見出し画像

0歳児とのお出かけを応援するチェロ・コンサート

0歳の赤ちゃんから入場できるクラシック・コンサートがあるのをご存じですか?

私は日ごろ、親子で楽しめるコンサートについて取材する機会が多いのですが、「0歳児をはじめとする乳児向けのコンサートはとくに人気で、すぐにチケットが売り切れてしまう」という話をよく聞きます。
ラ・フォル・ジュルネで毎年恒例となっている『0歳からのコンサート』でも、東京国際フォーラムのホールいっぱいに赤ちゃんが大集合した図はなかなかに壮観でした。

なぜ、「0歳児OK」のコンサートはこんなにも人気なのでしょう?
幼稚園児ぐらいの年齢になれば、ステージの上で演奏される音楽や楽器に興味を持つ子もたくさんいます。けれど、1歳にも満たない赤ちゃんにクラシックを聴かせたところで、ほぼほぼ無反応で、笑って手を叩くようなリアクションは望めないのに……。

もっとも、目に見える反応がないからといって「聴かせても意味はない」とは言えません。音の響きが赤ちゃんになんらかの良い影響を及ぼしている可能性は十分にあります。

けれど、コンサートに0歳児が集まる理由は、ちょっと別のところにあるのではないでしょうか。
それは「ママがお出かけしたいから」だと思います。

自分の子どもが0歳だった頃を思い出してみると、電車やバスで数駅先の病院まで行くにもビクビク、レストランで食事なんてとんでもない、夫のいない平日はひたすら家で赤ちゃんの世話に明け暮れ、ベビーカーを押して近所のスーパーに出かけるのが唯一の息抜き……みたいな日々でした。

ふにゃふにゃの0歳児を連れて行ける場所なんてほとんどないし、あれこれ心配ゴトは尽きなくて、「出かけない方がいい」理由はいくらでも見つかります。
でも、でも、たまには赤ちゃんと一緒にお出かけしてみたいのです!

そんな「0歳児とお出かけ」を応援するプロジェクトがスタートしました。日本を代表するチェロ奏者の長谷川陽子さんが、0歳児とその保護者のために開くコンサートです。

画像1

このプロジェクトがほかの親子向けコンサートと違うのは、「ママ、パパを応援するためのコンサート」であるということ。

赤ちゃんのお世話に追われて分刻みの毎日を送っているママさん、ご飯を食べる時間さえゆっくり取れない日常からほんのひととき解放されて、深々としたチェロの音色に包まれてみませんか?

ステージの前に赤ちゃんのためのスペースが設けられており、すぐそばで様子を見ながら、あるいは一緒にスペースの中で演奏を聴くことができます。
赤ちゃんが泣いてしまったり、動き回っても大丈夫。まわりのお客さんもみんな0歳児のママ、パパですから。

コンサートは30分間。演奏されるのはバッハの《無伴奏チェロ組曲》第1番より「プレリュード」と第6番、そして武満徹の《翼》。クラシックが好きな方にとっては聴き応えたっぷりの本格派プログラムです。なじみのない方にとっても、どこかで聴いたことのある優しいメロディが聞こえてくるはず。

会場にはおむつ替えスペースや授乳スペースも完備。
開催場所の「東京オペラシティ コンサートホール」は、新宿から京王新線で1駅、初台駅から直結なので、雨が降っても濡れることなく到着できます。

チケット料金は2,000円で、なんと1枚で0歳児と大人2名まで入場できるとのこと。なんと太っ腹な!

このプロジェクトを発案したのはジャパン・アーツの産休明け社員だったそうで、そういったスタッフの皆さんや、ご自身も育児と演奏活動を両立されてきた長谷川陽子さんのあたたかい気持ちがたくさん詰まったコンサートです。

もちろん、ママだけでなくパパも一緒に親子3人で参加するのもよし、あるいはパパと赤ちゃんがコンサートを聴いている間、ママはショッピングで羽根伸ばしなんていうパターンもありでしょう。

「赤ちゃんとお出かけ」のハードルを思いきってひとつ越えれば、きっと世界が広がりますよ。赤ちゃんとの思い出づくりに、ぜひお出かけください! お待ちしています。

0歳児とおでかけ応援プロジェクト
~長谷川陽子の包み込まれるチェロの音色を親子で聴こう~
2020年1月10日(金)10:30開演(開場 10:00 / 終演 11:00) 
東京オペラシティ コンサートホール ホワイエ(ロビー)
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=817  

いただいたサポートは、noteを書くための取材費や資料代として大切に使わせていただきます。