NHK俳句 2021 落選作抄 20句

春：
坂道を春一番の子が駆ける　ハードエッジ
使ふのが惜しき鉛筆入学す　ハードエッジ
菜の花を咲かせて春の蜜柑山　ハードエッジ

夏：
開かれて鯵は干物に花は葉に　ハードエッジ
たつぷりと毒を盛られし罌粟の花　ハードエッジ
叩きたる処に蠅のくつつきぬ　ハードエッジ
大き蛾の燻つてゐる哀れかな　ハードエッジ
お化けには見えぬ筈なる蚊帳の中　ハードエッジ
改案：
蚊帳の中なればお化けも雷も　ハードエッジ 2021.11.30

秋：
刻みたるもの新涼の香を放つ　ハードエッジ
きちきちと飛びはたはたと遠ざかる　ハードエッジ
人住まぬ星は寂しや天の川　ハードエッジ
実石榴の裂け目は金で継ぐべかり　ハードエッジ
女房も亭主も古りぬ今年酒　ハードエッジ
病院も駅も夜長の灯を点し　ハードエッジ

冬：
木枯に赤き灯まはる検問所　ハードエッジ
メデューサも老いて悲しや木の葉髪　ハードエッジ
寒さうに枯木の中の緑の木　ハードエッジ
温泉の宿の番頭さんが落葉掃く　ハードエッジ
山眠る手紙の束は黄ばみつつ　ハードエッジ
表面はかりりと焼けて春を待つ　ハードエッジ

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以上です