弦交換のやり方教えます

こんにちは、ギタリスト・アレンジャーの原田です。
今回はこのストラトの弦交換をしていきます。
僕が今までの音楽人生の中で、ローディーの人やギターテックの人から教えて貰ったことをベースに、自分でも色々調べたりした事をそれに足して辿り着いた、弦交換とメンテナンスの方法です。
コレが唯一の正解という訳ではないですが、1つの方法としてこんなやり方と考え方があると思って貰えたら良いなと思います。
それではよろしくお願いします。

1:挨拶
改めましてこんにちは、ギタリストの原田です。
多分今まで上げてきた動画の中で一番長い前説だったと思うんですが、今回の動画ではギターの弦交換とメンテナンスについて紹介していきます。
基本的な考え方はベースでも同じなので、ベーシストにも応用できるかなと思います。
僕は普段これからやる手順を大体週1回くらい、弦交換の度に行っていて、逆にこの手順で手に負えない状態の時には大人しくメンテナンスに出すと言う風に決めています。
自分はエンジニアリングのプロではないので、あくまで素人として出来る範囲のデイリーメンテナンスはちゃんとやろうって感じですね。
前置きが大分長くなってしまったので、早速やっていこうと思います。

2:弦を外す
はい、と言う訳でこれからやっていくんですが、そもそもの主目的はメンテナンスよりも弦交換なので弦を外していきます。

ただその前にまずはネックの状態を確認しておきましょう。
1Fと最終フレットを押さえて12Fと弦の高さを見ていきます。
これでネックの反りが見えるんですが、ネックが順反りなら隙間が空くし、ネックが逆反りなら隙間がなくなります。
ギターのネックは軽い順反りくらいが丁度良いと言われているので、そうですね、大体紙1枚分くらいの隙間が空いてれば丁度良いかもですね。
それ以上でもそれ以下でも後でちょっとトラスロッドを調整したいなって思っちゃいますね。
ただ、例えば一番感覚が開いてる所が12F以外の場合はトラスロッドはあまり上手く利かないので、その場合は大人しくリペアに出してください。

んでまずはこれ、このストリングワインダーを紹介したいんですが、これは全てのギタリストとベーシストは絶対持ってた方が良いです。
自分はこれを導入してから弦交換の頻度が倍位に上げられました。
弦交換って凄い面倒くさいじゃないですか。
中でも、弦を巻く作業って一番だるい作業だと思うんですけど、これがあれば本当にノーストレスで弦を巻けます。
これはね、本当に使ってみて貰うと感動するレベルで便利なんですけど、イマイチ言葉だと伝えるの難しいですね。
こう言うドリルタイプじゃなくて、手でくるくる回すアルトベンリってのもあるんですけど、アレはアレで上手く回せなかったりしてストレスがあるので、是非こっちの電動式の方を手に入れて欲しいなって思います。
僕が使っているのはペンギンPST30Cって奴なんですが、これがAmazonだと3980円、その前に自分が初めて買ったやつはErnie BallのPowerPegって奴で、当時2000円位だったと思うんですが、これは廃盤になっちゃったのかなぁ。
この値段を高いかどうかなんですけど、これでこれから先短縮される時間を考えたら決して高い買い物ではないと俺は思います。

じゃあまずはペグを回して弦を緩めていきます。
ある程度緩めたら、12F位で弦を切って弦を外していきます。
12Fって言うのは構造上弦長のほぼ真ん中になるので、弦の後処理が簡単だからですね。
んで弦を切ったら弦を外してくるくるとまとめておきましょう。
この時に弦の先で手を怪我しない様に気を付けてください。

弦を外したらネックレストにギターを掛けて置いておきます。
僕が使っているのはダダリオのネックスタンドですねー。
折りたためて便利なんですけど、正直ちょっと背が高くて使いにくさもあります。
これは机を傷付けないのと共に、ギターを安定させて不慮の事故が起きない様にするためですね。
ネックレストが無ければ、ボディの下にタオルとか敷いておくだけでも良いと思います。
ボディの傷が気になる方はネックレスとがあってもなくても、下にタオル敷いとくと良いですね。
僕は全く気にしないのでそのまま起きます。

んで、弦を外したらまず最初に指板を掃除します。
これは色んな流派があるっぽいんですけど、僕がお薦めするのは固く絞ったぞうきんで拭き挙げるやり方です。
指板上と、フレットの脇に溜まった垢や汚れを丁寧に拭き上げていきましょう。

はい、綺麗になりました。
じゃあ次はオイルを塗って保湿していきます。
このギターはローズ指板なのでオイルを塗るんですが、メイプル指板のように上からクリアが吹いてあるものや、一部のギターのようにオイルフィニッシュのギターの場合はこの工程は必要ありません。
んで、使うオイルなんですが、これまた人によって色んな考え方があるんですが、僕はミネラルオイルを使います。
今僕が使っているのはBigBendsのフレットボードジュースです。
一時期ね、YouTube上でもオレンジオイルがどうだーレモンオイルがどうだーみたいな感じで一部界隈が大騒ぎになっていましたけども、僕はもう素直にミネラルオイル一択で良いかなと思います。
どう考えても酸がフレットや弦に良い影響を及ぼすとは考えにくいし、不純物が木材に与える影響が未知数なのであれば、そもそも不純物がないものを使えば良いじゃんって事ですね。

