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うろつきうつろう話

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垂れ流し
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#海外

15) 閉ざされた村社会に降り立つ女(26歳)

←前の話 オーストラリアでの就職活動に敗れ、落ち込む間もなく「じゃあ今度はカナダに行こう」と思いついた私はまずお金のことを考えた。 オーストラリアでは社会人の頃に貯めた貯金を崩しつつ、アルバイトで日銭を稼ぎながら生活していたのでとにかく今はお金がない。 集中して短期間でお金を稼ぎたいところだが、どんな方法がベストだろうか。ひとまず仮住まいしているこの実家からは出るべきだと思った。 というのもこの辺りは何もないど田舎なので求人が圧倒的に少なく、給与水準も都会よりきわめて

12)オーストラリアでパパ活しかけたときの話2(25歳)

ベトナム旅行でオーストラリアのおじさんグループ3人組と出会ってから2年、語学留学で渡豪した私はグループの1人「ジョン」と久々に再会することになった。 たまたま私の滞在している街メルボルンを訪れる予定があったらしく、彼は飛行機に乗ってはるばるアデレード(オーストラリア第三の都市)からやってきた。 私たちは金曜の午後に市内にあるロイヤルボタニックガーデン(王立植物園)付近で待ち合わせた。 彼は黒い皮ジャケットにジーンズという出立ちで現れた。 メルボルンのボタニックガーデンは1

11)オーストラリアでパパ活しかけたときの話(25歳)

一度オーストラリア人のおじさんとドラマチックな?展開を迎えたことがある。 名前はジョン(仮)。 彼と出会ったのは渡豪する2年前。当時私はまだ東京で営業をしており、はじめて長い休暇をとって友人とベトナムはホーチミンに旅行に出掛けたときだった。 市内散策に飽きた友人と私は市街の日帰りツアーに何度か申し込んだのだが、行く先々でまるで何かの力に引き寄せられたかのうように毎回同じおじさん3人組とバッタリ出会った。 彼らはオーストラリアから旅行に来ており、私たちと同じ旅行社を通して日