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親子登山のススメ?

皆様こんにちは。原っぱ大学けんけんです。
ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、僕は社会人山岳会に所属していて夏は岩と沢。冬は岩と雪と氷。季節問わず山に登ります。正確に言うと登っていました?かな。
息子が生まれてからはあまり家を空けることができず、長期山行ができなくなりました。これは古の時代からの山の世界の伝統であり、当然のように僕もその伝統に飲み込まれたわけです。
とはいえ、そのまま山に登れずに悶々としていてもつまらない。
ということで、息子を巻き込んで、将来一緒に冬季クライミングをやるための計画を立てて、それを実行することにしました。息子のフィジカルやメンタルの成長の様子をうかがいながら、段階的なステップアップを目指します。
という計画途上故、手探りではあるのですが、これまで0歳から息子と山に登ってきた経験と、今までの山の世界で得てきた知識や経験を併せた現時点での集大成(?)として、僕が親子で山登りをするときに心掛けていることや、山の楽しみ方を共有できたらなーと思います。
まずは幼児期から。

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親子山歩きマニュアル(その1)

幼児期編(まだひとりで山を歩くような状態ではない)

山行スタイル

当然子どもはまだ歩けませんので、親が運ぶ山行スタイルとなります。

必要なツール

だっこひも
いわゆるベビーキャリアはある程度成長していないと使えないことが多いので、最初はだっこひもを使うことになります。
だっこひもの種類についてですが、まず前だっこは基本的にNGです。足元が見えません。滑りやすい下り坂や、崩壊しかけた階段など、足元によほど注意しないと転倒の危険があります。普段であれば転倒しても自分が怪我したり服が汚れるだけなので、別にな感じですが、今回は違います。子どもを抱っこしているのです。
ということで、できれば斜めにかけられるようなだっこひもが望ましいです。おんぶでもいいですけど、ザックが必要となるような山では両立できません。(写真:衣張山から鎌倉の町と由比ガ浜を見下ろす)

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ストック
転んでしまった時のダメージが子どもに及ぶことを避けるため、ストック等の利用もいいと思います。
ただし、ストックは使い慣れていない人が突然使うと岩場で引っ掛けて転倒を招いてしまうこともあるため、気を付ける必要があります。意外と知られていないですけど、ストックはうまく使わないと余計に疲れます。大きな山で突然使うと疲労を招くので気を付けましょう。
使うときのコツはうまく下半身の力を抜くことです。ストックは上半身を使う分、使わない時より体力を消費します。ストックを使った分下半身の体力をセーブできないと、余計に体力を消耗します。
(写真:こういうストックの使い方はNGです。)

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山・ルートグレード

やさしい山を選ぼう
やさしい山=低い山ではありません。低くても危険な箇所があるような山はたくさんあります。
滑落は命取りになるので、なるべく大きな岩場や切れ込んだ谷をトラバースするようなルートは避けた方が無難です。自信があればもちろんその限りではないです。
(写真:この程度であれば問題はなさそうです笑)

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■高い山に行くときの注意点
幼児期は歩くのが親だけなので、親の体力があってかつ危険でなければ高い山でももちろん連れていけます。が、注意点があります!

高山病
2,500mクラスになってくると一部のオトナでも高山病の危険があります。オトナは頭痛いなあ。。降りるか。で済むのですが、頭が痛いことを伝えることができない子どもの場合、親がなぜ泣いているのかよくわからず重症化してしまうリスクもありますので、気を付けてください。
富士山みたいな山は(もちろん夏季限定ですが)比較的リスクも低くて登りやすい山なのですが、子どもを連れていくには高山病リスクを考えると「おれ、頭が痛いよ!」って言えるくらいの年齢になってからの方が安全です。
ちなみに息子は5歳なのでそろそろ夏ごろに連れて行こうかなと思っています。

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急激な体調の変化
山のような特殊な環境下では、急激な体調変化は大人にも起こりえます。山の上は町のような救急体制は整っていませんので、各種応急処置などの知識は持っていることが前提となります。
子どもが怪我した場合、自分が怪我した時より親はパニックになりがちです。落ち着いて対処できるような心構えも大事だと思います。

歩き方

歩き方とは言ってもこの時期は親だけです。
普通の山の歩き方のノウハウはたくさんあるんですけど、ここでは子ども連れの時のポイントだけ書きます。まずはとにかく転倒をしないこと。それだけを考えて歩きましょう。

■歩くときは歩く。何かするときは止まる。
これ、5歳の息子にも山でよく言うやつです(笑)山って景色がよかったり、鳥が飛んでたり、動物が出てきたりといろいろなことが起こるじゃないですか。見ちゃうんですよね。つい。
これが意外と危なくて、(ああ。。いい天気だな。。サイコー✨)とか空を眺めているときに限って、何かに引っかかって転びます。
何にもないところで転ぶ分にはまだいいのですが、足元の悪い、足元は悪くなくても一歩間違えると結構落ちるみたいなところでそれをやってしまうと目も当てられません。歩いているときは歩くことに集中して、景色を眺めたり、メンバーを振り返ったりする時には必ず足を止めましょう。

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ロープなどの人工物には注意!!
登山ルートによくロープとか張ってあるところがありますが、うかつに体重をかけないようにしましょう。誰がどのように整備したかわからないものに自分と子どもの命を預けてはなりませぬ。
もちろん、ロープを付けてくれた人は善意でやってくれているのですが、設置後に何があったかわかりませんし、何かあってもだれも責任を取ってはくれません。
ちなみに、このようなものに体重を預けているときに仮にロープが切れたり支点が飛んだりした場合、下手すると受け身が取れない姿勢で落ちることになります。
仕方なくロープをつかむ場合でも、必ず受け身をとれるような姿勢で使うようにしましょう。
(写真:必要なさそうなところではロープは使いません。)

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トラバース道はなるべく山側を歩こう
逗子や葉山のあたりはどろどろの山道が多く、トラバースの道は崩れやすいところも多いです。谷側に落ちると大変ですし、雨の日の後などは道の端を踏んだら崩れてしまうことも多いです。山道を守るためにもなるべく山側を歩くようにしましょう。

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休憩

鎌倉最高峰の大平山という山があります。
ここは頂上が広場のように開けていて、お弁当とか食べるにはとてもいい場所なんです。ここまで背負ってきた子どをおろして遊ばせたい!!そう思うこと間違いなし。でも、そんな時にちょっとだけ気を付けてほしいことがあります。

目を離すな!
大平山の広場、一見わからないのですが広場の端っこは崖のように切れ落ちています。はいはいとかでそんなところに行かれてしまったらひとたまりもありません。
同じように、一見わからない穴とか岩の影、背の高い草むらの中に入ってしまって何かあったら見つけることはとても難しくなります。
ここまで山に登ってきた安心感で、つい自由にしていいよー!!と言ってしまいたくなりますが、絶対に目を離さないようにしてください。

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幼児期はこんなもんでしょうか。
基本的に登るのは親だけなので、まだそこまで気を付けることはありません。子どもが自分で登り始めたら注意しなければけないことは山のように出てきますよー。乞うご期待!✨

それではまた次回~!(たぶん続く)

けんけん


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