼とは古いつきあいのようですが、もともと、どんなふうに知り合って、あなたのソロ作品で一緒にやるようになったのでしょう? あなたのソロには、もはや欠かせない人材なのでしょうか? ポールがJ・マスキスのソロ作品において果たしてくれている役割は、主にどのようなことでしょう?

「彼の声が自分のと混ざる感じが好きなんだ」

--前作に引き続き、あなたはヴォーカルとギターだけでなく、ベース/ドラムスなども含めて独りでこなしているようですね。曲を書く時には、全パートのアレンジもいっぺんに思い浮かぶ感じなのでしょうか? それともギターリフや歌メロだけ先に思いついて、他の楽器はあとから付け加えていくのでしょうか?

「ギターが最初で、その後に他の全部」

--1人で多重録音を行なう場合、ドラムなどリズム楽器から録り始めることが多いと思いますが、あなたの場合は、ギターを先にレコーディングしたりすることもありますか? その際はクリックガイドみたいなものを聴きながらやったりしますか?

「普通はドラムが先だね」

--最新作の発売後は、ソロ・ツアーを行なう予定で、資料によれば今度からはステージで立って演奏するそうですね。他のパートが入った曲も増えてきたと思いますし、今後ソロのショウでもサポート・メンバーを1人~2人、それこそポール・ジェンキンスとかを加えてみてもいいかも、などと考えたりはしませんか?

「いや」

--ハードコア・パンクがラウドなサウンドのルーツだとして、アコースティックな歌メインの音楽性は、どういったリスニング体験がルーツになっているのでしょう? 特に好きなアーティストを教えてください。

「リチャード・トンプソン、ボブ・ディラン、グレッグ・セージ」

--前作に参加していたキャット・パワーや、前々作に参加していたカート・ヴァイルのニュー・アルバムは聴きましたか? 聴いていたら感想を教えてください。

「まだ聴いてない」

--今作もサブ・ポップからのリリースとなります。彼らとの仕事はしやすいですか? ソロ・アーティストとして、あのレーベルと契約することになった経緯を教えてください。

「あのレーベルを経営してるミーガンとは友達なんだ。83年にミスフィッツのショウで出会った時からのつきあいだよ」

--サブ・ポップで思い出したのですが、2014年にニルヴァーナが「ロックの殿堂」入りした時、アフター・パーティで、デイヴ・グロールやクリス・ノヴォゼリッチとニルヴァーナの曲を演奏しましたよね。あの演奏会に参加することになった経緯はどのようなものだったのですか? 感想も教えてください。

「デイヴ・グロールに頼まれたんだ。あれは疑いようもなく楽しかったな」

--かつてカート・コバーンは、あなたにニルヴァーナへの加入を要請したこともあったそうですが、その時はどんなふうに感じましたか?

「嬉しかったけど、当時は自分自身の音楽について考えることで忙しかったから」

--ぜひソロでも日本に来て最新のショウを見せてください。

「ソロで日本に行くオファーをもらったことないんだよね」

他では読めないような、音楽の記事を目指します。