見出し画像

HR/HM聴き始めて30年。 1992年の名盤

僕がハードロック・ヘヴィメタルを聴くきっかけになったのがBON JOVIだったのですが、決定打になったのは1992年発売の「KEEP THE FAITH」でした。あれから30年経ったとは…。当時高校2年生、青春真っ只中。弓道部の部室で聴いてたの思い出します。 1992年はHR/HM入門の僕にとって思い出深い名作の宝庫でした。この年リリースされた好きなアルバムは、未だに思い入れが深く、愛聴しているものばかり。そんなアルバムたちをご紹介。

BON JOVI / Keep The Faith

トップバンドならではのハードスケジュールとプレッシャーからいつしか解散の噂まで浮上してきた彼らだが、そんな中「Keep The Faith」という魂のこめられたタイトルとアートワークでで改めてメンバーの絆の強さを示した5th。強靱な精神世界を示したダイナミズム溢れる#1「I Believe」~#2「Keep The Faith」、瑞々しいフックに溢れた珠玉のアメリカンロック#4「In These Arms」、感動的なバラード#5「Bed Of Roses」、#10「I Want You」、大作#6「Dry County」などバラエティ豊富な一枚。全体的にはバラツキもあるが、ロックに対する精神性が強く現れた力強いアルバムだ。個人的には、甘酸っぱく擽ったい感情が目一杯詰まっている思い入れの強い作品。「In These Arms」は、僕にとって人生におけるNo.1ソングです。


FIREHOUSE / Hold Your Fire

ジョン・ボン・ジョヴィに見いだされたノースカロライナ州出身のメロディアスハードロックバンドの2ndアルバム。爽やかで良質なメロディ満載だった1stアルバムの流れを踏襲したアルバムで、よりダイナミックに、骨太になった印象を受ける。オープニングの「Reach For The Sky」ではC.J.スネアの今まで以上にパワフルなヴォーカルを堪能、分厚いコーラスが魅力の「Rock You Tonight」はライブで受けそうなアンセム。お決まりのバラードも「When I Look Into Your Eyes」「Hold Your Dream」という超強力曲が。楽曲を第一に考える彼らの真摯なスタンスが溢れんばかりに表現されており、暖かな温もりが伝わってくる名作。


DAMN YANKEES / Dont't Tread

アメリカのスーパーグループ、DAMN YANKEESの2nd。必殺アメリカン・ロック#1「Don't Tread On Me」にはじまり、王道ロック・バラード#3「Where You Goin' Now」、哀愁が散る#6「Silence Is Broken」、#8「Someone to Believe」と要所に名曲・佳曲が並んでいる。分厚いハーモニーが楽しめる。僕はこのアルバムを修学旅行中に買いました。


FAIR WARNING / Fair Warning

ドイツ出身のハードロックバンドのデビュー作。フックに富んだ哀愁のメロディをたっぷり含んだ美旋律は寸断なく最後まで続き、その質の高さに平伏すのみ。ハードロックの醍醐味溢れる#1「Longing For Love」#5「One Step Closer」#7「Out On The Run」#11「The Heat Of Emotion」、美しいメロディをとダイナミズムが魅力の#2「When Love Fails」#4「Crazy」#10「Take A Look At The Future」、狂おしく胸を締め付けるバラード#8「Long Gone」#12「Take Me Up」と、とめどなく流れるドラマティックな世界に陶酔。

DREAM THEATER / Images and Words

芸術性と商業性が見事に一体化したプログレッシブ・ハードの名盤。高次元のテクニックとレベルに、自己満足に終わらないある種分かり易さも同居した作風で(「曲」を「images」と表現するあたり)、耳に入ってくる音だけで凄いことやってるな、と思うと同時に曲の良さも加わって鳥肌も立つ。どんなに優れた音楽理論をもっていても、それを表現できるセンスと技術がなければここまで聴き手を感動させることはできないだろう。完璧な理論とテクニックを持った天才が集い、それぞれが化学反応を起こして爆発させた結果生まれた世紀の名盤。


