角2018葉書-1

角川俳句賞 2018 落選作「迎への春」 50句

角川俳句賞2018:応募総数567篇、予選通過41篇
「迎への春」は予選敗退 (^_^;;;

週刊俳句の評:(2018.11.18 付、今年はすごい早出)
2018角川俳句賞「落選展」を読む(1)岡田一実
岡田さん、ありがとうございました

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「迎への春」

紅白の梅の匂へる神の里
蝶飛んで百花の春となりにけり
雲水の峠を越ゆる蝶々かな
発掘は一つ隣りの春の山
日の永くなりたることを昼休

草餅のほのかに温し子らを待つ
春宵も余生も値千金ぞ
煙突の大きな「ゆ」の字春の闇
おのづから時の満ち来る桜かな
満開の一点つひに花の漏り

引く波の砂にこするる桜貝
蕊だけがひよろりと伸びし躑躅かな
塩辛に烏賊や鰹や夏始
牡丹やどかと置かれしランドセル
飛ぶ虫に這ふ虫も出て梅雨の入り

終列車彼方に消ゆる螢かな
羽田空港四万六千日の晴れ
半袖の亜米利加人や巴里祭
雷の近づいて来る祭笛
裸子の中のひときはちひさな子

夕立後の強き火使ふ夕餉かな
雨だれが石に弾けて金魚玉
壁抜けに間に合はざりし蚊の姥か
仕留めては次の間へ行く蠅叩
蚊遣火の紅一点の涼しさよ

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すやすやと赤子ほのかに天花粉
踏切のかんかん照りの終戦日
切株は即ち墓標秋の風
寂しさを埋めて秋草なに咲かそ
天高くなりにけるかも黄金の穂

童謡が「あれ」と歌ふよ虫の声
虫籠は終の棲家や茄子胡瓜
菊の香に神や仏の夜長かな
われの銀河なれの銀河へ重なりぬ
松手入針千本を降らせつつ

古釘に柿の裸を吊しけり
包丁に林檎の種が付いてをる
玄関にブーツを履きて立ち上る
ギター背に枯木の中を帰りけり
緑濃きところは捨てて葱白し

化ける気もなくて海鼠のままでゐる
十二月三十一日来りけり
ゆく年の窓開けてみる直ぐ閉める
国家とは大いなる家初御空
松が枝に番ひで弾む初雀

静かさや猫も寝てゐる寝正月
年号の来年変る炬燵かな
太陽と同じ丸顔雪達磨
紫雲英田に遊んでくれてありがたう
ご機嫌よう迎への春が来たやうだ

以上です

なお、今日(11月4日)から、
「週刊俳句」で「角川俳句賞落選展」開催中です
参加者12人

さらに、詳しい自解や推敲過程は、
「全然堂ハードエッジ」ブログへ
(推敲の pdf は重くてPCでないと開けないかも)

以下は、葉書俳句制作風景

システムはWin10PC/Dell
葉書は100均/50枚
今年は「落選」の文字に遠近法を導入
文字変形のアプリは不案内なので、
印刷した紙を斜めからカメラ撮り/iPad
黒で印刷したものを後から色変換
、と思ったがうまく行かず
最初からピンク系で再印刷
しかし、
いわゆるカラーチャートで思い通りの色が出た試しがない
もう少し淡く、とか白っぽくとか、ダメで適当に妥協
文字+画像のやり方が判らないので個別に2回印刷
プリンタはMFC-J737DN/ブラザー、インクは互換品
画像は初の縁無し印刷、なかなかグッド
文字データは「55DB」の桐v9から印刷
縦書のヘッダは文字が寝やすいのでアレコレ工夫と妥協
サインは三菱Hi-uni 10B
2枚セット初版25部で知り合いに配布

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試作:

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以上

サポート頂いた方へは直近の葉書俳句(開発素句報 or 全然堂歳時記)を差し上げます