耳硬化症の手術⑦

入院も残すところあと1日。神様は1週間で世界を作ったというが、これからの僕の人生どんな方向に進んでいくのだろう。

大好きな音楽、バンド活動はどんなふうに続けていけるだろう。
新しく始まった耳鳴りの響きとどんなふうに付き合っていったらいいのだろう。
そもそも本当に耳は聞こえやすくなるのだろうか。

しかし、やってしまったものは本当にもう仕方がない。
音を伝えるためのあぶみ骨はもう無いのだ、代わりにピストンが入っているのだ。


この手術を受けた人日本では少ないだろうが、受けたた人なりの耳の響き方や人生の方向があるのだろう。


病院の窓からはビルの並んだ都会の風景が見える。ここは大阪のど真ん中なのだ。
川にかかるたくさんの橋を渡る人々、隙間を縫うように高速道路を車が走っていく。
皆それぞれの生活がありそれぞれの毎日それぞれの体があり今日を過ごしている。
明日退院すれば僕もまた日々の営みに飲み込まれていく。

元気にやっていこう。そう思えるのはきっと幸せなことなんだろう。そう思うことにする。

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