DEF LEPPARD / Adrenalize

イングランド出身のハードロックバンドの5th。MTVで「Have You Ever Needed Someone So Bad」がヘヴィ・ローテしていて好きになりました。全盛期DEF LEPPARDの金太郎飴的仕上がり、そこがこのバンドのスゴイところで、彼らにしか作り得ない魅力的なハーモニーとメロディに満ち満ちている。その他にも「White Lightning(故・スティーブ・クラークに捧げた曲)」「Let's Get Rocked」「Tonight」「Stand Up」「Heaven Is」等名曲目白押しの名盤。


PRETTY MAIDS / Sin Secade

デンマーク出身のHMバンドの4thアルバム。「Please Don't Leave Me」がヒット。この曲からファンになったという人も多く(僕もそう)、最初はメタルサイドの曲に馴染めなかったりもした(僕がこのアルバムを聴いたときは、欧州HR/HMというのをほとんど聴いたことがなかった)。しかし、今こうして彼らの音源を揃え、好きなバンドになっているということは、いろいろなアルバムを通してPRETTY MAIDSや欧州HMの魅力に気づいたわけであるし、そういう意味でHMを聴くきっかけになった一枚といってもいい。


TNT / Realised Fantasies

ノルウェー出身のHMバンドの5th。世間では「アメリカナイズドされた」と酷評もあったアルバムだけど、僕はこれが最初に触れたということもあり、一番好き。確かに過去のアルバムの路線からすると北欧ならではの美旋律という雰囲気はないが、楽曲の良さは光っている。ロニーのヘヴィなエッジのギターが唸る「Downhill Racer」、メロディのフックが堪らない「Hard to Say Goodbye」、美しいメロディの「Lionheart」「Rain」、そしてラストを飾る勇壮な「Indian Summer」と、要所にハイライトを置いた構成が見事。

LIONSHEART / Lionsheart

イングランド出身のヘヴィメタルバンドのデビュー作。元グリムリーパーのスティーブ・グリメットによるWHITESNAKEライクな渋声が堪能できる。キャッチーな超名曲「Can't Beleive」、壮大でドラマチックな世界観が素晴らしい「Portrait」がおすすめ。


21GUNS / Salute

THIN LIZZYのアメリカ人ギタリスト、スコット・ゴーハムが結成したバンド。音楽性もTHIN LIZZYとは完全に趣を異にする、ウェットな情感と爽快感溢れるアメリカン・ロック。スコットのギターはそれほど目立ってはおらず、歌ものとしての普遍的な魅力を備えた質の高い一枚。音感に軽さもなく、ヴォーカルのトーマス・ラ・ヴェルディのやや掠れたウェットな声質はこのサウンドに大きな生命力を吹き込んでいて、「Marching In Time」、「The Rain」、「Just a Wish」といったロック・バラードの洗練された美しさを表現している。

MASQUERADE / Masquerade

スウェーデン出身の北欧メタルバンドのデビュー作。キラキラでメロディアスで聴きやすい高品質北欧メタルが堪能できる。

HOUSE OF LORDS / Demons Down

KISSのジーン・シモンズのレーベルからの第一弾としてデビューしたHOUSE OF LORDSの3rdアルバム。グレッグ・ジェフリア(Key)がリーダーだけあってKey主体ではあるが、80年代王道路線を行く重厚なアメリカンロック。ジェイムス・クリスチャン(Vo)のヴォーカルも当然ながら素晴らしく、トミー・アルドリッジ(Dr)のタイトなドラミングもアルバム全体を引き締めている。#3「What's Forever For」、#4「Talkin About Love」、#5「Spirits Of Love」あたりが出色の出来。
※廃盤のためAmazonリンクなし


TREAT / Treat

スウェーデンのHRバンドの5th。ヴォーカルに元SWEDISH EROTICAのマッツ・レヴィンを迎え、これまでの北欧キラキラ路線から一転、骨太のヘヴィ・ロックに音楽性の変貌を遂げた作品。前作は一般的に名作といわれているが、個人的にはヴォーカルの弱さが気になり、そういう意味でこの路線変更は肯定派。その音はまさしくマッツにぴったりのサウンドで、グイグイうねるギターサウンドと荒々しいヴォーカリストは男気たっぷりのガッツィーな仕上がり。ハード・ドライヴィンなナンバーもいいが、バラード「Justice」や「Learn To Fly」のしっとりした曲もまた絶品。
※廃盤のためAmazonリンクなし

Spotifyのプレイリスト

上記で紹介したアルバムを中心に1992年HR/HMのプレイリストを作成しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?