オイルの塗り方なんですけど、一般的にはクロスにとって塗り広げるやり方が普通だと思うんですけど、僕はもう大胆にこうやっちゃいます。
んで適当に指で広げていきます。
ここはね、人によっては「信じられない事をするな」って思うポイントだとは思うんですけど、でもまぁこの後無駄なオイルはきっちり拭き取るし、足らない方が面倒くさいのでこうやってますね。
このやり方で今の所不具合が出たことはないです。

さてオイルを塗り終わったら、ネックの裏にこぼれたオイルも拭き取って、オイルを浸潤させている間にボディを綺麗にしていきます。
ここはもう本当お好きな様にって感じだと思うんですけど、僕がいつもやっているのはこのBigBendsのグロスソースを適量クロスにとって塗り広げ、少し乾いたらそれを拭き取ると言うやり方です。
この時に直線的に塗り広げるのではなく、円を描きながら塗り広げていくのがポイントですね。
直線的にやると磨き傷が残りやすくなっちゃうので。

そうこうしている間に指板の方も良い感じになってくるので、今度は余分なオイルを拭き取っていきます。
大体2周くらい拭き取れば良いかなって感じでサクサク拭き取っていきましょう。

ちなみにこのギターはステンレスフレットなので磨きが必要ありません。
音にクセはあると思うんですけども、それを凌駕するくらいにメンテナンス性が格段に高いのでステンレスフレットはお薦めですよ。
自分が持っているギターは殆どステンレスフレットに打ち替えてます。

さてここまで来たら今度は弦を張っていきます。
手順としては、先に全部の弦を裏通ししてから弦を張っていきます。
1本ずつ通して張ってってやっても良いんですけども、それだと毎度毎度持ち替えたりしなきゃいけないので、効率化のために作業を1まとめにしています。
こう言った作業は効率化がとても大事で、作業効率と持ち替える回数ってのは反比例するモノなので、出来るだけその持ち替えって動作を省ける様に作業をデザインしていきましょう。

このギターはロックペグが採用されています。
このロックペグも、チューニングが安定するのは勿論なんですけど、それ以上に弦交換がめちゃくちゃ楽になるんで本当におすすめです。
これもまた、自分が持っているギターはほぼほぼロックペグに交換しています。
もちろんヘッドの重さが変わるのである程度音は変わるんですけどね。それでもこの利便性を考えたら圧倒的にお勧めせざるを得ないって位にはお薦めですよ。

ロックペグなので穴に通したら裏からロックして適当に巻き上げるだけでOKです。
さくさくやってきましょう。

さて弦が張り終わりました。
弦を張る時点で、ある程度近いチューニング程度まで弦を巻いといてあげると後々楽ですね。
チューニングをしていくんですが、僕は普段演奏中は1弦からチューニングするんですけども、弦を張る時は6弦からチューニングしていきます。
こう言ったアーム付きのギターの場合は全部の弦の張力と裏のバネとの聴力のバランスでフローティングを作るんですけど、なんとなくその加重が1弦だけに掛かる状態って怖いなとおもってこの時だけは6弦からチューニングしちゃいますねー。

さてチューニングが終わったので弦を伸ばしていきます。
まずはここ、ブリッジの先を押して伸ばします。
忘れがちなんですけど、ここ結構伸びちゃうんでちゃんとやっときましょう。
それが終わったら、各弦フレットマークの所で適当にチョーキングしてあげて伸ばしていきます。
これも色んな考え方あると思うんですけど、あんまり伸ばし過ぎちゃうと今度は張りのない音に鳴っちゃうので、色々試行錯誤した結果、このやり方が一番丁度いい感じで弦が伸びるなぁって思いました。
これを安定するまで2〜3周やっていきます。

はい、チューニングも終わりましたね。お疲れ様でした。
最後にオクターブチューニングをしていきます。
いくつかやり方はあるんですが、僕のやり方は解放の音と12Fの実音を合わせるやり方で合わせていきます。
もちろん一般的な12Fと12Fのハーモニクスでやっても良いんですけど、まぁこれは本当に好みですね。自分がこのやり方をやってるのは一番分かり易いからです。
コレもいつか動画にしてちゃんと説明しますね。
3:終わり
はい、お疲れ様でした。
無事に弦交換が終わりましたね。
今日はいくつか自分の考える中でポイントとなる点とかも説明しながらだったのでちょっと時間掛かっちゃいましたけど、普段だと大体30分位で弦交換とメンテナンスが終わります。
本気で弦交換だけだったら5分くらいかな。
そのスピードで出来るのはこのストリングワインダーがあるのと、ロックペグを採用しているからですね。
やっぱり弦交換って面倒くさいですからね、省ける手間は省いちゃって良いんじゃないかなって思います。
この動画が皆さんの弦楽器ライフに少しでも役立ったら嬉しいなと思います。

こういう感じで、今後もまたちょっと役に立つ話とかを動画にしてあげていきたいなと思っているので、この動画が役に立ったよとか面白かったと思って頂けたら、グッドボタンとかチャンネル登録とかしてくれたら嬉しいです。

また「こんなことを取り上げて欲しい」とか「ここが良く分からなかった」という事がありましたら、下の方のコメント欄に残しといて貰えたらありがたいです。

ではではここまでお付き合い頂きありがとうございました。
また別の動画でお会いしましょう。

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