服の話

適当に服の話でもしようと思う。
服はけっこう好きだけど、自分は全くおしゃれではないっていう自覚がある。

おしゃれの定義とかあんまりややこしいことは書く気はない、というか書けないのでふわっと話すけど、ぼくがファッションのどこが好きかというと「機能」と「デザイン」のバランスが挙げられる。例えば、アートであれば機能性は重視されず、デザイン、もしくはそこにみえる思想、受取手の想像力によってその作品の良し悪しが決められる。簡単に言えば、お金が欲しくて作品を作ってるアーティストはおらず、自分の作りたいものを作るわけで、他者からの評価は二の次ということ。一方で服のデザイナーはそうはいかない。服は着るものであり、着るということは「機能」であるから、服を作るのであれば、着たいと思わせるような、ある種、他者に(流行に)寄り添う必要が生まれる。

そして、じっくり考えてみると、この【他者あるいは流行に寄り添いながら服を作る】ということは、これ以上ない縛りであり制約だと気づく。アーティストはお金が欲しくて作品を作るわけではないと述べたが、デザイナーだって同じに近い。機能を考えず、自分の作りたい服だけを作って、それが他者に認められるのが一番かっこいいけどぼくの見ているかんじだと、そうはいかない場合がほとんどな気がしている。

自分の作りたい服を作るだけではダメで、誰かがそれを着てはじめてビジネスとして成立するということは、あまりに残酷で、難しい仕事だと思う。
一方で、ぼくはデザイナーではなく、作られたものを見る側の人間だから、アートを見るよりも服を見る方が、ぼくたち側のことを考えて作られている分、何かを理解したり、感じたり、単純にいいなと思うことが多い気がする。
でも、機能に寄りすぎても、いやユニクロでええやんってなったりするので、そのバランスが面白いと思う。蛇足だけど建築もそのバランスは大事だなって感じる。

そんなわけでそういうところが好きなんだけど、ファッションの中でぼくが一番苦手かつ興味のないことがコーディネート。この色とこの色を合わせたら良いとか、丈感とか、全然興味ないし、そのセンスが本当に1ミリもない。
だから私服は毎回パジャマみたいだねとか、だらしが無いと言われる。ぼくはかっこいいと思っているのに。

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